◯高田 浩議員 (登壇)皆さん、おはようございます。
厚木市は2009年4月、IT改革担当を新設し、現在に至っております。これまでは、数あるコンピュータシステムの状況掌握並びに計画立案、そして来年度以降はいよいよ計画実行の領域に入るものと思われます。その成果と課題についてお尋ねいたします。
次に、生活保護受給者における在日外国人の割合増加についてお尋ねいたします。
平成17年において、厚木市在住の外国人で生活保護受給者の割合は5.4%でした。平成22年は3ポイント増の8.4%です。厚木市の生活保護受給者の10%が外国人となる日が来るかもしれません。この8.4%という数字を神奈川県内19市で比較した場合、厚木市は第2位です。参考までに、人口規模が同等の大和市は5.7%で4位です。ちなみに、国、神奈川県の負担を除く厚木市による生活保護費負担金は、平成22年度予算は7億7420万円、今回の12月補正予算では1億6000万円の追加です。合計9億3420万円となります。私の論点は、さまざまなチェックが現場でどれだけ実行されているかであります。その論点をもとにお尋ねいたします。
次に、9月議会に続いて、厚木市の取り組みの成果についてお尋ねいたします。
縦割り行政という言葉があります。市役所は水平型組織ではなく縦型組織です。その縦型組織で権力志向の人がトップになったらどうなるでしょうか。働いている人たちの仕事へのモチベーションが下がり、組織には次第にストレスが浸透し疲弊していくと思います。私は、かねがね小林市長は権力を振るいたいタイプではないと感じております。それは縦型組織には好ましい基本的な姿勢だと思います。支配したいタイプではないリーダーは、組織、個々人の力を引き上げる環境整備ができるタイプだとも思います。
そこで、市長就任以来の取り組みとして、企業誘致についてお尋ねいたします。
職員数の削減についてもお聞きいたします。
また、2009年12月議会の一般質問において、私は本庁窓口業務のワンストップサービスについて触れました。私は、厚木市役所1階と2階にワンストップサービス導入の目的として、市民サービスの向上にとどめるだけでなく、厚木市役所本庁舎1階が混雑している状況を考え、その窓口業務の効率化を図ること、そして職員の満足度向上やモチベーションの向上、さらには若手職員の成功体験の機会となることも期待していると述べました。
ワンストップサービスは、経営学の手法であるサービス・プロフィット・チェーンに基づくことが好ましいことであります。それは、ハーバード・ビジネス・スクールのヘスケットらによって示されたモデルです。すなわち顧客、従業員、サービス商品がどのような関係を構築すれば企業あるいは組織の利益、成長につながるかを示したモデルであることは、以前の議会で触れたとおりであります。ワンストップサービスが導入された今、成果と課題についてお尋ねいたします。
文化芸術振興プランに基づく施策についてもお尋ねいたします。
以上、明快な答弁を期待しております。よろしくお願いいたします。
◯田上祥子議長 市長。
◯小林常良市長 (登壇)おはようございます。ただいま高田浩議員から、コンピュータシステム改革について、成果と課題について、具体的にどうかとのお尋ねでございますが、情報システムの最適化につきまして昨年度から取り組んでいるところであり、成果といたしましては、昨年度策定した最適化計画をもとに、コスト削減に向けてサーバーの統合などに着手したところでございます。課題といたしましては、情報システムの最適化を効果的に推進するため、全庁的な取り組みとして、業務の見直しや職員の意識改革が必要であると認識をしております。
次に、生活保護について、在日外国人の割合増加について、課題と今後の取り組みはとのお尋ねでございますが、在日外国人の受給者数につきましては、昨今の厳しい社会経済状況等もあり、本年10月1日現在、220人で、全体の8.4%を占めており、昨年同月と比較して53人増加しております。課題といたしましては、生活保護費の増加に伴い財源を確保することが重要であると考えております。今後の取り組みといたしましては、引き続き日常のケースワーク業務の充実を図り、自立の助長につながるよう努めてまいります。
