2012年12月議会一般質問

 私は今回、ふるさと納税、国際交流、文化政策、庁内マネジメントについて質問をいたします。
 2月議会で、ふるさと納税制度を積極的に活用することにより税収アップを図る提案をいたしました。国際交流は6月議会、文化政策は9月議会で取り上げております。私は、在京大使館などの協力を得て、国内に住む10代の外国人と10代の厚木市民による厚木市七沢におけるキャンプを提案いたしました。その後の検討についてお尋ねいたします。
 ことし5月、沖縄県宮古島市で高校生が対象の太平洋・島サミットが開催されました。その担当者からどっさり資料をいただき、それをそのまま青少年課に一時お預けいたしました。それら資料を参考にする、厚木市に何のプラスがあるか、目的は何かを明確にする、これらを念頭に実施に向けて検討を進めていただきたいと思っております。
 外務省所管の独立行政法人国際協力機構JICAについて厚木市議会で取り上げられるのは恐らく初めてだと思われます。行政のメンタリティとして、新しい発想、提案に対してできない理由を考えるのが常であります。一般質問の通告後、市職員が議員の真意を照会するためにヒアリングに来ます。今回も同様でしたが、いつもとは異質な対応も少し経験いたしました。
 幾つかの部署はいつもどおりのヒアリング風景でしたが、多くの部署からは、昨日までに何人かの課長や部長からさらりと否定的な見解を承っております。ある部長からは、丁寧なおつもりなのでしょうが、延々とできない理由を聞かされました。別の部長は、いつからJICAの営業マンになったのですかと、いわば茶化した上で、質問が来たらできないと答えざるを得ないと直球を投げてきました。JICAと地方自治体による共同事業など考えたことがなかったのでしょう。事ほどさように、新しいアイデア、未知の事柄に行政が示す古典的な反応を何度か見ました。しかし、一方の当事者である行政機関JICAから話も聞かずに否定する理由を思い浮かべて思考停止するのはいかがなものでしょうか。日本じゅうを見渡すと、JICAの地域提案型事業により自治体が国際交流事業をしている実例が見受けられます。

 
 人口が3万4000人弱の鹿児島県志布志市では、南太平洋のフィジーを対象に、志布志市ごみ分別モデルの推進事業を現在実施中です。横浜市は水道事業でJICAと協力をしています。人口が4万3000人弱の北海道滝川市はJICAとさまざまな協力関係にあります。人口が減少している一方で、英語検定の受験者が増加していると聞きました。モンゴルから農業研修員を受け入れていることから、お相撲さんの白鵬を招き、それをきっかけに横綱白鵬米と名づけたお米を販売する地元業者も出てきております。新千歳空港から2時間かかる滝川市でなぜ国際交流かと滝川市議会で問われると、経済効果と回答しているそうです。例えば海外研修員の宿泊費用はJICAの予算であるため滝川市内のホテルの利益になり、法人税の増加となるためです。厚木市の見解をお尋ねいたします。
 文化政策は、市外から人を呼び込む策を考えていただきたいです。
 今回取り上げるふるさと納税、国際交流、そして文化政策は、私としては、厚木市の税収増を念頭に置き質問をしています。それが3つの共通点であります。厚木市も財政が減少傾向にあるのならば、右脳をフル回転させてアイデアで勝負してはいかがでしょうか。
 庁内マネジメントについては、経営哲学の一端をお聞かせいただければ幸いです。明快な答弁を期待しております。


