2008年12月一般質問

2008年(平成20年)12月4日


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高田ヒロシ登壇、小林常良市長答弁、平井広教育長答弁


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在日外国人への児童手当の支給について


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教育長の夢は何か。平井広教育長との質疑


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中学校において、体罰と認定されるまでの経緯は


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体罰と認定した妥当性は?


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食育と国際理解教育

◯16番 高田 浩議員 (登壇)通告のとおり質問をいたします。
 皆さんは別居監護、あるいは海外別居監護という言葉を聞いたことがありますでしょうか。児童手当の1つですが、児童手当法の運用により、地方自治体は外国人の児童も対象として児童手当を支給しております。
 そこまでなら不思議ではありませんが、語学学校に通い、アルバイトもしている学生で、自国、つまり日本以外に住む子供を対象に児童手当が出ているとしたらいかがでしょうか。この件について厚木市の現状及び見解をお尋ねいたします。
 私は、9月議会で厚木市のコンピュータシステムについて質問をいたしました。その結果として、情報システム最適化計画が策定されることになりました。今回は各論に及びながら、その方向性を議論したいと思っております。
 教育行政についてですが、私は、昨年の12月議会で教育委員会の一定の独立性について質問をしました。小林市長は、大切な部分だとした上で、尊重する旨の答弁をしました。平井教育長は就任から1年がたちました。そこで、ご自身の潜在意識に照らし合わせて、教育現場における夢と希望をお尋ねいたします。どのような方向性に教育現場を導いていきたいか、お尋ねしたいと思っております。

 質問をまとめます。

(1) 児童手当について
 ア 外国人の海外別居監護について
 (ア)現状と市の考えは。
(2) コンピュータシステムの維持管理について
 ア 経費削減について
 (ア)改善を必要とする点と今後の方針は。
(3) 教育行政について
 ア 教育長の夢は何か。
 (ア)学校現場をどう導きたいか。
 イ 食育について
 (ア)給食の残食を減らす方法は何か。
 ウ 英語教育や国際交流について
 (ア)市内の小・中学校への訪問を各国大使館に要請してはどうか。
 (イ)教育委員会のアイデアは何か。
★(2)と(3)の順番を入れ替えて質疑しました。(2)の質疑は最後に一問一答のみです★


 以上、明快な答弁を期待しております。よろしくお願いいたします。

     (齋藤仁礼議員復席)

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◯石井恒雄議長 市長。

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◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、児童手当について、外国人の海外別居監護について、現状と市の考えはとのお尋ねでございますが、児童手当は児童手当法に基づき、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的に支給するものでございます。外国籍市民についても、市民生活を営む上での権利は、すべての人に平等、公平であるという原則を踏まえ、海外別居監護に限らず同様に支給しております。
 今後におきましても、児童手当は法定受託事務であることから、全国一律の基準により事務を取り扱ってまいりたいと考えております。
 次に、コンピュータシステムの維持管理について、経費削減について、改善を必要とする点と今後の方針はとのお尋ねでございますが、本市のコンピュータシステムにつきましては、安全性を最優先として、効率的な運用に努めてきたところでございます。しかしながら、過去に構築された数多くの個別システムにつきましては、機器の老朽化や技術革新への対応などが課題であり、そのため、システムの統合や効率化を図るほか、ホストコンピューターをサーバーに置きかえる、いわゆるオープン化などの検討が必要であると認識しております。
 今後につきましては、システム全体の最適化計画を進める中で、経費削減策に努めてまいりたいと考えております。
 教育行政については、教育長からご答弁申し上げます。