次に、市長就任以来の取り組みについて、企業誘致について、市の取り組みはどうかとのお尋ねでございますが、本市の企業誘致施策につきましては、雇用拡大や地域経済の活性化に重要な役割を果たすことはもとより、財政基盤の強化に大きく寄与するものと認識しております。また、さらなる持続的な発展を遂げるためには、企業の誘致を進めることが最も重要な施策の1つであると考えております。
こうしたことから、平成21年4月に厚木市企業等の立地促進等に関する条例を新たに制定し、充実した支援内容とするとともに、立地相談に関する窓口を一元化するなど、積極的な企業誘致に取り組んでいるところであります。
次に、職員数の削減について、実施状況はどうかとのお尋ねでございますが、私は就任以来、行政改革を積極的に推進しており、職員数の削減につきましては、平成19年度から平成21年度末までで、事務事業の見直しや業務の委託化などの取り組みにより95人を削減いたしました。その人件費削減額につきましては、福祉施策の充実や緊急性の高い経済対策など、市民福祉向上のための施策に充当いたしました。今後におきましても、効率的な市役所を目指し、引き続き行政改革を推進し、職員数の削減に努めてまいります。
次に、ワンストップサービスについて、成果と課題は何かとのお尋ねでございますが、成果につきましては、来庁者アンケートの結果を見ますと、9割を超える方が満足していると感じており、その成果は上がったものと評価しております。今後も、市民ニーズの的確な把握に努め、おもてなしの心でさらなる窓口サービスの充実を図っていくことが重要であると考えております。
次に、文化芸術振興プランに基づく施策について、市の取り組みはどうかとのお尋ねでございますが、文化芸術振興プランは「人・まち・自然が響き合うあつぎ文化を創造する」を基本理念として、平成21年3月に策定し、市民との協働をもとに文化芸術を意識したまちづくりや文化芸術のイベント開催等を行っているところでございます。特に市民ミュージカルに郷土芸能を取り入れたオリジナルミュージカルの開催、ぼうさいの丘公園の自然を生かした野外彫刻造形展、子供たちの創造性を高めるための小学校等での演劇やダンスワークショップの支援など、厚木市独自の事業を推進し、市民一人一人が身近に文化芸術に触れられる事業を展開しております。
また、文化芸術振興プランの策定と同時に有識者等による推進会議を設置し、このたび2カ年にわたる検討結果として、文化芸術振興プランの進捗は、おおむね着実に推進されているとの評価をいただきました。さらに、本市の文化芸術振興を図るために、人材育成、情報発信を充実させる等の提言も報告書として提出していただいておりますので、これらを踏まえまして文化芸術振興プランのより一層着実な推進に取り組んでまいります。
◯16番 高田 浩議員 答弁ありがとうございます。
それでは、コンピュータシステム改革の成果と課題につきまして、具体的にお尋ねいたします。
昨年度からIT改革担当が新設され、情報システムの最適化に向けたスタートが切られました。そもそも情報システムの最適化で目指すものは何か、市民の人にもわかりやすくお話しください。
◯森住勝男政策部長 情報システムの最適化につきましては、庁内で稼働している情報システムの現状を詳細に調査し検証した上で、昨年10月に情報システム最適化基本方針をまとめました。その中で、3つの目指すべき目標を明確にし、取り組みを進めることといたしました。1つ目は情報システムに係る経費の削減、2つ目は情報資源の効率的な活用、そして3つ目はさらなる市民サービスの向上でございます。この3つの目標の達成に向けて情報システムの最適化を推進することとしております。
◯16番 高田 浩議員 それでは、目標達成に向けて、具体的にどのように最適化を進めていくか、お話しください。
◯森住勝男政策部長 最適化の具体的な取り組みでございます。これは3つの柱を立てましてそれぞれについて推進していくこととしてございます。
1つ目は、住民記録、税、国民健康保険、介護保険等のオンラインシステムが稼働している基幹系情報システム、これはホストコンピュータ利用ですけれども、この最適化の計画の策定。2つ目は、ホストコンピュータで稼働しているシステム以外のウィンドウズ等で稼働している、いわゆるサーバー系情報システムに係る最適化計画の策定。そして3つ目は、ITガバナンスの推進。これについては厚木市全体の情報システムを一元的に把握するための情報資産台帳の整備から始まり、システムの企画、調達、開発、運用という一連のサイクルごとにPDCAの考えを取り入れまして、庁内全体でシステムの無駄を省き、適正な契約や効率的な運用ができるよう、情報政策部門が組織的に統制し推進していく体制、ルールを定めていくことでございます。この3つの柱につきまして、今後取り組みを進めていくものでございます。
