厚生労働省は9月2日、2007年度の医療費が前年度比3%増の34兆1360億円で、過去最高となったことを発表しました。今後も年1兆円ずつの増加が見込まれています。医療費増加の背景としては、高齢者の増加や医療技術の高度化があります。国政では今後、社会保障制度の無駄な構造を改めることや、増税などが議論されることでしょう。しかし、国の動向を静観するのではなく、自治体ができることを主体的に考えてはいかがでしょうか。
私は今回、検診率を上げること及び保健指導の徹底を議論したいと思っております。つまり医療費分析を実施し、保健指導の徹底を図り、結果として新規介護認定に至らないようにする。これら3つの点を線で結ぶ政策立案を提案いたします。市民がいつまでも健康でいることは、ご本人やご家族にとって大切なことです。また、自治体にとっても、財政負担の視点からも好ましいことであります。
そこで、介護保険の新規認定に至らないようにする地方自治体の取り組みは何かをお尋ねいたします。
また、私は、2年前の2007年9月10日、情報公開を取り上げました。2年たった今、何がどこまで進んだのか、進んでいないのかを確認し、今後の方針をお尋ねいたします。
日本経済新聞は、独自に全国自治体の行政サービスを調査発表しております。その中には自治体の透明度ランキングもあります。つまり情報公開です。次の発表は2010年です。その2010年は、小林市政誕生以降の点数が初めて採点されるわけであります。
ちなみに逗子市は、その自治体透明度ランキングにおいて、1998年に256位、2000年は47位、そして2002年は全国698自治体中1位となりました。順位は市長の姿勢によります。
以上、明快な答弁を期待しております。
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◯石射正英議長 市長。
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◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、財政について、来年度予測について、現時点における認識はとのお尋ねでございますが、歳入面につきましては、昨年9月以降の世界同時不況により企業業績が大幅に落ち込み、個人所得の減少や雇用状況の悪化などを招いており、景気の低迷は長期化するものと予測されます。このため、本市の主要な収入である市税につきましては、大幅な減収になるものと考えております。
また、歳出面につきましては、少子高齢化の進展に伴い、社会保障費などの増加が見込まれます。このようなことから、来年度の財政運営は、今年度にも増して非常に厳しい状況になるものと認識しております。
次に、医療介護について、今後10年の予算展望について、いかにとらえているかとのお尋ねでございますが、高齢社会の進展により高齢者人口の増加が明らかであり、医療介護に係る歳出経費はさらに増大するものと見込まれます。
一方、政策の裏づけとなる歳入は、さきの国政選挙の結果などから、医療、介護保険制度を含めた国庫財源の配分見直しも焦点となるものと予想されますので、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、介護予防について、課題と今後の方針は何かとのお尋ねでございますが、高齢化が急速に進む中、要介護認定者や介護サービスを利用する方は年々増加するものと認識しております。
本市におきましては、高齢者の皆様が要介護、要支援状態になることを予防するため、運動器の機能向上事業や栄養改善事業などの介護予防事業を実施しております。また、健康の維持増進を図るため、地域に出向いて、健康アップ地区運動教室や、出張健康相談事業などを展開しております。
今後におきましても、高齢者が住みなれた地域で安心して元気に暮らせるよう、介護予防事業等に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、情報公開について、ここ2年の進展について、達成したこと及び今後の課題はとのお尋ねでございますが、市長に就任以来、これまで情報公開条例に基づく公開に加え、徹底した情報公開の政策理念のもと、交際費の支出状況、経営会議の結果概要、当初予算の編成過程、要綱等の公開を積極的に実施してまいりました。また、市政情報コーナーを改修し、市民の皆さんが気軽に利用できるよう整備するとともに、行政資料やパンフレット等の充実を図ったところでございます。
今後の課題としましては、市民の皆さんが知りたい情報を常に適切な時期に提供できるよう、その制度の充実を図ることであると考えております。
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◯16番 高田 浩議員 地方公共団体財政健全化法がことし4月に施行されました。これによりまして、地方自治体の会計制度は、ことしの秋以降、連結財務諸表の公開が求められます。これにつきまして、厚木市の進捗状況並びに厚木市民にとって何が変わるのか、この2つをお話しください。
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◯下嶋和美財務部長 財務4表と言われております指標と考えておりますけれども、これにつきましては、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書となってございます。貸借対照表、行政コスト計算書につきましては、現在も普通会計ベースで作成し、公表しておりますけれども、今後におきましては、普通会計ベースを超えて、第三セクター、あるいは土地開発公社、こういったすべての負債等がこの表に含まれることになりますので、そういった面では、市の将来負担、負債等がすべて明らかになると考えております。