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◯石井恒雄議長 教育長。

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◯平井 広教育長 (登壇)次に、教育行政について、教育長の夢は何か、学校現場をどう導きたいかとのお尋ねでございますが、あのとき、あの先生がいてくれたから、そう思ってくれる子供、そう思ってもらえる先生が一人でも多くなり、子供たちがわくわくドキドキしながら通うことができる、そんな学校づくりをしていきたいと思っております。
 子供たちは未来の厚木を担う大切な宝です。保護者と先生が互いに信頼し合い、協力し合う中で大切な子供たちをはぐくんでいきたい。そのために、教職のプロとしての力量アップ、安心して学べる環境づくりなど、厚木市は本当に子供を大切にしているなと評価してもらえるような教育の実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、食育について、給食の残食を減らす方法は何かとのお尋ねでございますが、小・中学校では、給食時間に担任の教諭が残食についての指導を行っておりますが、栄養士も定期的に残食の状況を調査しながら献立の工夫を行うとともに、食料の生産状況や大切さなどを教える授業を実施しております。
 また、各家庭に対しましては、学校を通して給食だよりを配布し、食に対する理解と認識を深めていただくよう努めているところでございます。
 今後につきましても、食の大切さについて、さまざまな機会をとらえて児童・生徒に指導し、給食の残食が減るよう努力してまいります。
 次に、英語教育や国際交流について、市内の小・中学校への訪問を各国大使館に要請してはどうかとのお尋ねでございますが、各学校におきましては、国際理解教育の一環として、地域や学校の状況に応じて、外部講師を招いた授業や他国の子供たちとの交流等を行っております。
 教育委員会といたしましては、各学校の意向や教育計画を尊重しながら、より効果的な国際理解教育が推進できるよう支援してまいります。
 次に、教育委員会のアイデアは何かとのお尋ねでございますが、平成23年度から完全実施される小学校外国語活動のスムーズな導入に向けて教育研究所が研究部会を立ち上げ、年間指導計画等の作成や授業実践の研究などを行い、教師の指導力の向上を図っております。また、英語指導助手の配置日数や活用方法などについても検討を進めております。
 さらに、韓国軍浦市を初めとする海外友好都市との交流や元気アップスクール推進事業により、各学校が特色を生かしながら推進している英語教育や国際理解教育への取り組みを支援しております。

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◯16番 高田 浩議員 答弁ありがとうございます。児童手当の一種である外国人の海外別居監護についてお尋ねいたします。
 日本に住む外国人で、その子供が日本に住んでいなくても児童手当が支給されると聞いております。厚木市ではそのケースが何件ありますでしょうか。

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◯藤井幸子少子化対策・子育て支援担当部長 現在2件支給してございます。

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◯16番 高田 浩議員 その外国人の定義ですが、国籍は問いませんか、それとも特定の国籍を持った人が対象でしょうか。

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◯藤井幸子少子化対策・子育て支援担当部長 国籍は問いません。厚木市に外国人登録をなさっている方が対象となります。

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◯16番 高田 浩議員 以下に述べるケースは支給対象になりますでしょうか。留学生として来日、資格外活動―つまりアルバイトのことですが―アルバイトをしている。子供は海外にいる。滞在期間1年未満、児童手当は支給の対象になりますでしょうか。

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◯藤井幸子少子化対策・子育て支援担当部長 児童を監護している事実、それと支給要件を満たしていることが確認できれば支給をしております。

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◯16番 高田 浩議員 外国人も納税の義務が発生いたしますが、納税の確認はしていますでしょうか。どのような要件で支給決定をしますでしょうか。

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◯藤井幸子少子化対策・子育て支援担当部長 支給申請時につきまして、納税しているかどうかということは支給要件の中にはございませんけれども、この支給につきましては、所得制限がございますので、その際に所得証明書により確認をさせていただいています。
 また、支給要件といたしましては、児童手当の認定請求書をご提出していただく際に、別居監護の申請書、出生証明書、自国の住民票、銀行からの送金証明書等を添付していただきまして、福祉部で認定をさせていただき、交付をさせていただいております。

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◯16番 高田 浩議員 もう少しわかりやすく、先ほどの例で滞在期間が1年未満だった場合、納税の確認ができない場合でも支給の決定はすることがありますか。

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◯藤井幸子少子化対策・子育て支援担当部長 納税の確認等が要件ではございませんので、支給はできます。

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◯16番 高田 浩議員 この海外別居監護ですが、知っている人だけが得をするという側面があるのです。厚木市議会事務局に神奈川県内の状況を調べてもらいました。それによると、10月1日現在で横須賀市が3件、小田原市は7件、秦野市は8件などでした。ただし、数が多いであろうと思われる横浜市や川崎市、あるいは相模原市、藤沢市はデータが出てきませんでした。出せない理由として、川崎市の回答は実情を大変わかりやすく説明しております。その答えとしては、システム上検索できず、紙ベースから確認作業をすると膨大な事務量になってしまう。回答不能ということなのです。また、私が独自に聞いたところによりますと、問い合わせした埼玉県川口市では、ことしの6月1日現在で67件の支出をしているそうです。
 横浜市や川崎市などがデータを出せないということは、県並びに国がデータを持っていないということを意味します。市町村は法律に従って事務をしている立場ですから特に問題はないのですけれども、国がその件数を把握していないというのはどんなものだろうと思います。
 ところで、同様の制度を持つ外国政府はあるかと厚生労働省に尋ねたことはありますでしょうか。
     (徳間和男議員退席)