◯16番 高田 浩議員 スリム化を進めているようですが、現在までの取り組みの状況についてお話しください。
◯森住勝男政策部長 これまでの取り組み状況でございます。昨年度は最適化方針を定めたのとあわせまして、情報システムの現状を把握するための情報資産台帳の整備、さらには予算編成時の情報システムに係る開発、改修等の事業についてのヒアリングなど、ITガバナンスの推進のための取り組みをスタートさせました。また、ホストコンピュータ以外のサーバー系情報システムの最適化計画を策定しております。
本年度におきましては、サーバー系情報システム最適化計画に沿ったシステムの公開を実施するとともに、さらなるITガバナンスの推進のため、情報システムの予算執行時の担当課と情報政策部門との協議を行い、予算の削減や効率的なシステムの発注に努めております。さらには、現在、ホストコンピュータの将来を見据えた基幹系情報システムの最適化計画について策定を進めているところでございます。
◯16番 高田 浩議員 情報資産台帳というのは、つまりどのようなコンピュータがあるか、あるいはサーバーがあるか、ホストコンピュータがあるかということを調べた台帳をつくっているということだと思います。その台帳を整備しているということですけれども、厚木市の情報システムの状況は、今どのようになっていますか。
◯森住勝男政策部長 平成21年度の調査におきましては、庁内で124ほどの大小さまざまな情報システムが稼働しております。そのうち、ホストコンピュータで稼働しているシステムは35、ウィンドウズ等のサーバーによるシステムは68、そのほか民間が運営しているシステムをインターネット等によりサービスの提供を受けているシステムが21ございます。また、システムを運用していくのに必要な経費として、システム構築費、施設・機器の賃借料、運用保守費用など、すべて合わせまして年間約18億8000万円ほどの経費がかかっている状況でございます。
◯16番 高田 浩議員 経費が年間約18億8000万円かかっているということですけれども、今までは例えば生活保護のためだけのサーバーがあって、容量に対してそんなに使っていない。もし100だとしたらもう5とか3とか、正確な数字ではないですが、そういうものを統合できないかというのがそもそもの発想です。それを今進めていただいているということですけれども、情報システムを最適化するための具体的な手法ですが、どのように進めていきますか。
◯森住勝男政策部長 具体的な手法ということでございますけれども、まず、システムのサーバー機器、これは現状として各システムごとに分散設置されております。また、それぞれのサーバーは技術の進歩に伴いまして性能も向上し、ハードウエア資源の余剰が発生しているということも考えられます。このため、各システムのサーバーをブレードサーバーという機器への集約、これは小型で能力を持っているサーバーのことを言いますけれども、そういった集約と、仮想化という最新技術の利用によるハードウエア資源の効率的な活用によりまして、サーバー機器を減らして一元的に運用する手法で進めてまいりたいと考えてございます。
また、長年利用しているホストコンピュータにつきましては、安定稼働という大きなメリットがございますけれども、多額の経費がかかっておりますことから、オープン化というウィンドウズ等によるシステムに基幹系システムを変更していくことも視野に入れながら、現在検討を進めているところでございます。
◯16番 高田 浩議員 今、かかっている年間の経費が約18億8000万円ということですけれども、相当の金額がかかっているわけです。今後、サーバーの統合以外にも、今おっしゃったホストコンピュータのオープン化とか難しい課題もありますけれども、最適化によってどのような効果を期待していますか。
◯森住勝男政策部長 最適化を実施するための最大の目標は経費の削減でございます。現在、コストシミュレーションの中では、ホストコンピュータの見直しを含めまして、将来的には年間3億円程度の運用経費の削減効果を期待しております。金額であらわすことが難しいITガバナンスの推進における効果も含めますと、さらに予算額の削減効果があるものと見込んでございます。