◯寺岡まゆみ副議長 市長。

◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、税収増加策について、ふるさと納税について、今年2月定例会以降、議論は進んだかとのお尋ねでございますが、ふるさと納税寄附金を検討する庁内プロジェクトチームを立ち上げ、財源としての有効性やシティセールスの観点など、さまざまな角度から協議を重ねてまいりました。
 現在もふるさと納税制度はホームページでご案内しておりますが、今後におきましては、検討内容を踏まえ、寄附金の使途を具体的に提示するとともに、本市の重点施策のPRや観光案内などにより多くの方々から寄附金を募り、財源確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、国際交流について、子供たちの国際交流について、今年6月定例会以降、検討は進めているかとのお尋ねでございますが、国際交流事業につきましては、青少年育成関係団体と2度にわたり意見交換を行っております。この中では、子供たちの国際交流のあり方や実施方法についてそれぞれの団体からご意見をいただいたところでございます。これまでの事業の成果を検証しながら、今後、具体の実施方法等について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、JICAとの協力について、検討してはどうかとのお尋ねでございますが、JICAは、開発途上国への技術者の派遣や人材育成のための支援、日本の技術を学ぶための研修員の受け入れなどを行う独立行政法人であり、本市からも市民の方々がさまざまな途上国に派遣されております。そのような中で、本市の国際交流につきましては、引き続き市民相互の交流を主体に進めるとともに、JICAの取り組みも交流の1つとして考えてまいります。
 次に、文化政策について、今後の取り組みについて、方針及び観光政策とのかかわりはとのお尋ねでございますが、文化政策につきましては、本市における文化芸術の振興に関する基本的な方針であります厚木市文化芸術振興プランに基づき着実に推進しております。
 その中で、「文化芸術による取り組みを厚木の賑わいづくりに活かします」ということを施策の1つとしており、観光や商業の振興を図るイベント等においても、創造性豊かな文化芸術や地域に根づいた郷土芸能の催しを取り入れているところでございます。今後におきましても、文化政策をさらに推進するとともに、観光政策と連携し、相乗効果が図られるような事業の展開に努めてまいります。
 次に、庁内マネジメントについて、リーダーシップとマネジメントのすみ分けについて、重視している原則はあるかとのお尋ねでございますが、私は、市民の皆様から市政運営の重責を託され、「みんなでつくろう元気なあつぎ」を常に市政に取り組む原点に据えております。
 市政運営に当たっては、マニフェストに掲げました三大改革及び10の柱、100の実行を具現化するため、あつぎ元気プラン及び第5次厚木市行政改革を着実に推進することを最も重視しております。これにより、厚木に住み、働き、学び、集うすべての皆様が夢と希望をかなえ、明るく元気で暮らすことができるよう、元気な厚木を創造することが市政運営の最高責任者である私の使命と考えております。
 次に、マネジメントについて、課題はあるかとのお尋ねでございますが、長引く景気低迷などにより、厳しい行財政状況の中、いかにして市民福祉の充実を図っていくかが課題であると認識しております。
 なお、組織としての使命や目的をしっかりと達成していくため、副市長を初め、職員との円滑な意思疎通を図り、トップマネジメントの的確な運用や横断的な総合調整機能を十分に発揮し、組織が一体となって効果的、効率的に事業に取り組むことが重要であると考えております。

◯18番 高田 浩議員 答弁ありがとうございます。
 まず、ふるさと納税について再質問いたします。
 税収増加策として、2月議会と6月議会でも取り上げましたふるさと納税に特典をつけるか否かにつきまして、いつごろ最終的な結論が出そうでしょうか。

◯霜島宏美政策部長 ただいま庁内のプロジェクトチームによります検討を重ねておりまして、早ければ来年、平成25年度から実施に向けてということで目標を立てております。

◯18番 高田 浩議員 次に、JICAについて質問を移します。
 厚木市にできることがあるか否かをご自分たちだけで判断するのではなくて、厚木市としてJICAからまず話を聞く場を設定してはいかがでしょうか。

◯柿島憲一総務部長 JICAにつきましては、日本の政府開発援助を一元的に行う実施機関ということで、開発途上国への国際協力を行っていることにつきましては承知してございます。
 また、社会のグローバル化に伴いまして、職員が世界に目を向けることにつきましては大変重要なことであると認識してございますので、今、高田議員からご提案がございました説明会につきましては、そうした1つの契機となりますので、お話がございましたら、ご協力をしてまいりたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 厚木市としては特に何か行った実績はないわけですので、まず話を聞くと今大変前向きな回答がありましたので、きょう私が得たい回答のほぼ半分以上はそれで満足しているような形であります。ぜひそうしていただければと思います。次に草の根交流事業など、そういう段階で発展していくことが望まれるところではありますけれども、今の段階では話を聞くことがまずは大事だと思います。
 次に、教育委員会に質問いたします。JICA横浜は、毎年神奈川県内の小学校、中学校、高等学校に勤務する教員、あるいは教育委員会職員を対象に教師海外研修を実施しております。平成16年以降で申し上げますと、研修先はマレーシア、ジンバブエ、パラグアイ、ウガンダ、カンボジアです。ことしは7月29日から8月8日の日程でタンザニアに8人行っております。事前研修が横浜みなとみらいで行われた後に、実際にタンザニアに研修に行き、その後、各学校現場で研修に基づいた国際理解教育を先生方が実際に行う、その後、横浜みなとみらいで発表の場が設けられる、簡単に言うとそういうスケジュールになります。
 この研修があることを毎年厚木市内の小・中学校教員や教育委員会の職員に広く周知してはいかがでしょうか。