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◯藤井幸子少子化対策・子育て支援担当部長 ご質問につきまして厚生労働省に照会したことはございますけれども、そのようなものは把握をしていないということを聞いております。

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◯16番 高田 浩議員 私も先月、厚生労働省の児童手当管理室に問い合わせをしました。同様の制度を持つ外国政府がありますかと聞いたのですけれども、掌握し切れていないという回答でした。これは日本では使われていない児童手当です。税金支出です。私は、言ってみれば個人版ODAとでも言えるのではないかと思っているのですけれども、1人当たりの年間所得が1000ドルに満たない国もたくさんあるわけで、国によっては児童手当1万円の価値が大分違います。ましてや昨今の円高で、1年間で30%も40%も為替レートが変動していたりということもあるわけで、児童手当法を運用する国にはそれなりの理由があるのでしょうけれども、外国に住む外国人の子供にまで児童手当を出すということについては、ちょっと理解に苦しむ点があります。神奈川県下の児童手当の担当者会議が定期的に開かれていると聞きますが、そういった会議や、その他の場所でもいいのですけれども、この海外別居監護について議会で質問されたといった内容でも構わないのですが、ぜひ何らかの場で話題に出していただきたいと思っております。これは要望としておきます。
 次に、順番を入れかえまして教育行政について質問いたします。
 学校現場をこうしたいといった平井教育長の夢は何でしょうか。教育長という立場を得て初めてできるといったこともあろうかと思います。いかがでしょうか。
     (徳間和男議員復席)

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◯平井 広教育長 登壇で述べたとおり、私の夢は、学校の先生たちが元気に子供たちの相手をすることができて、そして子供たちが必要な各教科、道徳、特別活動、その他の学校の特色をつけるような授業、そういうものをすべて通して、バランスのいい発達をしていけるような学校づくりです。

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◯16番 高田 浩議員 その夢を実現させる具体策はありますでしょうか。

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◯平井 広教育長 教育の質を上げたいとか、いい子供をつくりたいとか、そのために先生たちが頑張ってほしいという願いの中で、1つのこの方法をやれば劇的に効果が上がるというものは、私の経験上ないし、いろいろ読んでいても、そういうものには発想が行き当たらない。これさえやればすべての子供がよくなるとか、そういうものではなくて、国語、算数、社会、理科、各教科の授業を大事にしながら、なおかつ、人間としての心の成長を促すような道徳の時間、みんなが楽しくチームワークを組んでやるような学級活動であったり、いわゆる特別活動を充実する。そういうものをすることで、いい教育はできると思っています。

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◯16番 高田 浩議員 前に高知県南国市に行きましたが、そこの教育長が食育ということについて一生懸命取り組んでいるそうなのです。そういったことが何かおありかと思ってお聞きしました。教育長のお話を聞いていると、つまり児童・生徒と教員の触れ合いの時間というか、そういったものをふやしたいということにも聞こえるのですが、もしそれをするとしたら具体的な方法はありませんか。