◯16番 高田 浩議員 私が期待したとおり、今後、年間3億円の削減効果が出るようでしたら、大変うれしい話であります。
相当の効果が期待できる情報システムの最適化ですが、今後はどのように進めていきますか。
◯森住勝男政策部長 今後につきましては、最適化計画に沿ったサーバーの集約、またITガバナンスの推進につきましては、一部本年度から実施しているところでございます。そして、既に効果が上がり始めておりますが、本格的には来年度から進めることになってまいります。
さらには、基幹系情報システムの最適化の方向によりましては、将来、ホストコンピュータシステムの大幅な入れかえ等を実施していくという動きも視野に入れて進めてまいりたいと考えてございます。
◯16番 高田 浩議員 来年度以降、最適化計画を実施するに当たって、課題が何かお聞きしたいと思います。私が思うには、1つはやはりガバナンス、実際どのように計画立案したものを継続的に実行していくかが一番大きなポイントの1つだと思いますが、最適化計画の実行に当たって、課題は何かお尋ねいたします。
◯森住勝男政策部長 課題でございますけれども、情報システムの最適化、この取り組みは情報政策部門が取り組むだけでは一定の成果しか望めないと考えてございます。大切なのは全庁的な取り組み。全職員がコスト意識、業務の効率性などについてより一層認識を深めまして取り組むことにより、最大の成果が上がるものと考えてございます。
また、ITの技術も急速に変化しており、事業者が外部で運営するシステムを活用してネットワーク経由でサービスの提供を受けるクラウドという新たな手法。これは自前のコンピュータシステムを持たなくてもよいことから、経費の縮減が期待されるものでございますけれども、このような手法も出てきておりますので、そういう動向もいち早くキャッチしながら柔軟に対応していくことが必要であろうと考えてございます。
◯16番 高田 浩議員 今、政策部長からクラウドという言葉が出ましたけれども、最近よく新聞とかでも出ますが、そもそも厚木市の人口規模でクラウドが合うのかどうか、基本的な考え方をお聞かせください。
◯森住勝男政策部長 自治体におけるクラウドにつきましては、総務省が提唱する自治体クラウドなどに代表されるとおり、自治体の情報システムへの適用も始まっているところでございます。しかし、現段階では総務省の開発実証事業においても、今、高田議員がご指摘のとおり、人口3万人以下の市町村を中心に検討がされており、本市のような人口20万人を超える自治体への適用はすぐには期待できないと考えております。
今後とも、国の動向等についての情報収集を行い、クラウド導入についても検討を進めてまいりたいと考えてございます。国も来年早々には法整備も進めるようでございますので、そういう動向を見ながら、これからは自治体にかなり普及していく可能性があるのではないかと受けとめてございます。
◯16番 高田 浩議員 厚木市のコンピュータシステム改革は、2008年9月議会における私の提案によるものであります。全国的にも先進的な事例となりますこの改革によって、もし年間3億円の効果が期待できるのでしたら、大変うれしい限りです。浮いた経費を福祉とか教育などに効果的に使っていただきたいと思います。
次に、生活保護について質問を移ります。
厚生労働省は、平成20年4月1日、生活保護受給者が海外に渡航した場合の取り扱いについての文書を出しております。厚木市は神奈川県を通じてこの文書を受け取っているはずです。この中で、渡航期間中の基準生活費及び加算に相当する額を超えて渡航費用の全額を収入認定した事例については、事後に報告をしてくださいとあります。渡航費用のための金銭は収入認定の対象となるという内容の記述もあります。平成20年4月1日以降、この対象となり得るか、内部で検討した実績はありますか。
◯柿島憲一福祉部長 今お尋ねの外国籍の方の渡航でございますけれども、文書につきましては受け取ってございます。この取り扱いにつきましては、県央地区の生活保護の担当者で事務連絡協議会をつくっておりまして、取り扱いについて検討した経過はございますが、具体の個々の生活保護者について本市の中で検討したケースはございません。
◯16番 高田 浩議員 生活保護受給者にパスポートの確認などによる渡航歴のチェックはしていますか。
