2012年9月厚木市議会一般質問
観光、文化行政、鳥獣被害対策
高田 浩議員 (登壇)私は、今回、観光及び文化行政と鳥獣被害対策について質問をいたします。10年単位で日本を見た場合、派遣社員に象徴される企業の変質と地域社会におけるきずなの薄れが最大の社会的変化だと私は思っております。グローバル化の波が押し寄せた結果だと言えます。
一方で、複数の海外金融機関の分析によると、日本では昨年、富裕層が約4%増加しているそうです。失われた20年と長年にわたる政治への不信を背景に、国政では単純明快でわかりやすい大幅な定数削減を主張する向きもあります。それは留飲を下げる結果にはなるでしょうが、政治の質を向上させることにつながるのか疑問であります。まずは小選挙区制度を中選挙区制度に戻すべきであります。
企業文化が変質し、地域のつながりが薄くなっていると言える今日、地方自治体は可能な限りきめ細かな行政サービスを行うことが求められます。きめ細かな行政サービスを行うのであれば、行政単位は小さいことが理想的であります。私は、地域の力を引き出す努力をしている厚木市に、新たな視点で議論をしたい、質問をしたいと思っております。
私はこの夏、新潟県十日町市と津南町で行われている大地の芸術祭を見て回ってきました。2000年から3年ごとに開催され、ことしで5回目だそうです。数千円のパスポートを購入して見て回ることができます。廃校となった小学校をフランス人オペラ演出家が作品にしたり、美術系の大学が古民家に彫刻を入れて脱皮する家と称した作品にしていました。また、棚田に4メートルから5メートルのオブジェを設置して観光客が来る場所にしている場所もありました。また、展示作品の横で地元の女性たちがお米を売っており、私はおしゃべりを楽しみながらお米を買ってまいりました。同時開催のひまわり畑では、乗用車の駐車料金300円が地域住民により徴収され、張られていたたくさんのテントでは、アイスクリームや手づくりとおぼしきお菓子なども売られておりました。広大なひまわり畑は見事であり、わかっている人のもとで一斉に種をまき、管理が行われているであろうことが目に浮かぶようでありました。
第1回目の2000年において大地の芸術祭実施後、市民、町民による大方の声は、お客さんとの交流が楽しかったという反応だったそうです。県内外から2カ月間にわたりお客さんが来れば、その準備や対応で忙しくなることは容易に想像できます。その舞台裏は、隣近所、地域が支え合っていると言えます。経済効果も目に見えて出ているそうです。市民、町民の意識も変わるでしょうし、地域力をつくり出す具体的、かつ壮大な取り組みだと思いました。ほかにも、東京23区内でやはり2カ月間にわたって文化芸術祭を行っている自治体があります。
市外、県外から観光客を呼び込むには、展示作品が一定以上のクオリティーがある必要があります。大地の芸術祭において、市民、町民はわき役に徹しているように見受けられました。十日町市と津南町の人たちの立場に立った場合、現代アートのお祭りを行いたいと行政が提案したとしてもぴんと来なかったでしょうし、首都圏や大阪から遠い、あるいは過疎で若い人がいないなど、否定的なことを考えたら幾らでも挙げられたはずであります。
さて、それを厚木市に置きかえたらどうでしょうか。現代アートはアイデア勝負です。棚田に4メートル、あるいは5メートルのオブジェを設置し、観光客の来る場所にしているように、何もないところからつくり出す発想と担い手がいればできるのではないでしょうか。
今まで述べてきたことは、地方自治体が地域振興を旗印に地域社会を動かす手法です。あつぎ鮎まつりやB-1グランプリを通じて厚木市はそのノウハウを既に持っております。厚木市の観光及び文化行政について見解をお尋ねいたします。
次に、鳥獣被害対策についてお尋ねいたします。電気さくの中の畑に猿が入って食べ散らかされ、がっかりしている棚沢にお住まいの90歳近いご夫婦宅に私は伺いました。それは鳶尾山で猿の追い払いが行われた後のことであります。これはデータを使い、猿の行動パターンを理解していれば、いつごろどこにあらわれるか予測がつくことでもあります。猿による被害対策についてはこの議会で多くの議員が何度となく取り上げております。私は今回、データをキーワードにして質問をいたします。
また、猿と並んで、場合によってはそれ以上に警戒が必要なシカ対策についてもお尋ねいたします。シカの食害によって木の立ち枯れが発生いたします。その結果として、山崩れを引き起こす原因ともなります。私は時折鳶尾山を歩いていますが、大雨の後、根が浅い杉の木などが倒れているのが実情であります。シカは住宅地の家庭菜園にまで来る事例が全国的に見受けられます。神奈川県内では大磯町でシカが車と衝突して事故死した事例もあります。