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◯平井 広教育長 ほかの機会にまたお話が出てくるのかもしれませんけれども、私は、今の学校現場で、これから教員になりたいと思っている若い人たちにとって魅力のある職場になっているかどうかというのも、これから考える大切な視点だろうと思っています。そういう意味では、よく本来業務というとどこまでかということになってしまうのですけれども、教員という子供の成長に直接携わるような活動に時間を割くことができる、そういうような環境を提供していくのが私たち教育行政の役割であると思っています。
     (松田則康議員退席)
 今おっしゃったように、例えば食育という1本の柱を持って、それをやっていけば―私もある記事で読みました。全部米飯給食にして、青魚を主体としたおかず、そして野菜をたくさん入れて、そうしたら学力も伸びた、不登校もなくなった、問題行動がなくなった。そういうものはあるのかもしれないけれども、私は、だから1本それをやるというものではないだろうと思っているのです。今言ったように、その学校の置かれている状況に応じて、子供たちにこの部分の力をつけてあげたいという教員の願いがその学校の教育上の特色になるものであって、教育行政は、私がこれを1本やるということで号令をかけて、各学校がそれを一斉にやらなければならないというものではないだろうと思うのです。厚木市内は市街地、駅周辺の学校もあれば、山近くの学校もあれば、置かれている環境も違えば、人数も違えば、いろいろなものが違う。そうした違いを承知の上で、子供たちの質的な教育をよくしてあげたいという願いを私は持っていますし、こういう私の考えを学校現場の校長先生や先生方に理解していただくような努力、それを私の具体的な行動として示していきたいと思っております。

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◯16番 高田 浩議員 いつだったか記憶は定かではないのですけれども、教育長とお話ししている中で、教員の多忙化の中で、それを緩和というのですか、忙しくないようにする方法の1つとして、教育委員会からの依頼事だとか、そういったことを減らしたいようなことをおっしゃっていた記憶があるのですが、そういう方法をとることによって先生と児童・生徒の触れ合いの時間をふやすという方法はとれませんか。

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◯平井 広教育長 確かに私はいろいろなところでそういう発言をしていることは事実です。私の経験を通してみますと、外部から来る文書整理からいろいろな細々としたものまで、教頭職であるとか、あるいは教務主任の先生が行う例が多いのです。私は平成15年度だけ中学校現場にいましたけれども、そのときに、余りの文書量の多さに辟易しながら、文書が一体どのぐらいあるのか、その学校に送られてくる外部からの文書をすべてチェックしました。記憶では1年間に3000種類を超える量が学校に届きます。例えばいろいろな文書類、調査類、あるいは審査員の要請であるとか、何々コンクールに出す図画をかいてくれとか、何々コンクールに出す作文を書いてくれとか、いろいろな種類の要請文書が学校に届いているのは事実です。こういう部分を少しでも精選して精査して、学校の先生方がそういうものをやらなくても、ほかの人ができる部分だったらそれをやってあげることによって、学校の教員にしかできないことの時間を生んであげたいと思っています。それを具体的な私の夢といえば、そうかもしれませんけれども。
     (松田則康議員復席)
 皮肉ではなくて、あなたの夢は何かと聞かれた子供が夢を語ります。そうしたら、あなたの夢は具体的ではないねと言うことのないような教員、子供の気持ちを大事にする教員、これは具体的ではないといえば具体的ではないかもしれないけれども、実はそれが一番大事な部分だろうと思っています。

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◯16番 高田 浩議員 では、違う内容についてお尋ねいたします。10月に市内の中学校でいわゆる体罰をきっかけに担任を外されるということがありました。校内人事権はその学校長が持っております。校長による裁量の範囲とはいえ、年度途中の担任交代は生徒及び保護者の信頼を著しく損なうものであります。慎重の上にも慎重な判断が求められます。
 そこで、今回の場合、教育委員会は校長にどのような指導をしたのか、結果として担任を外す決定に至ったのか、その経緯と妥当性についてお伺いいたします。