◯柿島憲一福祉部長 外国籍の方につきましては、生活保護の受給時にまずパスポートの確認はさせていただいておりますし、その後におきましてもパスポートのチェックにつきましてはさせていただいております。
◯16番 高田 浩議員 そのパスポートのチェックが実際どの程度現実的にされているのかを聞きたいのですけれども、厚木市における生活保護の受給者は、ことし10月で2628人、このうち220人が外国人であることは、さきの登壇における答弁のとおりです。その2628人、もしくは220人にどの程度の頻度で面接を行っていますか。
◯柿島憲一福祉部長 給付日に現金給付される方につきましては、月に1度来られるときに面接をさせていただいている例がございます。それと、家庭訪問になりますと、必要度といいますか、その生活保護受給者の方の状況に応じまして、おおむね一、二カ月に1回から4カ月に1回程度までの形の中で進めておりまして、外国籍の方につきましては、おおむね2カ月に1回程度の家庭訪問をさせていただいております。
◯16番 高田 浩議員 ちょっとこれは厳しい質問かもしれません。訪問しても実際会えているかどうかは別ですし、現場の職員の数にも限りがありますので、一番大変な部署であることは間違いありませんので、頑張っていただきたいと思います。
日本円の貨幣価値は国によって大きく違うことがあります。外国人の生活保護受給者による本国への送金などの金銭の授受については確認していますか。
◯柿島憲一福祉部長 高田議員がおっしゃるとおり、貨幣価値が相当違う国の方もいらっしゃいます。生活保護につきましては、最低限度の文化的生活の維持、あるいは自立の促進のためということで給付を行っているものでございます。そういう意味からしますと、本国へ送るということにつきましては、生活保護の本旨にもとる事案でございますので、そういうことにつきましては、家庭訪問の際に十分指導をしてございます。
また、家庭訪問につきましても、確かに職員は、新たな申請等を受けて大変忙しい中でございますけれども、できる限り時間をつくって訪問に努めてまいりたいと考えております。
◯16番 高田 浩議員 厚木市における生活保護受給者で外国人の占める割合がふえている。平成17年では5.4%だったものが、ことし平成22年は8.4%で、上昇しているということをまず意識して仕事を進めていただきたいと思っております。
それと、市長就任以来の取り組みについて質問をいたします。
現在までの企業立地の実績と、そこに至るまでの取り組みと今後の誘致活動の展開についてお尋ねいたします。
◯鈴木 勲産業振興部長 平成19年度から平成21年度までの3年間で20社25件の企業立地案件に対しまして、条例の奨励措置を適用し、合計で646億2400万円の投資と4425人の新たな市内への従業者の増加が見られております。適用企業の希望別内訳といたしましては、大企業が9件、小規模企業者を含めた中小企業は16件と、大企業に限らず中小企業の方にも幅広く適用がされておりまして、地域経済の活性化につながっているものでございます。
また、企業の立地に至るまでには、それぞれ行政と企業との相互の信頼関係を築くことが大変重要であります。また、きめ細かな、かつ迅速な対応を基本姿勢として今まで取り組んでまいりました。こうしたことも1つの成果につながっている要因ではないかと考えてございます。
続きまして、今後の誘致活動の取り組みの方策としましては、多くの企業が現在の経済状況の中で大型投資を控える中にあって、将来成長が見込まれる企業を本市へ誘致することは、大規模な産業用地の創出を当然のごとく進めなければならないということとあわせまして、今まで取り組んでまいりました企業誘致の実績等を内外にPRいたしまして、新規立地が見込まれる企業に対して積極的な誘致活動を進めていきたいと考えております。
◯16番 高田 浩議員 厚木市というと、B−1グランプリが目立ちますけれども、企業誘致でも随分実績が上がっていることが今の答弁でわかりました。つまりそれは、今おっしゃったとおり、企業との信頼関係をつくっていくとか、そういうことの結果であって、一言で言うと現場の職員の皆さんが頑張ったと思うのですけれども、それについて産業振興部長はいかが思いますか。
◯鈴木 勲産業振興部長 今、職員の努力というお言葉をいただきましたけれども、これにつきましては、私も現場に立ち会う場合もございますし、あるいは職員みずからがスキルを高めるという形で、いろいろな情報の収集あるいは企業誘致に対する人脈の構成等につきまして、幅広い活動を日々とり行っているということだと考えております。