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◯16番 高田 浩議員 医療介護について、長期の視点に立った質問をする前に、差し迫った案件についてお尋ねいたします。新型インフルエンザ対策です。来月にもピークを迎えるということが言われていますが、これの予算は今年度中どの程度見積もっているのか、いかがでしょうか。
(太田洋議員復席)
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◯鈴木義信市民健康部長 平成21年度当初予算におきましては、予防事業費、感染症対策事業として、備蓄用タミフル700人分など258万7000円を計上しております。また、急遽、毒性の強いインフルエンザということで、5月に予備費から816万4000円を充用させていただき、マスク6万枚、消毒液500本、発熱外来用エアテントを購入させていただきました。さらに、8月に流用対応として、万が一に備えてのリレンザ200人分、タミフル400人分の購入を執行しているところでありまして、感染症対策事業費としては、現在約1270万円の予算となっております。
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◯16番 高田 浩議員 厚生労働省は、ワクチンの量に一定の限界がある場合には、最低限の接種対象者をリストアップしています。厚木市におけるインフルエンザ予防接種対象者は何人でしょうか。医療従事者と一言で言っても、例えば事務方もいますし、その事務方は対象になるのか否か。また、この接種対象者ですが、地元の厚木医師会と話し合いは済んでいるのか、お話しください。
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◯鈴木義信市民健康部長 厚生労働省において、9月4日にワクチンの優先順位素案が公表されまして、現在意見募集中であり、9月中には方針が決定され、10月末にワクチンの供給がされる予定となっております。したがいまして、具体的な方法が示されていない段階でありまして、市内の対象者数や医療従事者の定義につきましては未定でございます。
なお、国においてワクチン接種の医療機関が決定次第、厚木医師会等と調整を図りながら、速やかな対応に努めてまいります。
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◯16番 高田 浩議員 厚木医師会の中でも、私がお話しした範囲では、心配なさっている方が少なからずおりました。つまり来月にもピークにという話ですが、今のタイミングで、事情があるとしても、厚木市からまだ話し合いがないということで、心配している声がありましたので、そのことはお話ししておきます。
何か課題があった場合、数字の分析やキーワードから対策を練ることができます。私は、議員資料請求によりまして、介護認定に至る主な要因トップ10項目をリストアップしてもらいました。対象は国民健康保険であり、平成20年度の結果であります。
それによりますと、1位は脳血管疾患、2位は高血圧性疾患、3位は認知症等を含む精神及び行動の障害、4位は心疾患、5位は悪性新生物でありました。トップ10のうち、少なくとも1位の脳血管疾患、2位の高血圧性疾患、9位の糖尿病は予防可能であります。脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病をレセプトに基づいて年齢階層別に分類することと、背景にある疾病を抽出することはできるはずですが、いかがでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 議員おっしゃいますように、レセプトに基づきまして年齢階層別に分類することや、背景にある疾病を抽出することは可能であると考えます。
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◯16番 高田 浩議員 厚木市国民健康保険において、費用額と件数を多い順番で議員資料請求により出してもらいました。それによりますと、費用額の多い疾病は、1位は歯肉炎及び歯周疾患、2位は腎不全、3位は高血圧性疾患とあり、6位は糖尿病、18位は脳内出血などとありました。これらをレセプトに基づいて、先ほどと同様に年齢階層別に分類することと、背景にある疾病を抽出することはできるはずですが、いかがでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 これらにつきましても、レセプトによりまして分類や抽出することは可能であると考えております。
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◯16番 高田 浩議員 厚木市は現在どのような形式で保健指導を実施していますでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 平成20年度から特定健康診査という新しい健診制度が始まり、それに基づき該当した方につきましては、特定保健指導という形で行っております。保険者がそれを行うことになっておりまして、ちなみに国民健康保険の場合は、厚木市が保険者でございますので、国保年金課で特定健康診査を行い、引き続き、健康づくり課に保健師がおりますので、特定保健指導につきましては、健康づくり課において行っているということでございます。ただ、そのほかに健康増進法という法律がございまして、それに基づきましても健康づくり課でその事業を実施しているところでございます。