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◯曽田高治学校教育担当部長 ただいま議員がおっしゃいました10月の体罰の件ですけれども、学校長から報告がございました時点で、校長自身がその教諭の行為について体罰であると認識をしているといったようなことがございましたので、教育委員会といたしましては、学校訪問を行いまして、通常の体罰の対応と同様になるのですけれども、学校長に対して、さらには当該教諭に対して厳正な調査を実施いたしました。今回の行為については、その内容等から考えて、教育委員会としても体罰であると認識はしております。
 校長に対する事情聴取の中で、当該教員への指導、事実確認をきちんと行っていただきたいということは当然のことなのですけれども、あわせて、学校の生徒指導の体制、被害を受けた生徒の精神的ケア、その行為を見ていた子供たちに対するケアをきちんと行っていただきたい、こういったようなことを指導いたしました。
 その後、校長先生のほうでさまざまな要因をお考えになって担任交代を決められて、10月31日、学年保護者会を開催して保護者の方々に説明をされたわけですけれども、まず年度途中での学級担任の交代については、慎重の上にも慎重でなければいけないのではないか、そういったようなことを議員はおっしゃいましたが、まさにそのとおりだと思います。学級担任は子供たちにとって最も身近で、影響力が強い存在でございます。したがいまして、担任を変更するということについては、その先生本人だけではなくて、子供たちにとっても大変重大なことであると思っております。そういう意味では、学級担任の解除、交代というのは、ある面で非常に繊細な面を持っていると思います。よほどのことがなければ、年度途中で学級担任を交代させるといったようなことは通常ないわけです。
 しかしながら、いろいろな支援策、手だてを講じる配慮をして、担任を交代することによる子供たちへの影響を考慮したとしても、なお担任として継続して子供たちの前に立たせるということがふさわしくないと校長先生が判断をされた場合には、先ほど議員がおっしゃいましたように校長の職務権限、これは学校教育法第37条第4項に定められておりまして、校務分掌決定権だとか校務掌理権と言われている権限でございますけれども、それに基づいて年度途中であっても担任を解除できるということでございます。校長先生としては、いろいろと考えられた末に、校長先生の判断と責任のもとにおいて担任交代を決められたと聞いております。
 なお、10月31日の学年保護者会の中では、参加をされた保護者の方々から、今回年度途中で担任を交代することについて、賛否両論、どちらかというと反対といったような立場からのご意見も数多く出たとは伺っております。しかしながら、そのやりとりの中で、校長先生は幾たびにもわたって、もろもろのことを考えた上で、学校をあずかる最高の責任者である校長としてこういったような判断をいたしましたので、ご理解をいただきたいということをおっしゃっていたと伺っております。そういう意味では、教育委員会としては妥当なものであったのではないかと考えております。

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◯16番 高田 浩議員 私の質問は、担任を外すという決定に際して、その経緯と妥当性についてお伺いいたしました。今の答えは妥当性にほとんど割かれていて、経緯についてかなり省略されています。それで、担任を外すという決定に至ったことについて、私は細かく知っていますけれども、随分簡略化されています。賛否両論あったと言いますが、2時間半にわたって保護者会がありましたけれども、ほとんどの質問が、どうして担任を外したかということについてのいろいろな角度からの質問でした。最後にお一人だけ理解を示す発言がありました。
 学校教育法第11条は次のとおりです。「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」。教育現場では、児童・生徒に何らかの懲戒は必要でしょう。懲戒は認められるが、体罰は禁止。現場では懲戒と体罰との境界線に苦しむのではないかと思います。懲戒と体罰との境界線について、厚木市教育委員会の見解をお尋ねいたします。

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◯曽田高治学校教育担当部長 学校教育法第11条の内容は、議員がただいまおっしゃったとおりでございます。懲戒を加えることはできるけれども、体罰は禁止である。これは法令上の定めでございます。教員は、言うまでもなく法令その他を遵守して子供たちの教育活動に当たらなければならない、そういったようなものでございます。
 今お尋ねの懲戒と体罰との境界線についてどのように考えているかということですが、まず懲戒については、中身として大きく2つございます。事実行為としての罰、制裁、例えば叱責、校長による訓戒、さらには学習課題を出したりだとか清掃活動を行わせる。また、教室で立たせる。そういったようなことについては事実行為としての懲戒である。
 もう1つ、法的な効果を伴う懲戒というのもあるわけで、中身としては退学、停学です。ただし、公立の義務教育諸学校においては、停学も退学もできないということになっております。私立の場合には、停学はだめですけれども、退学はあるわけです。これがまず懲戒です。
 それと体罰についてはどうかというと、教育委員会がよりどころとしているのは、教員、学校現場もまた同様でございますけれども、平成19年2月5日に文部科学省初等中等教育局長から、「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」という通知が出されております。この通知に添付をされております別紙「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方」、これが長らく体罰についてはこうだとされていたものを変えて、以後この考え方に基づいて対応をしてくださいといったような内容のものです。その中に、体罰というのはこういったようなもので、懲戒というのはこうだということが明確に書かれております。
 これは、今回の体罰事件に関して小・中学校長会議を開催したわけですけれども、その中で教育長からすべての小・中学校長に話をさせていただきましたし、さらに補足で私から、今ちょっと触れましたこの文書に基づいて、きちんと誤解のないように校長先生方に説明をいたしました。
 よく誤解をされるのが、では先生方は何もできないではないかと。子供が暴力を振るってきた、胸ぐらをつかんできた、殴りかかってきた、実際に殴った、そのときに暴力をとめるために腕を押さえる。場合によっては、殴るけるはだめですけれども、その場に押さえ込む、これはそもそも体罰ではない。懲戒に分類をされるわけです。
 もう1つが、子供同士のけんか等で、A君がB君に対して一方的に暴力を振るっている。そのときに、子供の安全を守るのは教員の非常に重要な使命ですから、場合によっては体を張ってでも危害を加えられそうな子供を守る。その反作用として、暴力を加える生徒の暴力を制止する、これもまた体罰ではない、懲戒である、そういったような見解になっている。このこともあわせて校長先生方にお話をしました。学校に戻られたら、ぜひすべての先生方にそのことをきちんと話して、やらなければならない場面では、こうしたことをやらなければならないということを区別してお話をしていただきたい、そういったような話をさせていただきました。