今後もこうした姿勢は、たゆまぬ努力とあわせまして継続していくように督励してまいりたいと考えております。
◯16番 高田 浩議員 私は、何回か申し上げていますけれども、社会人の経験としては元商社の営業マンですので、今、産業振興部長の答弁なさった実績の背景には、現場の職員が頑張ったということがひしひしと伝わってくるものがありますので、ぜひ聞きたい答弁でありました。ありがとうございます。今後も引き続き頑張っていただきたいと思います。
次に、職員数の削減についてお尋ねいたします。
厚木市を初め、神奈川県内には特例市が5市あります。市の面積や地域の特性など、また予算規模などさまざま違いがありますので、一概には比較することは難しいのですけれども、人口規模で比較した場合、厚木市の職員数の状況はいかがでしょうか。
◯奈良庸文総務部長 神奈川県内の特例市との比較でございまして、ただいま高田議員がご指摘のとおり、市の面積や地域の特性というところで一概に比較というのは難しいとは思いますけれども、人口規模で、神奈川県内の厚木市を除いた4市の特例市の職員の平均と厚木市の職員数で比較をしてみますと、小林市長就任当時の平成19年4月1日には、神奈川県内特例市の職員数の平均は1969人でございまして、当時の厚木市の職員数は2138人でございました。その差は169人でございました。登壇の市長答弁にありましたように、小林市長就任以降、既に95人の職員を削減しており、その特例市との差も67人と縮まってございます。
また、第4次厚木市行政改革におきましては、平成21年度から平成23年度までに90人の削減計画を立てておりますので、今後におきましても計画的な職員の削減に取り組んでまいりたいと考えてございます。
◯16番 高田 浩議員 市長が就任して以来、これまで95人の削減がされたということであります。私は、単に減らせばいいと思っているということは全くありません。現場の職場における仕事へのモチベーションというのは非常に大事ですし、それを維持しながら、例えば今まで10人で仕事をしていたものを9人でするとなると、現場の負担が非常にかかるわけですから、それだけ考えても大変な作業、取り組みだったと思います。
削減について、年度ごとの内訳人数や削減額はいかがでしたか。
◯奈良庸文総務部長 先ほども申し上げましたが、平成19年度から平成21年度末ということで、合計95人の職員の削減でございます。
年度ごとの数値といたしましては、平成19年度は15人の削減をいたしまして、その効果額でございますが、約1億2000万円。続いて平成20年度につきましては28人の削減で、効果額につきましては約2億3000万円。平成21年度は52人を削減いたしまして、効果額は約4億2000万円という形で、合計95人で、削減の効果額の合計といたしましては約7億7000万円になってございます。
◯16番 高田 浩議員 公務員は、簡単に言うと首を切るわけにはいきません、解雇するわけにはいきませんので、そうすると自然減とかも含めての結果でもあると思うのです。そうすると、人口構成が違う形になってくるとか、さまざまな結果も出てくると思うのですが、ぜひ計画的に進めていただきたいと思います。
次に、ワンストップサービスについてお尋ねいたします。
ワンストップサービス実施により、市民満足度及び職員のモチベーションや意識などについて、何か変化がありましたらお話しください。
◯奈良庸文総務部長 ワンストップサービスの開始に合わせまして、来庁者の方にアンケートを実施させていただきました。そのアンケートを見ますと、満足していると感じていらっしゃる方が、ワンストップサービス開始前には80.5%であったものが、開始後には11.4ポイント上昇して91.9%となってございます。
職員の意識改革につきまして、ワンストップサービス実施後、B−1グランプリに向けて、「ようこそあつぎへ」おもてなしプロジェクトを実施いたしまして、その取り組みとしてより一層の市民サービスを行うため、窓口職場のみならず職員が一丸となりまして、先ほどもB−1グランプリで職員が頑張ったというお言葉をいただきましたけれども、職員が一丸となり、おもてなしの気持ちを持って、市民の皆様に対応させていただきました。