◯杉山繁雄学校教育部長 青年海外協力隊、あるいは日系社会青年ボランティアの現職教員特別参加制度につきましては、毎年JICAからこちらに募集要項が届けられております。毎年各学校にはそちらを通知して募っているという状況でございます。

◯18番 高田 浩議員 今の私の質問に対してお答えいただきたいのですが、いかがでしょうか。

◯杉山繁雄学校教育部長 教師海外研修でございますね。今までJICAからの募集を受けて派遣した実績はございませんが、海外での自己研修という形で昨年中学校教員が1人行っておるという実績がございます。もしまたJICAから募集要項等が送られてくれば、各学校には通知したいと思います。

◯18番 高田 浩議員 JICAは、厚木市に限らず、ご自分たちが行っている、事業がなかなか知られていないということに、いわばジレンマを感じているように私は話を聞いて感じました。
 話は違いますけれども、私はことし幾つかの厚木市内の学校と相談した結果、上荻野小学校と厚木中学校にオーストラリアの外交官、荻野小学校と湘北短期大学にケニアの外交官に行っていただき、授業をしていただきました。厚木市から将来人材を輩出するためにも、JICAのプログラムにも着目してほしいと思っております。
 その1つを紹介いたします。JICAは、国際協力中学生・高校生エッセイコンテストを毎年行っております。開発途上国の現状や開発途上国と日本との関係について理解を深めて、国際社会の中で日本、そして自分たち一人一人がどのように行動すべきかを考えることを目的としているようです。中学生の受賞者は、2001年にはベトナム、2011年にはマレーシアへ研修旅行に行っております。国際協力中学生・高校生エッセイコンテストも厚木市内に広く周知してはいかがでしょうか。

◯杉山繁雄学校教育部長 毎年依頼を受けている制度以外にも教職員が対象となる制度があって、派遣で教員としての能力、資質が向上するようなことが期待できるのであればぜひ学校にも通知していきたいと思いますし、また今、国際協力中学生・高校生エッセイコンテストとございましたけれども、そういうこともあわせて通知する形を考えていきたいと思います。

◯18番 高田 浩議員 JICAは実は学校向けのプログラムを多数用意しております。年度前の1月か2月、あるいは7月か8月など最適なタイミングを考えて、JICAと小・中学校の校長会に相談した上で、校長会の場でJICAから話を聞く場を設定してはいかがでしょうか。

◯杉山繁雄学校教育部長 先ほど申しましたように、教員の資質向上、あるいは子供たちの教育のプラスになるのであれば考えていきたいと思います。

◯18番 高田 浩議員 日本各地の自治体で実際に行われている草の根技術協力・地域提案型というのがあるのですが、その中から、厚木市でもこれはできそうかなと思えるものを幾つかご紹介いたします。
 まず、保健指導です。生活習慣病予防対策における保健指導及び教育普及の技術支援という事業があります。自治体から派遣した専門家による現地の実態調査を行い、受け入れ研修員による日本における指導員育成方法の技術習得をしてもらいます。生活習慣病予防の知識や技術指導を十分に習得し、現地の実情に合った生活習慣予防対策事業を企画、立案、実施、評価できる体制を確立することが目的だそうです。
 これなら厚木市も可能かと思いますが、1度JICAから話を聞いてみてはいかがでしょうか。

◯石井 勝市民健康部長 今、高田議員がご提案のJICAの地域提案型での保健事業の事例につきましては、愛知県健康づくり振興事業団が実施した中国の河北省石家荘市での事例については承知しております。今議会でも議題になっておりますが、厚木市については保健師が非常に厳しい状況もございますが、この提案事業につきましては、今後制度の内容を十分確認させていただいて、国際協力について参考にさせていただきたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 次は、厚木市立病院です。病院内の体系的な看護師・助産師教育プログラム導入プロジェクトや地域に根ざした院内感染対策活動推進プロジェクトという事例があります。相手国からは事業の進捗に合わせた研修員の受け入れを行う一方で、日本からは短期間専門家の派遣を行います。これも厚木市立病院でも今後参考にできるかと思いますが、JICAから1度話を聞いてみてはいかがでしょうか。