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◯16番 高田 浩議員 11月5日に臨時小・中学校長会議があって、その中の内容についてもある程度承知しております。ただし、今おっしゃったような説明をしたとは思いますけれども、担任を外すということを決定したことと、各学校長からそういった説明があったということのインパクトは、現場の教員にどちらが大きいのかと私は後で思いました。
 子供は大人を見て育ちます。私たち大人は子供の模範であります。今回の担任を外すという決定を支持している生徒、保護者は多数派だと思いますか。

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◯曽田高治学校教育担当部長 今回の担任を交代したということそのものについて、全面的に支持をされているという保護者の方々は、さきに行われた学年保護者会、また校長先生からその状況等の報告を受けておりますけれども、そういったようなことをかんがみると、少数派であると受けとめております。だからといって、校長先生が今回このように判断をされたこと、それが誤りであったというのは別の問題だと思っています。

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◯16番 高田 浩議員 私の感想並びに要望を述べます。確かに校内人事権は学校長にあります。しかし、その校長への人事権は教育委員会にあります。今回のような重要決定をする際には、校長は教育委員会に相談します。校長は感情がない機械を相手に話をするわけではありません。相談相手たる教育委員会職員の受け答え方や話の展開、さらには人生経験などによって校長先生の意思決定に影響が生じます。今回、校長先生は対象となった教員同様につらい立場だったとそんたくいたします。人は第三者の意思や行動によって意思決定に影響があるものですが、影響を受けないで意思決定を持続させるという選択肢もあります。
 さらに言うと、今回の件が司法の場で体罰と認定されるか、現段階ではだれにもわかりません。ことし11月に、教員が高校生に1週間のけがを負わせたことは認めるものの、体罰ではないとの判決が横浜地裁で言い渡されました。判決文では、形式的には暴行に該当するが、学校のルールを守らず、自分勝手な行動をする生徒への生活指導の一環としての行為、正当な業務行為の範囲を逸脱したものとは言えないと述べられ、無罪となりました。
 当事者である教員の勤務評価や、一方の当事者である生徒の日ごろの生活態度、その他大勢の生徒へはプラスに転じたのか、その教員の行為は対象生徒が傷つく範疇か否か、切り捨て御免ではないかなど、さまざまな見方があるようです。
 私が申し上げたいことを一言で言えば、現職の教員には気持ちをなえさせることがないようにしてほしいということです。また、教育委員会に望むことは、事なかれ主義の教員を量産するかのような雰囲気をつくってほしくないということです。
 次に、食育について触れます。
 これはある栄養士のアイデアですが、小学校低学年の児童が、小学校でプランターで野菜を育てて、野菜を家に持ち帰って親と料理をする。その写真を撮って校内に展示する、もしくは感想文を書く。これは食に対する関心を持つきっかけづくりというのが目的ですが、このアイデアについていかが思いますでしょうか。