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◯16番 高田 浩議員 私がお聞きしたいのは、保健指導の具体的な方法です。いかがでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 先ほども申しましたけれども、保険者が実施いたしました特定健康診査に基づきまして、糖尿病等の生活習慣病が発見された場合、保健師や管理栄養士による支援が必要ということでございまして、その対象となったレセプトに基づきまして保健指導を実施しているということでございます。
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◯16番 高田 浩議員 保健師や管理栄養士が具体的に何をしているのですか。
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◯鈴木義信市民健康部長 特定保健指導につきましては、栄養指導や保健指導、あるいは運動指導について、専門職がチームを組んで実施しております。積極的支援につきましては、医師の指導のもと、採血を行うことから、訪問による指導は難しいものと考えており、6カ月間にわたり栄養に気をつけたり、運動習慣をつけていただくプログラムの中では、地区で行う運動教室を利用していただくなど、より身近な方法を指導しております。
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◯16番 高田 浩議員 厚木市国民健康保険において、件数が多い順番は、1位が高血圧性疾患、2位は歯肉炎及び歯周疾患、3位は糖尿病です。そして、34位は脳梗塞、46位は腎不全です。厚木市国民健康保険において予防が可能と思われる疾病の費用額と件数を照合して、これを保健指導の徹底に結びつける発想があってもよろしいかと思っております。医療政策課や国保年金課、介護保険課、健康づくり課がお互い持っている情報を照合して持ち合って、保健指導の実施や、新規介護認定の時期をおくらせようといった発想があってもよろしいかと思いますが、いかが思いますでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 厚木市の国民健康保険の疾病分類統計を見ましても、生活習慣病が上位に位置しているように、生活習慣病を発病する方が増加しております。医療費の増加が安定的な医療制度運営における課題となっております。
また、先ほど申しましたけれども、平成20年度から、高齢者の医療費の確保に関する法律により、各医療保険者に、糖尿病等の生活習慣病に主眼を置いた特定健康診査の実施と、特定健康診査の結果から保健師や管理栄養士等による支援が必要である方に対しまして、特定保健指導を実施することが義務づけられております。
これを受けまして、厚木市国民健康保険では、厚木市特定健康診査等実施計画を策定し、生活習慣病に着目した特定健康診査、特定保健指導を対象となる方のレセプトを確認しながら実施しております。
また、関係課の情報の共有による取り組みにつきましては、子供から高齢者まで、それぞれのライフステージにおける健康意識の向上と、生活習慣病の予防を目指す健康あつぎ21の事業展開におきまして反映をいたしているところでございます。
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◯16番 高田 浩議員 保健指導を目的に各課が情報を持ち合う会議の頻度ですが、何日に1度、あるいは何カ月に1度行っていますでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 現在のところは、保険者であります国民健康保険の国保年金課と、保健指導を行っています健康づくり課においてだけの意見交換、話し合いでございまして、その頻度につきましては、確かな数字を持っておりません。申しわけありません。ご理解ください。
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◯16番 高田 浩議員 ご自分の部の課のことですので、後で確認しておいてください。
保健指導を目的に訪問活動を積極的に実施している自治体もあります。厚木市役所の保健師の数、そして対象となる市民の数から、訪問の計画、立案をすることができます。訪問実施に当たって課題は何だと部長はお考えでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 厚木市には24人の保健師が在職してございます。健康づくり課が一番多く、17人在籍してございます。しかしながら、従前の健康診査、予防接種、あるいは食育関係等で、外に出向けない状況にあるという部分もございます。出向くところもあるのですが、特定保健指導にかかりきりになるという部分では、なかなか難しいのではないかと判断してございます。
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◯16番 高田 浩議員 手広くすると難しくなるのですけれども、焦点を絞ってすれば難しくないかもしれないですよね。ですから、私は、保健師の数と対象となる市民をリストアップして、検討したらどうですかと申し上げているのですが、いかがですか。