以前より厚木市内でもシカの目撃事例があります。丹沢を控えているため、私たちが知るよりもシカの被害は実は大きいはずであります。鳶尾周辺でも愛川町の八菅までシカが来ているとも聞きます。鳥獣被害対策について厚木市の取り組みをお尋ねいたします。
以上、明快な答弁を期待しております。
◯寺岡まゆみ副議長 市長。
◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、観光及び文化行政について、施策の効果について、進んだ点と課題は何か。相乗効果を考えてはどうかとのお尋ねでございますが、観光施策につきましては、本市の観光を総合的にプロデュースする観光プロデューサーを採用するとともに、平成24年3月に厚木市観光振興計画を策定するなど、おもてなしの心で観光客誘致に向けて積極的な取り組みを進めております。
文化施策につきましては、市民芸術祭を初め、あつぎ映画祭や野外彫刻造形展などの開催を市民との協働で進めております。
なお、施策の推進に当たりましては、地域のさまざまな資源や文化を活用し、新たな観光資源づくりやだれでも親しめる多様で特色ある文化芸術の振興を図るなど、観光と文化の取り組みをより密接に連携、推進し、相乗効果が図られるような事業の展開に努めてまいります。
次に、鳥獣被害対策について、効果及び課題について、評価はどうか。改善点はあるかとのお尋ねでございますが、野生動物による農作物被害や生活被害の防止を目的に、平成19年度から平成23年度までの5カ年で、総延長約25キロメートルの広域獣害防護さくを設置完了いたしました。
効果につきましては、地域住民の皆様からの聞き取り調査の結果、シカ、イノシシの出没は大幅に減少し、農作物被害につきましても減少傾向にあり、ヤマビルも大きく減少していると評価をいただいております。
なお、防護さくの人里側に生息し、農地や住宅地へ出没する野生動物の追い払いや管理捕獲の対策強化が重要であると認識しておりますので、今後も積極的に地域の皆様と連携して獣害被害の防止に努めてまいります。
◯18番 高田 浩議員 答弁ありがとうございます。
まず、芸術文化についてですが、厚木市の文化芸術イベントやそれにかかわる公募について広く告知する方法の1つとして、専用のメールマガジンをつくり、活用してはいかがでしょうか。
◯加藤 毅市民協働推進部長 メールマガジンにつきましては、広く情報発信をするツールとして有効であると認識いたしております。しかしながら、文化芸術イベント等につきましては所管する部署が多岐にわたっておりますので、今後、メールマガジンの構成等について協議を図る場を設け、研究してまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 イベントがあってもわからないとか、あと最近私が聞いた事例なのですが、その公募されたイベントに極めて近い周辺エリアの人が公募があったのを知らなくて、後から知って、しかも応募の期間が非常に限られていたということもあります。その研究するというのはいつまでに結果を出すことを目標にいたしますか。
◯加藤 毅市民協働推進部長 関係する部署がかなり多うございますので、早急に調整をしたいと思います。
◯18番 高田 浩議員 厚木市市民協働事業提案制度は、厚木市に観光客を呼び込む際の下支えにもなります。現状では実費だけが賄われています。しかし、何がしかのプラスがあってもよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
◯加藤 毅市民協働推進部長 ただいま高田議員が言われておりますことは、市民協働事業の経費として、実費以外に労働力というものが加味できないかというお尋ねだと思いますけれども、市民協働事業の実施に伴う互いの経費負担につきましては、提案団体と厚木市で事業内容、運営方法等を協議する中で決めておりますので、その中で厚木市の経費負担には、提案団体の日常的な運営経費等は対象外としておりますが、事業に直接要する人件費などの負担につきましては、事業内容を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 厚木市では毎年野外彫刻造形展やあつぎジャズナイトなどの文化芸術イベントが開催されております。文化芸術イベントは現在ばらばらに開催されていると言えます。それらを1カ月、あるいは2カ月単位でつなげて、それぞれの相乗効果を図ってはいかがでしょうか。
◯加藤 毅市民協働推進部長 本市におきましては、毎年市民文化祭と野外彫刻造形展を別に開催しているわけでございますけれども、今年度の市民文化祭は第50回を迎える記念すべき事業でございますので、野外彫刻造形展の時期を調整いたしまして、10月20日から11月7日までの3週間の期間で市民文化祭と一体で開催する予定でございます。このような取り組みによりまして相乗効果を図る事業の展開に努めているところでございます。