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◯曽田高治学校教育担当部長 プランターで野菜をつくって、家に持ち帰って、うちの人と一緒に料理をする。また、その様子を写真に撮って張ったりする。非常に興味深いアイデアだと思います。すべての学校かどうかは別にして、このようなプランターで植物を栽培したりだとか、あるいは学校農園といいましょうか、校地内に畑を有している学校もあれば、外に田んぼを借りているといった学校もあるのですけれども、子供たちはさまざまな栽培活動に取り組んでおります。そういう中で、収穫したものを指導してくださった地域の方々と一緒に料理をして食べる、そういったようなことも幾たびか新聞で報道をされているところでもあるのですけれども、家に持ち帰って家族と、これをつくったということで一緒に料理をして食べると、これはまた違った思いを子供に残すのではないかと思います。何かの機会があったら学校に対して紹介をしてみたいと思っております。

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◯16番 高田 浩議員 あと、国際交流ですけれども、私は先週、ケニア大使にお会いしました。今回議会で質問するということを述べた上で、厚木市の小・中学校で受け入れる用意ができたら来てくれますかと聞いたところ、もちろんという答えでした。ケニア大使というと、アメリカの大統領選挙の前に福井県小浜市に呼ばれて、ニュースにもなった方です。また、南アフリカ大使館の大使館員4人と同様の話をしたのですけれども、行きますという返答でした。
 ルートがないと心配するかもしれないのですけれども、それぞれの大使館で文化担当とかがいますので、そういったところに相談すれば意外と気軽に来てくれるかもしれないのですが、こういったアイデアについてはいかが思いますでしょうか。

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◯曽田高治学校教育担当部長 今、議員がお話しになりました、大使館に連絡をとって大使館の方に来ていただく。それもまた各学校で行っている国際交流、国際理解教育の中身の1つとして考えられるのではないかとは思います。これもまたすべての学校ではないのですけれども、特に小学校において、これは学校の年間指導計画、教育課程に位置づけてのものではないのですが、中国揚州市の青少年の交流団の子供たちとの交流を持った学校だとか、ごく最近は韓国軍浦市の子供たちとのパソコンの交流だとか、あとアイルランド大使館に連絡をとって、アイルランド大使館の方に来ていただいて交流授業を行った、そういったような学校も一部ございます。ただ、どんなふうなルートで連絡をとればいいのかということがわからない学校も、もしかしたら数多くあるのではないかと思いますので、議員がおっしゃいましたこともあわせて、何かの機会がありましたら学校に紹介をしたいと思っています。

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◯16番 高田 浩議員 あと、スカイプといって、つまり無料のインターネットテレビ電話というソフトで、ヘッドマイクを使って通話することができるものがあるのですが、こういったものを使って韓国軍浦市だとか、あるいは中国の友好都市と、共通言語である英語を介して何らかのカリキュラムを立てて交流授業をするというのは、技術的には可能ですが、現実的にはいかがでしょうか。

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◯曽田高治学校教育担当部長 私自身、スカイプという仕組みが余りよくわからなかったのですけれども、聞くところによるとお金はほとんどかからない。それで海外とでもやりとりができるといったもののようですけれども、それとは別に、先ほど言いましたように、今回縁あって友好都市である韓国軍浦市の子供たちと厚木市の小学校の子供たちとが、お互いにパソコンの上にカメラを設置しましてリアルタイムでやりとりをする、そういったような交流授業を行いました。それとはまたちょっと違うかと思うのですけれども、今、議員がおっしゃいましたことについても少し研究をさせていただいて、ぜひやってみたいという学校がもしあれば紹介させていただきたいと思います。

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◯16番 高田 浩議員 あと、コンピュータシステムのことですが、副市長にお尋ねいたしますけれども、いろいろな先進事例があって、例えば山梨県甲府市では外部委託、つまりアウトソーシングをしたのです。いろいろなサーバーを外部委託して、コストを20%下げるという試算結果が出たことに基づいて行ったそうです。いろいろな数字を挙げたいのですけれども、もう時間ですので。新しいIT改革の担当部署ができるということですが、これはほかの部署の仕事に介入することにもなり、全庁的、横断的な仕事になりますので、相当トップのバックアップが必要だと思うのですが……。

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◯石井恒雄議長 まとめてください。

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◯16番 高田 浩議員 副市長のコメントがありましたらよろしくお願いいたします。

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◯宮台 功副市長 IT改革を実施していこうということで、来年度には、そういったリーダーシップがとれるスタッフのもとで、IT改革に取り組んでいきたいと考えています。

動画追加:2009年10月14日
アップロード:2009年5月8日