◯杉田則夫病院事業局長 神戸市立医療センターで、ベトナムのダナン市との研修の受け入れ、派遣等を行っているという事例をお聞きしたことはございますけれども、現在ご承知のように、新病院に向けて現地の建てかえ作業を進めている。それに伴って大幅に看護師、医療技術職の増員を図らなければならないという状況がございますので、この段階で研修の受け入れ、派遣は非常に難しい状況ではございますが、新病院完成後、体制が整った段階では研究課題とさせていただきたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 先ほども冒頭で少し触れましたが、人口が3万4000人弱の鹿児島県志布志市が南太平洋のフィジーを対象に現在実施中の志布志市ごみ分別モデルの推進事業というものがあります。廃棄物の分別、あるいは収集運搬、処理のシステムを確立して、その成果がフィジーのみならず、ミクロネシアやソロモン、あるいはバヌアツに波及させることを目的としているそうです。
 また、人口が12万4000人の福岡県大牟田市でも中国の山西省の大同市における資源循環型環境教育事業を実施しております。専門家派遣及び研修員受け入れ事業を行って、課題分析、技術指導、セミナー開催、モデル校、モデルコミュニティ導入などを行って、資源循環型社会構築のためのリーダー育成、リサイクル技術導入、市民生活モラルの向上、環境保全ネットワーク設立などを図ることが目的とされているそうです。
 これも厚木市でも十分参考になるかと思いますが、1度JICAから話を聞いてみてはいかがでしょうか。

◯長嶋一樹環境農政部長 今、高田議員が挙げられました国々に職員の派遣ということは今は判断がつきませんけれども、研修員の受け入れにつきましては、JICAの事業の内容によりまして、技術の取得などある程度期間を要するものと、環境施設の視察やごみ処理計画などの説明など、比較的1日で実施できる事業があるようですが、受け入れ期間を要する研修となりますと、研修日程や指導者の選出など、受け入れ体制を整える必要がございますので、研修の内容などにより、判断するようになってくると思います。
 また、短期的に行われます環境センターや資源化センターの視察研修につきましては、現在でも他の自治体や学校などからも受け入れを行っておりますので、協力はできるのではないかと考えております。

◯18番 高田 浩議員 研修の内容というのはこちらが提案するものですので、無理のない範囲でできるはずであります。
 次は、下水道の人材育成の事業です。メキシコやラオス、ベトナムなどを対象にJICAでは実績があります。例えば福岡県北九州市は現在ベトナムを対象に、ベトナム国ハイフォン市における下水道事業推進のための人材育成支援事業として、マスタープラン作成やポンプ場などの適切な運営、あるいは維持管理の指導を行っています。
 これらを参考に厚木市でもできることを模索する、JICAから話を聞くことはできると思いますが、いかがでしょうか。

◯櫛田正夫河川みどり部長 今回、JICAの件につきましては、高田議員から質問をいただきましていろいろと調べた経過がございます。先ほども総務部長からお答えしておりますので、研修等をした中で、どの部分で下水道事業の中で協力できるか、その辺を今後検討させていただきたいと思います。

◯18番 高田 浩議員 厚木市にはさまざまなボランティア団体があります。ボランティア団体の会合などでJICAの取り組みを話してもらう場を設定するとさまざまなプラス要因があるかもしれません。いかが思われますか。

◯加藤 毅市民協働推進部長 JICAの取り組みのご紹介という質問だと思いますけれども、本市からもJICAを通じて海外ボランティアに多くの市民の方が派遣されております。青年海外協力隊、またシニア海外ボランティア、合わせますと67人の市民の方が海外にボランティアで行かれております。
 高田議員がおっしゃるように、こういう方々の体験談、JICAの取り組みをボランティア団体の総会、会合のときにお話を聞かせていただくことはできると思います。また、これによって本市の市民活動団体の活性化にもつながっていくと考えておりますので、またその辺は調整をさせていただきたいと思います。

◯18番 高田 浩議員 途上国へ販路拡大などの海外進出を希望する企業が厚木市にある場合、JICAが市場調査などでバックアップするプランもあるそうです。
 例えば厚木市はJICAと厚木商工会議所との仲立ちができるポジションにあります。まず厚木市はJICAからその件も含めて話を聞いてみてはいかがでしょうか。

◯森下俊春産業振興部長 厚木市内の企業の発展につながるような案件であれば、厚木商工会議所などと調整してそういうことも進めさせていただきたいと思います。

◯18番 高田 浩議員 では次に、文化政策についての質問に移ります。
 まず、厚木市文化会館のことです。厚木市文化会館において、ことし1月から12月にかけて自主事業を何回行われたでしょうか。

