オーストラリア大使館員、森の里中学校で特別授業
私の提案&仲介
厚木市立森の里中学校(北川栄子校長)で2010年2月16日、駐日オーストラリア大使館ジョージ・マネタキスさん(33)による全校生徒対象(約246名)の国際理解教室が実施されました。この授業の主催は同校PTA共育活動委員会(帆足真弓委員長)。私は約1年ほど前、森の里中学校を訪問、いづれかの大使館による授業を提案しました。2009年11月、「オーストラリア大使館」との希望を受け、実現に至りました。つまり、PTA活動に私の提案が合致した結果です。
ジョージさんが自己紹介を英語で行う傍ら、ALT(英語補助教員)のティモシー・ブランディさん(オーストラリア人)が日本語に通訳。ティモシーさんのコミカルな通訳によりリラックスした雰囲気でアイスブレイク。その後は、ジョージさんの堪能な日本語により授業は進められました。主な内容は次の通りです。
約6万年間、アボリジニがオーストラリアに上陸。アボリジニは様々な部族がおり、言葉や文化もそれぞれであった。1770年、英国人ジェームス・クックがオーストラリアに上陸、領有を宣言。入植が始まり、アボリジニからオーストラリアを奪った。イギリスは当時、オーストラリアをアメリカに代わる流刑地にした。
国旗は、イギリスの国旗と南十字星でデザインされている。国章は、エミューとカンガルーが描かれている。それらは共に「前にしか進めない動物」であり、国が前進することを意味する。食文化は多様であり、様々な国籍の人々がいるために世界中の食べ物を食べることができる。1976年に締結された日豪友好協力基本条約は、日豪関係の発展に大きな影響を与えた。
オーストラリアの中学校では、給食はない。半分以上の科目を選択する。中学校3年生若しくは高校1年生で、仕事をインターンとして体験する。働く場所は、自分で考えて探し、交渉して決める。また、アルバイトをする中学生も多く、法的には14歳から可能。
批判的思考法により、正しい答えを探すのではなく、自分で考えることを身につける。夏休みは自由。宿題は一切ない。16歳で進路を決める。
以下は、質疑の事例。
質問:オーストラリア人は日本人にどのような印象を持っているか?
答え:オーストラリア人は日本人が好き。礼儀正しい。
質問:日本人もオーストラリア大使館に就職できるか?
答え:できる。70%は日本人。必要な資格はない。日本人にしかできない仕事もある。
最後は、ジョージさんに花束が贈呈され終了となりました。北川校長も帆足委員長、そしてジョージさんも異口同音に「質問が多かった」との感想を嬉しそうに述べていました。
なお、この授業は地域住民にも門戸が開かれた公開授業であり、地域の方々の姿も見られました。私としては、参加した生徒にとって何らかの志を持つ刺激となれば幸いです。