アカハライモリに今日はサシバ
(仮称)健康こどもの森・開園前後の課題
生物多様性の経済的価値を視野に入れることは、21世紀の潮流です。厚木市に従来いなかったサルやヤマビル、シカ、イノシシはどこから来たのでしょうか。この里山に公園を作る結果を予測することも視点の一つです。
①施設、②ガイド、③プログラムは、人気のある公園作りには欠かせない3要素。その前段階として、④動植物のリストアップ、⑤保全設計も欠かせない要素でしょう。計画地にはアカハライモリ(絶滅危惧Ⅰ類)が生息。今日(2013年6月19日)は、地上にいるサシバ(絶滅危惧Ⅰ類)を観ました。
本日を以て、「絶滅危惧Ⅰ類の両生類」としていた記述を「アカハライモリ」と明記します。私はある照会を受けたことを機に、県にアカハライモリとの明記について見解を求めたところ、OKとの回答でした。マニアによる採集よりむしろ、保全計画なしの方が影響が大きいとの見立ては一致したかのようにも感じました。
4M幅の道路と管理棟建設工事中、この湿地エリアはどうなるのでしょうか? 保全策なしに車両が乗り入れて工事を行えば、その人為的影響により両生類、爬虫類、魚類などはその時点で大打撃もしくはアウトでしょう。
22時頃、再度訪れると、ホタルを5匹観ました。6月16日は1匹でした。生物多様性ホットスポットです。名前が挙がった動植物だけを探す思考になりがちですが、「里地里山保全促進条例の制定」や「厚木市版レッドデータの作成」を行う方針の厚木市。この公園計画は、生物多様性あつぎ戦略に魂が入るかが試される場です。
概要版によると、小川の真横に管理棟を建設する予定です。小川は湿地エリアの生命線。ゴミや外来種や化学物質などが持ち込まれる状況が目に浮かびます。あえて直球で言えば、現時点では「都市公園の発想 + コンサルに丸投げ」で、生物多様性の視点が希薄なのではないかとも思えます。今からでも遅くありません。環境調査と保全計画立案をお勧めします。
施設 | 「日本一の長さ」が売りの滑り台もいいが、空中回廊に300M以上のキャノピーウォーク(吊り橋)を併設した方がワクワク感もあり環境負荷も少ない。子どもが「また歩きたい!」と思えるスリリングな揺れが楽しめる構造にする。 |
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ガイド | 動植物のうんちくや図鑑の記述をそのまま聞かされても楽しくない。自然の中を一緒に歩き会話のキャッチボールをしながら、「楽しい空間を作れるガイド」の養成が最も重要。 |
プログラム | 楽しいガイドの他に、①間伐など作業系 ②季節に応じる ③夜間(ホタル・シカ・昆虫など)を加えることが望ましい。 |
公園開園後、特にガイド(ネイチャー・インタープリター)の役割が重要。どのようなガイドがいるかにより、「またあの公園に行きたい」ともなり得ます。ガイド1人に参加者20人のガイドウオークに参加したことがあります。森林の中で、女性ガイドが「今の時期(5月)は、シカの角がとれる時期で~す」などと述べた後、左右のシカの角を探すゲームとなりました。見付けたら「あった!」などとは言わずに、そ~っとガイドにハイタッチするルール。子どもは夢中となり、大人は童心に戻った楽しい時間でした。自然に接し、ワクワクするsense of wonderが刺激される公園となるよう、私は政策提案を行っていきます。
那須平成の森 自主調査 on 4月 5月 6月 国営アルプスあづみの公園 環境調査費0円