◯加藤 毅市民協働推進部長 厚木市文化振興財団の本年1月から12月までの自主事業でございますけれども、演劇や音楽を通じて劇場をみずから創造発信する厚木シアタープロジェクトという事業がございますが、この公演を7回開催しております。また、将来の文化の担い手を育成するあつぎ舞台アカデミーを年間36回開催しております。そのほか、自主事業の公演といたしましては、厚木ジャズ祭、松竹大歌舞伎、ディズニー・オン・クラシックというものがございまして、延べ11回開催しております。また、市内の小学校、中学校にプロの音楽家を派遣する、子供たちが本物の音楽を鑑賞、体験する出前コンサートを小学校で5校、中学校で2校、計7校開催しております。
 またさらには、神奈川県内最大規模の公募美術展でございます神奈川県美術展を毎年10月中に約2週間ほど厚木巡回展として厚木市文化会館で開催しております。

◯18番 高田 浩議員 今私がお聞きした自主事業ですけれども、今答弁なさった厚木シアタープロジェクト、あつぎ舞台アカデミーなど以外で、それこそ業者が持ってきた企画ではなくて、職員みずからご自分たちのアンテナと行動力で行った厚木市オリジナルの自主事業は何件ありますか。
 私が申し上げているのは、1つ実例を申し上げますと、例えば山口県山口市でことし11月にあったのですが、日本初の演劇をベルギーから引っ張ってきました。文化庁からもきちんと助成金をもらっておりまして、ベルギーなのになぜかブリティッシュ・カウンシルからも助成金を受けております。
 そのように、自分たちの行動力とアンテナで行った自主事業はことし何件ありますか。

◯加藤 毅市民協働推進部長 現在のところ、厚木市オリジナルの事業は特にございません。

◯18番 高田 浩議員 厚木市文化会館で実施している厚木シアタープロジェクト事業につきましては、厚木市の補助金を初め、市民応援団が協力しながら取り組んで演劇をするすばらしいものだと思っております。しかしながら、ほかにも市民によるさまざまな文化芸術活動のグループがありますので、そちらにも目を向けていただく必要があるのではと思っております。今後、特定の活動にとらわれることがないように、幅広い支援をしていただきたいと要望いたします。
 先ほど山口県山口市の例を申し上げましたが、横のつながりを幅広く持つアイデアと行動力を持った職員、つまりとんがった文化担当職員が複数いて、その発想を許容する体制が必要です。この2本立てが極めて重要であります。厚木市の文化行政における現状と今後について見解をお尋ねいたします。

◯加藤 毅市民協働推進部長 現在、厚木市文化振興財団におきましては事業の担当職員が3人おります。このうち2人の職員につきましては経験もございますし、専門的な知識も有しておりますので、すぐれた事業の実施に向けて積極的に取り組んでおります。今後につきましても、さらに魅力あるすぐれた事業を実施するため、より一層職員のスキルアップが求められておりますので、研修の参加やネットワークづくりを通して情報収集などを行い、文化行政に生かしていくことが必要と考えております。
 また、厚木市といたしまして、厚木市文化振興財団への助言や指導を初め、さらに連携を深めながら、魅力ある事業展開ができるよう取り組んでいきたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 とんがった職員と、その発想、行動を許容する体制、この両方が重要ですので、ぜひこの点は意識していただければと思います。
 9月議会でも取り上げました文化芸術を観光の振興策につなげることについて見解をお尋ねいたします。
 中心市街地の空き店舗を利用した芸術祭を始めることにした他市の事例があります。大分県別府市では、ことし3年に1度の芸術祭と毎年市民が行う芸術祭を2カ月間同時開催、組み合わせて相乗効果をねらって実施しております。聞いたところによりますと、県外からの観光客は、主に一番多いのが福岡県福岡市、あるいは東京都、大阪府から来るそうです。運営体制は市がバックアップしている一方で、完全な民間主導です。その運営主体であるNPOにはブランド化の能力もあるとお見受けいたしました。
 市外から観光客を呼び込む手法について厚木市は今後そのような仕掛けをするお考えがあるか見解をお尋ねいたします。

◯加藤 毅市民協働推進部長 本市の文化芸術の振興を図る上で主要な事業でございます市民文化祭と野外彫刻造形展につきましては、今年度、事業をつなげて一体感を持たせることで相乗効果を高めて開催したところでございます。
 このような取り組みによりまして、まちのにぎわいづくりに結びつけて、市内外から観光客を呼び込む1つの手法として、新しい文化芸術の創出に発展させてまいりたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 産業振興部長からは何かコメントがありますか。