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◯鈴木義信市民健康部長 今後、保健師による訪問指導につきましては、絞り込むというか、より効果的な実施方法等を研究してまいりたいと考えております。
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◯16番 高田 浩議員 議員資料請求により出してもらった厚木市国民健康保険年齢及び性別上位疾病分類状況を何人かの医師や保健師に見ていただきました。その分類状況を他市や、あるいは他県と比較してみると、厚木市の状況が見えてくると思いますので、皆さんの仕事のお役に立つのではないかと思っております。
幾つか目についた点を挙げますが、35歳から39歳の男性で、3位に腎不全が費用別分類表に出てきます。そして、年齢が上がるに伴って腎不全が厚木市国民健康保険の費用額1位を占めるようになります。レセプトに基づいて背景にある疾病を抽出した後、腎不全なら腎不全に焦点を絞って、その前段階である糖尿病予備軍の市民に、厚木市の保健師が保健指導を目的とした訪問活動を実施してはいかがでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 神奈川県国民健康保険団体連合会作成の、平成20年5月診療分の神奈川県内における国民健康保険の年齢別疾病分類別統計の費用別統計表によりますと、厚木市と同じく35歳から39歳男性で3位に腎不全が位置しており、年齢が上がるに従って腎不全が費用額の上位を占めております。厚木市国民健康保険では、統計で上位に位置する生活習慣病につきましては、その予防のため、特定健康診査受診者でリスクのある方に対しまして保健指導を実施しているところでございますが、先ほども申しましたけれども、今後保健師による訪問指導につきまして、効果的な実施方法を研究してまいりたいと思っております。
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◯16番 高田 浩議員 厚木市は、要介護または要支援の認定を受けていない市民を対象に、元気いきいき介護予防教室を実施しています。これは今のところ65歳以上が対象ですが、年齢制限を見直すお考えはありますでしょうか。介護保険第2号被保険者の対象は40歳からであります。元気いきいき介護予防教室をもとにするか、あるいは新たに教室をつくるのか、その方法は任せますが、レセプトに基づいて、高血圧や高脂血症、糖尿病の数値が高い市民、あるいはその予備軍の市民に来てもらうよう誘導してはいかがでしょうか。
長野県箕輪町は、みのわ健康アカデミーという取り組みを実施しています。レセプトから対象町民を抽出して、町役場が特定個人に推薦状を送って、みのわ健康アカデミーに来てもらうようにしております。その事例を参考にできると思いますが、いかがでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 介護予防事業といたしましては、介護保険法上、第1号被保険者の65歳以上が対象となっておりますので、年齢制限の見直しにつきましては、大変難しいものと考えております。
65歳以前の方につきましては、先ほども申しましたが、健康増進法に基づいた健康の維持増進を図る事業を展開しております。市といたしましても、高齢者がいつまでも元気で暮らしていただくためには、65歳以前からの取り組みが重要であると認識しておりますので、今後におきましても、関係課の連携を密にし、介護予防事業等の充実に努めてまいりたいと考えております。レセプトにつきましては、個人情報の関係から、個人を特定し事業に誘導することはできませんけれども、データの活用等で事業展開できればと考えております。
最後に、箕輪町の事例につきましては、先日議員からもお話をいただきました。既に箕輪町から保健師が資料を入手しておりますので、今後その資料に基づきまして研究させていただきたいと考えております。
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◯16番 高田 浩議員 今、部長がおっしゃった、レセプトをもとにして個人を特定することはできないということがもしそのとおりだとすると、長野県箕輪町は法を逸脱している行為を行っていることになります。個人情報保護法に対して過剰に反応する必要はありませんので、その点はお考え直しください。
また、介護保険の第2号被保険者は40歳からが対象ですので、65歳にこだわる必要は特にないと思います。
平成15年秋より国のモデル事業として、厚木愛甲地区専門校医事業が行われました。小・中学校において、産婦人科、精神科、整形外科、皮膚科のドクターが相談に乗ってくれる取り組みであります。県内唯一の事例であり、厚木市教育委員会はすばらしい事業を実施していると思います。保護者や教員、養護教諭から直接医療についての疑問を専門医に聞けるとは、当事者にとっては何とも心強いことだと思います。
実際に担当した医師からさまざまな感想が述べられています。その中で、学校の先生と問題点を共有していくことは非常に有意義、しかし、学校と医療の現場だけで問題解決を行うことは不十分、青少年教育相談センターや社会福祉事業、児童相談所などの参加も必要と痛感したとのコメントを見受けました。これについては、協議の場設定を模索することは可能だと思いますが、いかがでしょうか。
