歴史は時の権力者によって都合よく書き換えられる

旧日本軍による強制集団自殺


 私は、歴史教科書から集団自決(自殺)について軍の強制があったことを削除する動きに心を痛めています。私はこれまで10回以上沖縄には行ったことがあります。第二次大戦の最終局面、捨て石になった沖縄には生き証人がまだまだいます。

他人に殺されるならと、家族同士で殺し合った...
母親を念入りに殺した... 

 大田昌秀さん(元沖縄県知事)にお会いした際の印象的な話があります。大田さんが20才であった1945年10月、沖縄の地で英語が読める先輩が英文雑誌LIFEを拾い、その中にあった戦争終結(8月15日)の記事によって初めて終戦を知ったそうです。大田さんはそれがきっかけで英語を学ぶようになり、英語が堪能になりました。大田さんは敗残兵狩りの中、戦場から出て捕虜になったのは10月23日。因みに、沖縄戦が最終的に終結したのは、9月7日です。


右は大田昌秀氏(82)

 歴史は時の権力者によって都合よく書き換えられることは世界中で起きており、珍しいことではありません。私たちはそれに無関心であってはなりません。
 「事実の否定」は、否定された側に強力なインパクトを与えます。否定された事柄を元に戻す作業・マイナスからゼロに戻す作業は、労力が必用です。 この教科書検定問題は、前政権による負の遺産です。人の思考や発想の自由は認めますが、政治が歴史に介入しないでいただきたいです。
 また、沖縄では今日、米軍嘉手納基地内に住む米軍人の息子(21)が強姦致傷の容疑で沖縄署に逮捕されました。尊厳を踏みにじられた被害女性や周囲の苦痛に思いを馳せるとともに、歴史や現状に無関心であってはならないと思います。

沖縄戦/教科書検定(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/spe/syudanjiketsu.html

アップロード:2007年10月16日