◯森下俊春産業振興部長 文化芸術の要素を取り入れました観光振興事業につきましては、本市の観光施策の展開の中で大いに期待できる分野だと考えております。
 今、中心市街地というお話もございましたが、中心市街地では、あつぎ鮎まつり、にぎわい爆発あつぎ国際大道芸、あるいはあつぎジャズナイト、さまざまなイベントが展開されております。そういうイベントと市民文化祭などの文化事業を新しい感覚で複合的に開催いたしまして、文化芸術の要素を観光振興の中に生かした展開を研究させていただきたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 次は、庁内マネジメントの質問に移ります。
 マネジメントの支え手という側面からまず質問をいたします。職員の専門性についてなのですが、まず法制と情報システムを事前に申し上げます。法制を担う職員には判断力や政策立案能力だけでなく度胸が必要だと私は思っております。職員を鍛える、場数を踏んでもらうことが重要です。また、私の提案により厚木市では市のサーバーの統廃合を実施しており、3年間で5億円の予算が浮く結果となったことは2月議会で答弁を得ております。
 しかしながら、コンピュータについて私を超えていると思わせる職員は、市長部局も教育委員会も極めて限られます。ちょっとしたコンピュータの話をしただけでも、担当職員の頭の上にはクエスチョンマークが100個ぐらい浮かんでいるような様子が見てとれます。だとすれば、特定の職員にどれだけ過重がかかっているのでしょうか。市職員に専門領域を持ってもらう、つまり市職員を育てる人事制度のマスタープランを作成してはいかがでしょうか。

◯柿島憲一総務部長 職員の育成につきましては、厚木市人材育成基本方針を制定してございまして、これに基づきまして、幅広い分野における知識、能力を発揮する職員の育成に努めてございます。それとともに、専門的な知識、経験の必要な職場等もございますので、そうした部分につきましては、職員の意向、あるいは研修の成果を考慮いたしまして、なるべく同一部署への継続的な配置によりまして、専門的な能力を発揮する職員の育成に努めております。また、高度な専門的な知識、技術を習得するためには、外部の研修機関に派遣するということも行っております。
 それとともに、特に法務、情報システム、まちづくりにつきましては、現在、任期付職員ということで、法務専門監、情報専門監、まちづくり専門監という形で配置をしてございまして、日常業務の執行の中でも知識習得が進められるように配慮を行っているところでございます。今後につきましても、これらの取り組みをさらに充実させてまいりたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 大変細かい話なのですが、メモのとり方や報告の仕方について、個人の資質に頼るのではなくて、職員研修により共通認識を持ってはいかがでしょうか。
 私個人の事例で申し上げますと、9月議会と12月議会において一般質問前に職員がヒアリングを求めてきて、その報告、あるいはメモが結果として上司に不必要な心配をもたらしたことがありました。今後の方針をお尋ねいたします。

◯柿島憲一総務部長 メモにつきましては、情報、要望を正確に把握する上で非常に基本的な部分で重要であると認識してございます。また、メモをとる場面、あるいは内容もさまざまでございますので、間違いがないように、複数で聞いた場合には内容を確認することが必要であると考えてございます。
 いずれにいたしましても、正確な情報ということにつきましては、判断をしていく場合に非常に重要な要素となってまいります。そうしたことから、今後におきましては、そういう誤りがないように研修等で徹底してまいりたいと考えております。

◯18番 高田 浩議員 余り言うとだれの話か特定されてしまうのではっきりは申し上げませんけれども、メモは正確だったかもしれませんが、余計な私見を入れて、上司が不必要な心配をしたということが9月議会と12月議会でありました。
 市長と副市長にお尋ねしたいのですが、市長は、市長と副市長との役割分担で重視している原則は何かありますか。

◯宮台 功副市長 役割分担でございますけれども、先ほど市長の役割につきましては市長が登壇で答弁をいたしておりますから、そのとおりでございます。また、私、副市長の役割分担の関係につきましては、地方自治法第167条第1項に明確に規定されておりますように、市長を補佐し、市長の命を受けて政策及び企画をつかさどり、さらに補助機関である職員に対して明確に指揮監督を行うということで、そのことに邁進してまいりたいと考えております。

◯小林常良市長 役割分担も含めてですが、私は、最終決断をするのと同時に、そのことへの責任を全面的に負っていく使命を持っている。これが市民福祉の向上につながる。ここが大事な部分かと思います。

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