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◯平井 広教育長 子供を中心にしたときに、学校の先生、お医者様のみならず、今おっしゃったように、青少年教育相談センター、あるいは児童相談所と、子供を取り巻く周辺の大人が、どの機関であろうと、お互いにその子供のためにどういった情報が必要かとか、協議するのは非常に大事なことだと思います。
ちなみに、厚木市では、厚木児童思春期精神保健ネットワークを推進しております。これは多分全国的にも非常に珍しいし、こうした中で、精神科のお医者様であるとか、内科、眼科のお医者さんもいらっしゃいますし、養護教諭等と非常によく連携している例があるかと思います。そういった趣旨では、今後とも教育委員会はそういうことを大事にしていきたいと思っております。
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◯16番 高田 浩議員 今の件については、教育長がおっしゃるとおり大事にしていただいて、厚木医師会とも十分話し合っていただければと思っております。
続いて、もう1つ教育長にお尋ねいたしますが、今の厚木愛甲地区専門校医事業ですけれども、これは国のモデル事業が終わった現在も事業は継続中で、厚木医師会の自主財源で賄われていると聞いております。年間およそ200万円以上かかるそうなのですが、こういった事業こそ厚木市SEL教育基金の対象とするのがふさわしいのではないかと思います。財源や金額はともかくとして、気持ちの問題です。こういった医療の意識づけとか、特定の科に行きやすいとか、そういった意識から将来の厚木市における医療や保健、介護の負担も軽減されるものと思いますが、いかがでしょうか。
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◯平井 広教育長 今の厚木愛甲地区専門校医事業との関係で、私の経験でも、平成15年度にお医者様に来ていただいて、生徒、保護者等にレクチャーしていただいた後、保護者や子供が自分の体で気になるときには、ファクスで直接相談しながら回答していただけるようなシステムをつくっております。今、その辺は厚木医師会の努力によって行っていただいていることは承知しております。それに並行しながら、先ほどお話しした児童思春期精神保健ネットワークをより強固にしていきたいという気持ちもございます。いろいろな課題があろうかと思いますので、その辺を十分に踏まえながら、子供のためになる施策を考えていきたいと思っております。
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◯16番 高田 浩議員 それについても、一方的に相手の好意に甘えると言っては言い過ぎかもしれませんけれども、少なくとも厚木市は、今財政支出はしていないと聞いていますが、その辺は少し考えてみてはいかがかと思います。
今の厚木愛甲地区専門校医事業をもっと知ってもらえばとも思うのですが、小・中学生とか保護者、あるいは先生方にも大変ありがたい事業だと思うのです。広報だとか、あるいは駅前の大型ビジョンなどを通じて継続的にPRしてはいかがでしょうか。
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◯柳川誠司教育総務部長 学校の校医につきましては、それぞれ内科ですとか厚木医師会ですとか、いろいろございます。厚木医師会の方々とお話し合いをする会も年に1回以上は持っておりますので、そういった中で、今ご提案のようなお話ができればさせていただいて、今後どういう形の展開ができるのか検討させていただければと思います。
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◯16番 高田 浩議員 がん検診の受診率アップに担当課も努力なさっていると思いますが、どのような取り組みをしているか、お話しください。
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◯鈴木義信市民健康部長 がん検診の中でも特に子宮がん、乳がん検診でございますけれども、以前は集団検診、または医療機関で受診する施設検診のいずれかを選択していただく申し込み制でございましたが、平成19年度からは、子宮がん検診については、集団検診を申し込みしていないすべての方に、施設検診が受けられるように受診券をお送りするようにしております。今年度から乳がん検診につきましても同様の取り扱いをしているところでございます。
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◯16番 高田 浩議員 先ほどから私は保健師による訪問だとか、あるいは厚木愛甲地区専門校医事業だとか、そういったことを取り上げていますが、もし病気があった場合に、早くそれに気がつくということが大変大事だと思っております。それは言うまでもないことだと思いますけれども。
それと、厚木市は人口比で産婦人科医が少ないことから、厚木市の活力といった視点からも、子宮がん検診や、あるいは乳がん検診の受診率向上へ誘導することが大切だと思います。