また、「ようこそあつぎへ」おもてなしプロジェクトでございますけれども、6月10日から9月17日までの間、100日間連続でそのアンケートを実施させていただきまして、その結果につきましては、各課等にフィードバックを行い、接遇等の改善につなげるという取り組みをさせていただいております。
◯16番 高田 浩議員 アンケートについて、私が議会で取り上げたときは、本庁舎の1階と2階、あるいは図書館とか、場所を限定して実施することを考えながら提案したのですけれども、ただ、全国規模のB−1グランプリがあるということから、今は全課にわたってアンケートが実施されていますが、アンケートというのはあくまで1年単位で物を考えて、その上で実施する対象を絞るということも、一考の余地があると思います。
具体的には今申し上げたとおり、ここ本庁舎の1階と2階、あるいはその他施設とかでアンケートを実施すればいいとは思うのですけれども、アンケート実施の対象を絞るということについてはいかがお考えでしょうか。
◯奈良庸文総務部長 アンケートの関係でございますけれども、この職員によりますおもてなしの心を継続させるために、年に2回ぐらい取り組みを強化する、例えば強化月間という時期を設けたらどうかとか、また窓口アンケートもその方法などをよく精査しまして、引き続き実施したらどうかというところも現在考えてございますけれども、ただいまの高田議員のご提案も踏まえまして、今後さらに検討してまいりたいと考えております。
◯16番 高田 浩議員 何回も申し上げますけれども、アンケートをとるというのは、職員のモチベーションをアップすることがまず第一のスタート地点でありますので、ぜひその点を職員に周知していただきたいと思っております。
次に、文化芸術振興プランについての質問に移ります。
「社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)」という法案があります。この劇場法(仮称)について厚木市の基本的な姿勢をお聞きします。国は今後、芸術面、技術面、あと経営責任者など、そういう人的な配置ができる文化施設には支援していくという方向性です。厚木市はあれだけの施設を持っていますので、十分資格要件には達していると思います。劇場法(仮称)についての厚木市の基本的な考えをお聞かせください。
◯大貫健二協働安全部長 今、高田議員がご指摘の劇場法(仮称)につきましては、国で法制定の動きがあるということは認識しているところでございます。この法につきましては美術館や図書館に法的根拠があるということから、文化芸術事業の拠点であります劇場についても、施設や事業の明文化、そして組織強化のための専門的職員の配置、また国の支援等をどのようにするかという取り組みの法律であると理解しております。
本市におきましては、平成20年度に策定いたしました文化芸術振興プランに基づきまして、その内容について検討を進めているところでございます。今年度におきましては、劇作家、演出家であります横内謙介氏を文化芸術特別大使と任命させていただき、厚木市から発信する演劇の公演、今年度につきましては11月の後半2日間、厚木市文化会館で「新浄瑠璃朝右衛門」を公演し、現在、12月1日に紀伊國屋ホールを皮切りに全国ツアーに入っているところでございます。その他、子供たちへの演劇、またダンスのワークショップ等の開催、これらを総称しまして厚木シアタープロジェクトと申します。こういうことから、厚木市におきましては、神奈川県内でも独自の活動をさせていただいて、高い評価を得ているところでございます。
このような継続的な事業が評価されまして、今年度、優れた劇場・音楽堂の創造支援事業ということで、国から厚木市文化会館に1100万円の支援をいただくことになっております。
このようなことから、本市におきましては劇場法(仮称)が進む中でもそれ相応に対応できることとなっておりますので、また今後、国の動向も見据えながら勉強をさせていただきたいと考えているところでございます。
◯16番 高田 浩議員 劇場法(仮称)については、法律が制定してからの対応では遅いのです。しかし、厚木市の場合は積極的に対応していこうという姿勢であることがよくわかりました。ほっといたしました。文化行政もぜひ今後バックアップしていただきたいと思います。
以上、質問を終わります。ありがとうございます。
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アップロード:2010年11月30日 |