大連立構想、参議院で否決・衆議院で2/3以上の賛成 ...。国会を見て、歯がゆい思いをしている抱く人は少なくないでしょう。
衆議院選挙制度を小選挙区としたのは1994年。私は1人が選ばれる選挙制度を危惧し、小選挙区制度が様々な形で政治を行き詰まらるであろうと予測していました。小選挙区制度の弊害は様々挙げることが出来ますが、私の主たる論点は次の通りです。
小選挙区制度 = 1人が選ばれる選挙制度 → 政治家のスケールが小さくなる・多様性の喪失
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元駐日アメリカ大使であったライシャワー博士は、著書「ザ・ジャパニーズ」の中で、日本人の特性の一つを「タイフーン・シンドローム」と表現しました。「一時は台風のように凄いが、それが過ぎると何事もなかったかのように話題にもしなくなる」といった意味です。小泉・郵政選挙(2005年)や民主党が政権を獲得した総選挙(2009年)のように、小選挙区制度は一方が大勝しやすい制度です。しかし、その後の政権運営がうまく機能するとは限りません。
国政選挙において、1人が選ばれる選挙制度であると、多様性が失われます。少数意見の尊重はとても重要ですが、小選挙区制度ではそれは困難です。
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高校時代、ライシャワー博士夫妻と
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小選挙区にも利点はあります。選挙区が小さければ、国民は代議士と接する機会が増えます。意見の吸い上げについては、中選挙区よりもされやすいでしょう。しかし、1人を選ぶ、いわば白か黒かの選挙制度は、政治家のスケールを小さくすると思われます。総合的には、複数人が選ばれる中選挙区の方が利点は多いです。
1980年頃、ある全国紙が「尊敬される職業」のアンケート結果を記事にしていました。それによると、政治家は街の易者の次にランク。因みに、1位は銀行マンでした。果たして、今はどうでしょうか。
私が初めて行った外国であるオーストラリアでは、大学生が極めて普通に政治を話題にしており、日本との違いを感じたことを覚えています。
政治を機能させ、日本の国力を上げるために、私は衆議院議員選挙を小選挙区から中選挙区に改革することが望ましいと考えます。