また、若年層にとっては、産婦人科で聞きたいことは山ほどあるはずです。これについては、さきの厚木愛甲地区専門校医事業において、電話相談や個人面談を利用しやすいようにPRすることや、カラオケ店やゲームセンター、あるいは場合によっては居酒屋とか美容院その他にもポスターやチラシの配布をお願いすることも可能かと思います。行政がなかなか考えつかない方法でPRする創意工夫があってもよろしいのではないかと思いますが、こういった点についても厚木医師会と相談してみてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
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◯鈴木義信市民健康部長 若年層に対する啓発が大事というお話でございますけれども、市で行っております子宮がん検診の対象年齢は20歳以上の方となっており、毎年対象となる個人に対してご案内をしているところでございますが、従来からの広報あつぎやホームページによる啓発のほか、議員からご提案がございましたポスター、チラシによる啓発を含めまして、厚木医師会とがん検診全般について協議をする場がございますので、その場で議題としていきたいと思っております。
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◯16番 高田 浩議員 次に、情報公開についてに移ります。
情報公開制度の根幹をなす行政文書目録整備についてお尋ねします。
私は、2007年9月10日に、市政情報コーナーに行政文書の目録を整備、常設することを提案いたしました。行政文書目録作成は現在何項目進んでいますでしょうか。
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◯志村利夫総務部長 お話のとおり、平成19年に高田議員からご提案をいただきました。その後、内部で目録作成につきましての課題等について検討してきたところでございます。
そういう中で、まず簿冊情報とか文書目録に個人名が含まれていないかどうかの確認が必要であるということと、毎月3万件に及ぶ行政文書が作成されているという現状、さらには市民の方が目録から要求される文書名を特定することができるかということについて考えてみますと、困難な状況にあるということが浮上してまいりました。
さらに、これを実施している自治体は県内で3市ございました。3市からいろいろと事情をお聞きしました中では、文書目録によって情報公開するという方が非常に少ないという状況もわかってきました。これはどこに問題があるかということについて、既に3市がこの目録を作成しておりますけれども、同じようなシステムを整備したのでは、また利用者が少ないということも考えられますので、どのような目録を作成したらいいのかという形で、目録を作成することを前提に、現在検討を進めているところでございます。
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◯16番 高田 浩議員 目録がないと職員の記憶に頼ることになるということは、私はここで何回も言っています。情報公開は地方自治体が先行して、国が後を追って法律を整備したという経緯があります。ですから、その自治体の首長の姿勢によっては、情報公開の制度設計は進みます。政策につきましては、市長が方向性を示さない限り、組織は動きません。
ただ、今目録をつくることを前提にとおっしゃったので、大変心強く思いますが、小林市長にとっても政策の優先順位がおありでしょう。ご自分が思っていても手がつけられない事柄がおありだとは理解します。小林市長が厚木市政を12年間担うとして、その中で文書目録の整備について、いつごろ着手するお考えか、お話しください。
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◯小林常良市長 1年前にもご提案をいただいたという目録の件でありますけれども、情報公開は徹底的にやっていこうという姿勢です。また、それについてもご協力をいただいているということで、感謝申し上げたいと思います。
事務の量的には非常に数があるということです。それをどうやって整理していったらいいのかということ、それから今、総務部長が言いましたように、これを実施段階にするまでには幾つかの課題を解決していかなくてはいけない。それと、一番大切なことは、市民の皆様が見たいものがそこに存在しなくてはいけないということが一番のポイントでしょうから、そういうことを中心に考えていくべきだと思いますし、開示を求める方と私どもの行政文書が、その目的が達成されなくては意味がないということだと思いますので、年度は別にしても、どういうふうにやることが一番近道で、実効性があるのかということを今進めているということで、ご理解をいただきたいと思います。
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◯16番 高田 浩議員 さきに登壇で述べましたとおり、2010年発表の日本経済新聞による自治体透明度ランキングにおいて、厚木市が順位を上げて、結果として厚木市民にとってわかりやすい市政運営となることを期待しております。
最後の質問ですが、情報公開制度の整備について、今後2年なり、あるいは5年なりの行動計画を策定して、それを市民に公表してはいかがでしょうか。
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◯志村利夫総務部長 先ほど市長からも答弁させていただきましたとおり、現在どういうことが好ましいのかという形で考えてございますので、現段階でその策定とか市民への公表について、具体的なことを申し上げるのは非常に難しい状況でございます。ぜひご理解をいただければと考えております。 |