また、文化芸術に関するイベントを1カ月単位でつなげるということについてですが、これまでの事業の目的とか、また経緯がございますので、季節に合わせて実施するイベントなど、やはり市民の皆様にも定着をしております。そういう課題も多くございますので、関係部署と協議していく必要があると考えております。
◯18番 高田 浩議員 私は、登壇で申し上げたとおり、今回申し上げたいことは、厚木市民だけを対象とした内向きの視線、政策、施策から脱却していただきたいということであります。1カ月単位で個々のイベントをつなげるとして、その間常設展示場があることが望ましいです。古民家岸邸や菁莪小学校の跡地が考えられます。平成23年度において古民家岸邸の訪問者数は1日何人でしたか。また、年間維持費についてお話しください。
◯山田茂穂社会教育部長 古民家岸邸の平成23年度の入館者数につきましては年間で2838人、開館日数が360日でございますので、平均いたしまして1日当たり7.9人となっております。また、維持費につきましては、平成23年度の決算額で、光熱水費等の需用費が23万7466円、電話代、樹木管理等の手数料などの役務費が55万7085円、施設運営や警備などの施設維持管理委託料が294万25円、古民家岸邸の底地や周辺駐車場の賃借料が218万82円でございまして、合計で591万5388円でございます。
◯18番 高田 浩議員 新潟県十日町市には宿泊できる古民家がありました。カレーを出していた古民家や美術大学の有志学生によって陶芸作品が展示されていた─。失礼しました。彫刻刀で刻まれた作品として展示されていた古民家もありましたし、陶芸作品が展示されていた古民家もありました。
厚木市の古民家岸邸の利用も進むように知恵を出していることは聞いております。厚木市において個々に行われている文化イベントを線で結ぶことが私の今回の趣旨でありますが、それはそれとして考えたとしても、古民家岸邸の活用方法についてコンペを行う考えについてはいかがでしょうか。もし文化芸術イベントを線で結ぶことができたとしたら、古民家岸邸はその拠点の1つとなり得ると思っております。いかがでしょうか。
◯山田茂穂社会教育部長 古民家岸邸は厚木市指定有形文化財に指定しておりまして、文化財として保護、保存することを目的に管理運営をしております。現在、一般公開をいたしまして広く市民の皆様を初めといたしまして多くの方に見学いただいているとともに、展示や写真、また映画の撮影等にもご利用いただいております。
ご提案いただきました方法につきましては、展示のスペースとか、また宿泊ということで、幅広いご提案を参考にしながら、厚木市文化財保護審議会等のご意見も伺いながら研究してまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 その研究には何カ月、あるいは何年かけますか。
◯山田茂穂社会教育部長 先ほどの厚木市文化財保護審議会等にお諮りするものにつきましては、できるだけ早く、今年度にもご意見を伺うような機会を設けていきたいと思います。また、宿泊などにつきましては、旅館業法等さまざまな法律関係もございますので、そういうものを研究してまいりたいと考えております。できるだけ早く結論を出していきたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 文化芸術に関しまして、これまで新潟県十日町市及び津南町での取り組みや、有形、無形の文化財を含めた活用について幾つかの角度から質問をしてまいりました。これらを観光の振興策につなげることが厚木市にとって地域活性化につながるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
◯森下俊春産業振興部長 文化芸術に関する取り組みにつきましては、厚木市の貴重な観光資源の1つであるととらえております。本年3月に策定いたしました厚木市観光振興計画におきましても、文化振興の取り組みを観光につなげるために、市民による「文化芸術のまちあつぎ」づくりを位置づけております。
先ほどご指摘いただきましたように、厚木市にはあつぎ鮎まつりとかB-1グランプリなど、観光イベントを運営する十分なノウハウがございます。今後、本市の観光振興を図っていくため、芸術文化を初め、有形、無形の文化財や歴史に関する催しと連携したり、施設を活用したりいたしまして、さまざまな分野の取り組みを観光に結びつけて進めていきたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 大地の芸術祭を見に行って、率直に言って、これは厚木市としてぜひヒントにさせていただきたいと思いました。地域社会の活性化、あるいは経済効果も出ているということで、これは大いに参考にできたらなと感じました。
ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した菅井円加さん、ロンドンオリンピックで活躍したなでしこジャパンの大儀見優季選手に、厚木市はことし特別表彰を行いました。それこそアイデアさえあれば、市内のどこか国道沿いにでも4メートル、あるいは5メートルのオブジェを期間限定で設置するなど、発想さえあればおもしろいことができるはずであります。ほかの県でかかし祭りというのをしておりまして、なでしこも含めてロンドンオリンピックの選手のかかしが並んでいるということがテレビのニュースで取り上げられておりました。厚木市が率先してすべきことなのではないかとそのニュースを見た瞬間思いました。
厚木市も、小さい規模からでいいのですけれども、県内外から観光客を呼び込む構想を練ってはいかがでしょうか。
◯森下俊春産業振興部長 県内外から観光客を呼び込むということになりますと、どうしてもユニークな事業を展開することが大切であると思います。その点できょうはいろいろとユニークな事業のご示唆をいただいているものと考えております。
今後、地域特性を活用しました観光振興を目指しまして、先ほどの厚木市文化芸術振興プランとか厚木市観光振興計画などに基づきましてさまざまな分野との連携を図るとともに、厚木市観光協会、あるいは観光協会の事務局長を務めております観光プロデューサー、こういう方々から十分なご協力をいただきまして、県内外から多くの観光客を迎える取り組みを積極的に進めさせていただきたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 内向きの視点、厚木市民だけを対象としたイベントから、広く県内外から人を呼び込むように大きく脱却することを本気で考えていただきたいです。本気で考えるのでしたら、総合プロデューサーが必要です。宣伝や国内外のアーティストとの交渉、大使館との交渉、あるいは助成金を獲得する段取りなど、さまざまな役割があるはずです。いかがでしょうか。
◯加藤 毅市民協働推進部長 本市におきましては、あつぎ文化芸術特別大使に横内謙介氏を平成22年5月に委嘱しまして、本市の文化芸術事業等を広く紹介、PRしていただいております。また、平成23年4月に厚木市文化会館の芸術監督にもご就任いただいておりまして、事業の企画、制作、プロデュースなどご活躍をいただいているものでございます。
このような状況によりまして、平成22年度と平成23年度におきましては、文化庁から、優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業補助金が交付されております。平成22年度におきましては1070万円、平成23年度におきましては914万6000円の補助金をいただきまして、この補助金を活用いたしまして、厚木市文化会館を拠点として、全国に向けてすぐれた劇場を発信する厚木シアタープロジェクトの事業を拡大できたものでございます。また、市民文化祭を初め、市民芸術祭、あつぎ映画祭など、文化芸術事業につきましては市民との協働を進めており、多くの市民の方にご参加いただくことを基本としております。
高田議員がおっしゃるとおり、県内外から人を呼び込み、まちの活性化につなげることも重要であると考えておりますので、今後におきましては、文化芸術事業を広く宣伝していくよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 私が見てきた新潟県のイベントが回を重ねるごとにお客さんがふえている理由としては、総合プロデューサーがしっかりしている。つまり特定のエリアだけが得意とかではなくて、広く見ることができて、宣伝とかいろいろなことを実際にしてくれる人がいて、しかも地元にそれを受けるNPO法人がきちんといるわけです。それでうまく回っているわけです。私が申し上げているのは、そういう人材が必要なのではないかということを申し上げました。
今まで述べてきたことは、地方自治体が地域振興を旗印に地域社会を動かす手法となると思われます。いかがでしょうか。
◯宮台 功副市長 ただいま観光と文化行政を上手に結びつけて、そして新たな創造性のあるイベントに結びつけてはどうかというご提案でございますけれども、高田議員がおっしゃられる手法は、まさに今厚木市にも求められている手法であると考えております。特に総合プロデューサーを含めて、どのような形で事業そのものをつくっていくか。これは今行政の中にあっても、ばらばら別々の縦割り的な観光政策、行政、あるいは文化行政、それぞれの分野で考えるのではなくて、総体として庁内においても総合的に調整を図る形のものが必要であろうと考えております。
今後につきましては、庁内にも既にことしの4月からそれぞれの部に政策調整担当次長を配置しておりますので、連絡調整を図りながら新たな魅力ある文化観光事業を創出できるように取り組んでまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 次に、鳥獣被害対策の質問に移ります。
厚木市並びにその周辺を縄張りとする猿は、その個体群が幾つあり、個々の個体群は何頭ずつかお話しください。
◯長嶋一樹環境農政部長 平成23年12月に神奈川県が実施しましたモニタリング調査によるデータでございますけれども、厚木市並びにその周辺に行動域を持つ個体群につきましては、5群で全部で386頭おり、その年市内で農作物被害等の発生している3群、鳶尾群と経ヶ岳群、煤ヶ谷群につきましては、鳶尾群が107頭、経ヶ岳群が69頭、煤ヶ谷群が54頭の合計230頭でございます。
◯18番 高田 浩議員 では、質問をちょっと変えますが、私の近所を例にとると、鳶尾山群のグループは幾つですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 先ほど申しましたとおり、107頭でございます。
◯18番 高田 浩議員 それは幾つのグループですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 厚木市では、1つのグループ、鳶尾群ということでとらえております。
◯18番 高田 浩議員 個体群を特定できるように、リーダーたる指標個体の猿を認識するためにどのようなマーキングをしていますか。
◯長嶋一樹環境農政部長 野生のニホンザルにつきましては大人雌が群れを統括しているとされておりまして、神奈川県では、個体群の生息行動域を把握するために、大人雌に電波発信機を装置しておりますけれども、群れの中でどの大人雌がリーダーであるかを確定することは難しく、現在、残念ながら判明していないのが現状でございます。
◯18番 高田 浩議員 では、猿のマーキングはしていませんか。
◯長嶋一樹環境農政部長 マーキングという意味で、うちは今、電波発信機をつけているということでございます。
◯18番 高田 浩議員 マーキングは全然違うのです。例えば顔にどこか傷があるとか、指にどこか違うところがあるとか、いろいろな身体的な特徴のことを言うのです。犬のマーキングとも違います。マーキングは知っていますか。
◯長嶋一樹環境農政部長 今、高田議員が言われたような認識はしておりません。
◯18番 高田 浩議員 では、鳶尾群が1グループであるとは言い切れないのではないですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 先ほど申しましたとおり、厚木市といたしまして、また神奈川県もそうなのですけれども、鳶尾群ということで把握しているところでございます。
◯18番 高田 浩議員 1グループかもしれないけれども1グループでないかもしれないです。なぜかというとマーキングをきちんとしていないから。
それでは、質問を変えますが、毎年生まれてくる子ザルの数は把握していますか。その生存率から将来的に、経済的、あるいは人的被害をどう推察していますか。
◯長嶋一樹環境農政部長 神奈川県のモニタリング調査におきましては、群れの性年齢構成数を把握しておりまして、大人雌の個体数から子ザルの数を推定しております。厚木市内で活動している3群で、子ザルについては53頭と把握しております。
また、その生存率から将来的に、経済的、人的被害をどう推察していますかというご質問でございますけれども、神奈川県におきましてもその推察は行っておりませんし、厚木市でも推察することはなかなか難しいと現時点では考えているところでございます。
◯18番 高田 浩議員 今まで質問した中でも実はデータがしっかりしていないということがどうも見え隠れしているような気がします。
厚木市並びにその周辺を縄張りとする猿の個体数とグループの数、動き方について、平成19年度から今年度までの可能な限り詳細なデータを資料請求いたします。いかがでしょうか。
◯長嶋一樹環境農政部長 データでございますけれども、本市におきましては、平成21年11月から、鳶尾群と経ヶ岳群、煤ヶ谷群の3群につきましてはニホンザル追い払い員を配置しておりますので、出没する場所や追い払い場所のデータがございますので、平成21年11月からのものにつきましては提供できるということでございます。
◯18番 高田 浩議員 猿についてのデータをもとに、狩猟免許を持ち、猿の生体に精通している猿対策専従員がいることが望ましいです。これについていかがでしょうか。
◯長嶋一樹環境農政部長 現在ですけれども、厚木市シルバー人材センターに委託して実施しておりますニホンザル追い払い事業におきましては、先ほど申しました群れごとに発信機装着個体がおりますので、群れごとに追い払い員を常時2人配置しまして、猿の行動を感知しまして、経験上のデータにより猿の移動場所を予想しながら先回りすることにより、農地や住宅地への出没を未然に防止する方法で取り組みをしておりまして、厚木市シルバー人材センターに登録されている銃猟免許取得者の方に追い払い事業についていただくようにお願いしております。
◯18番 高田 浩議員 そのお2人は、狩猟免許をお持ちですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 持っております。
◯18番 高田 浩議員 私はお会いしたことがないから全く知りませんけれども、どのくらいフィールドワークの経験がおありか理解していますか。
◯長嶋一樹環境農政部長 その件につきましては、厚木市シルバー人材センターに、私のほうでこういう方を派遣してほしいとお願いしておりますので、今言われたフィールドワークをどの程度されている方ということは、今の時点では把握しておりません。
◯18番 高田 浩議員 登壇でシカのことについても申し上げましたが、厚木市は丹沢を控えております。丹沢におけるシカの適正数についてどのようにとらえていますか。
◯長嶋一樹環境農政部長 第3次神奈川県ニホンジカ保護管理計画がございますけれども、現在、丹沢山地におけるシカの生息数はおおむね3000頭から5000頭と推定されております。
これが今ご質問の適正数になるかどうかわかりませんけれども、丹沢の存続可能最小個体数というのが出ておりまして、それがおおむね1500頭ということになっております。
◯18番 高田 浩議員 適正数についてはいかがですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 適正数につきましては神奈川県も言っておりませんけれども、先ほど申しましたとおり、存続可能最小個体数がおおむね1500頭ですので、その前後ではないかと想像できるところです。
◯18番 高田 浩議員 つまり猿にしてもシカにしても、もしかして猿も正確かもしれないし、そうでないかもしれないし、シカについては神奈川県も数字をつかんでいないようなのですが、実は実態がわかっていないのが正直なところだと思いますけれども、いかがですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 先ほど私が申しましたけれども、神奈川県でつくっております第3次神奈川県ニホンジカ保護管理計画におきましても、丹沢山地におけるシカの生息数につきましてはおおむね3000頭から5000頭と推定ということですから、結構幅があります。ですから、神奈川県でも把握は余りできていないのではないかと推察できるところでございます。
◯18番 高田 浩議員 シカの対策もデータに基づいた科学的な対策が必要です。シカの対策について将来展望をお聞かせください。
◯長嶋一樹環境農政部長 本市におきましては、現在、農業被害をもたらします広域獣害防護さくの人里側に定住するシカにつきまして管理捕獲に努めているところでございます。現在取り組んでおります農業被害防止の観点からは、獣害防護さくによる人と野生動物のすみ分けを目標に、今後とも積極的に事業を推進してまいりたいと考えており、この事業を続けていきたいと思っております。
◯18番 高田 浩議員 今回、データをキーワードにして質問いたしますと申し上げましたけれども、猿とシカのことについてデータを出していただいて、また次回以降の議会で質問をしたいと思っております。
厚木市並びにその周辺を活動エリアとするシカの個体数と動き方について、平成19年から今年度までの可能な限り詳細なデータを請求いたします。いかがでしょうか。
◯長嶋一樹環境農政部長 平成23年末に神奈川県が実施いたしましたモニタリング調査によるデータでございますけれども、厚木市の山ろく区域での推計生息数といたしましてはおおむね170頭とされています。そのシカにつきましては、動き方につきまして把握していないのが現状でございますので、まことに申しわけございませんけれども、資料請求には応じられないということでございます。
それと、先ほど丹沢山地のシカの頭数につきまして3000頭から5000頭と答弁しましたけれども、3000頭から5500頭でございますので、訂正させていただきます。
◯18番 高田 浩議員 個体数、動き方などについては、神奈川県もほとんど把握していないので、厚木市に出してくださいと言っても無理なことは承知で聞いております。ただ、わかる範囲で今申し上げた年度の中で資料請求をいたします。いかがでしょうか。
◯長嶋一樹環境農政部長 それでは、もしわかれば出せますけれども、わからなければ出せないということでございます。
◯18番 高田 浩議員 先ほど言ったことを数字で出していただければいいのです。それもできないですか。
◯長嶋一樹環境農政部長 では、戻りまして、できるかどうか検討します。
◯18番 高田 浩議員 厚木市の住宅地においてシカが目撃されるようになってから年数がたっております。日本全国で大型獣の分布域が拡大する一方で、狩猟者は激減しております。厚木市も無縁ではないはずであります。
厚木市における狩猟者数について、10年前、5年前、ことしと数字を挙げてください。
◯長嶋一樹環境農政部長 厚木市の5年前とか10年前の狩猟免許取得者の名簿につきましては神奈川県では持っていないということでわかりませんけれども、現在の厚木市内における狩猟免許取得者は約180人おられまして、そのうち96人が神奈川県猟友会厚木支部の会員と伺っております。市内の狩猟免許取得者の人数は横ばいということでございますけれども、神奈川県猟友会厚木支部の会員数は年々5%程度減少傾向にあると伺っているところでございます。
現在、神奈川県猟友会厚木支部会員の96人の中で41人の方が有害鳥獣捕獲等に携わっていただいておりまして、会員の総数は年々減少傾向にありますけれども、有害鳥獣捕獲等業務に携わっていただく方は逆に増加しているため、銃器を使用した捕獲等業務につきましては引き続き猟友会にお願いしていきたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 農作物被害、人的被害、そして山が荒れることへの対応、また、狩猟者数の減少への対応策として、狩猟免許の取得費用を助成する方法があります。これについていかがでしょうか。
◯長嶋一樹環境農政部長 狩猟免許につきましては、第一種銃猟免許、第二種銃猟免許、それとわな猟免許、網猟免許がございますけれども、その取得費用の助成につきましては、狩猟免許のうち銃器の狩猟に係る銃猟免許に対しましては、免許を取得される方の目的が趣味によるものか、また、免許の取得後、本市の有害鳥獣による被害防止への取り組みにご協力していただけるのかどうか等の限定が困難なこともありますので、費用負担につきましては課題が多いものと考えておりまして、助成は実施しておりません。
なお、神奈川県猟友会厚木支部会員の方々の多くは銃猟免許取得者でございますので、本市の銃器によるニホンザル追い払いに対しまして積極的に取り組んでいただいているところでございます。
狩猟免許のうち、わな猟免許取得者の方につきましては、有害獣でございますシカ、イノシシの捕獲に対しまして、くくりわなの貸し出しや厚木市有害鳥獣捕獲報奨金制度により支援を行っております。つけ加えさせていただきます。
◯寺岡まゆみ副議長 まとめてください。
◯18番 高田 浩議員 ほかの自治体で助成をしている事例がありますので、どのように課題を整理したかよく聞いて、厚木市も参考にしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◯寺岡まゆみ副議長 環境農政部長、簡潔にお願いします。
◯長嶋一樹環境農政部長 研究していきたいと思います。
◯寺岡まゆみ副議長 ここで10分間休憩いたします。
午後2時50分 休憩
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(神子雅人議長復席)
午後3時00分 開議
◯神子雅人議長 再開いたします。
この際、社会教育部長から発言訂正の申し出がありますので、これを許可いたします。
◯山田茂穂社会教育部長 先ほど古民家岸邸の維持管理費のご質問に対しまして、岸邸底地や駐車場の賃借料を218万82円と申し上げましたが、正しくは218万812円でございますので、訂正をお願いいたします。
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10月5日最終日
◯神子雅人議長 ただいまの出席議員は28人で定足数に達しております。ただいまから9月定例会第5日の会議を開きます。
議長の諸報告は、お手元に配付のとおりでありますので、ご了承願います。この際、環境農政部長から発言訂正の申し出がありますので、これを許可いたします。
◯長嶋一樹環境農政部長 平成24年9月6日の厚木市議会定例会第3日の高田議員の質問の中で、委託先のシルバー人材センターの追い払い員は狩猟免許はお持ちですかの質問に対し、狩猟免許を持っていますと答弁いたしましたが、狩猟免許は持っていませんに訂正いたします。申しわけございませんでした。