スマートフォンでも利用できる外来生物画像投稿システムの運用開始は2015年8月の予定です。2014年6月議会における提案が予算化されました。外来種以外にも、道路補修、災害、落書き、不法投棄など、用途はアイデア次第です。
また、用途の広がりを念頭に、直感的に判り易いネーミングがされることを期待しています。(追記:2015年7月1日)
2014年6月議会一般質問
☆GPSを利用した動植物分布マップを作成してはどうか
高田 GPSを利用した動植物分布マップの作成については、市民参加の具体的な仕掛けになるとともに、参加する平均年齢がぐんと下がり、さらに紙ベースからの転換などの効果も期待できる。作成を検討してはどうか。
小林市長 市民協働による情報収集の有効な方法と考えられるため、今後、技術的側面や運用面の課題も含め、関連機関などと連携をとりながら導入を検討していく。
☆ 外来種対策
高田 オオキンケイギクなどの外来種対策について、今後の取り組みは。
小林市長 生物多様性あつぎ戦略において、特定外来生物は生態系に被害を及ぼす恐れがあるため、地域住民や事業者と連携して駆除活動に取り組み始めている。今後は、地区市民センターなどと連携し、市民協働による特定外来生物の防除を全市的に推進する。
☆ 生物多様性あつぎ戦略
高田 神奈川県内で生物多様性地域戦略があるのは横浜市と厚木市だけだが、生物多様性あつぎ戦略の策定に至った経緯は。
環境農政部長 平成20年5月に生物多様性基本法が制定され、その年の9月定例会には、高田議員から法律を生かす具体的な対策として、市民有識者会議の設置が提案された。そういった関係から、22年度に生物多様性地域戦略検討委員会を設置し、本市の生物多様性に関する課題や取り組み方を審議するとともに、アンケート調査やパブリックコメントなどを実施した上で24年度に策定した。
★以下は、質疑全文です★
5月29日、荻野中学校生徒25人により、特定外来生物オオキンケイギク駆除が行われました。新聞やテレビでも報道されましたので、ご存じの方もいるかと思います。中学生や自治会代表者のインタビューシーンもありました。今週1週間、ケーブルテレビのニュースにもなっております。これは、実施するまでにかかわった全ての大人が新しい課題に積極的だったからこそ、実現に至りました。私に教えてくださった厚木市民を初め、地元の自治会長、地域の自治会連絡協議会、環境政策課、荻野中学校にお礼を申し上げたいと思っております。
オオキンケイギク駆除について、私は昨年9月定例会で取り上げましたが、それに先立つ昨年5月、オオキンケイギクの写真を市内のあちこちで撮りました。それらを私のホームページに載せた上で地元自治会長を訪ねました。私の自宅周辺にも見受けられたためであります。私としては、翌年の課題にしていただければと思っていたところ、その自治会長の動きには驚かされました。まず、自治会エリア内で咲いている場所を特定し、あっという間に駆除しました。続いて、昨年5月末、地元自治会連絡協議会で報告してくださったため、多くの自治会長の皆さんにも理解いただき、駆除していただいたそうです。この動きがことしにつながりました。
私としては、4月末に環境省を訪問するなどの下準備を整えた上で5月29日を迎えました。5月29日には、生徒たちが楽しくオオキンケイギクの駆除を行う準備としてネイチャーゲームを実施しました。ネイチャーゲームとは、自然への気づきなどを目的とした参加者主体のゲームです。公園の中で人工物を探すゲームが行われました。生徒たちに好評なようでした。駆除だけでは労働になります。この種のイベントはいかに楽しくするかがポイントです。私は、このネイチャーゲームを取り仕切ってくださった人にもお礼を申し上げたいと思っております。
オオキンケイギク駆除、プラス報道は、西日本にはあるものの関東では見当たらないと私は昨年より気がついておりました。今回の荻野中学校生徒25人らによるオオキンケイギク駆除は、厚木市から発信した関東初の報道となったようであります。
ところで、スマートフォンにも内蔵されているGPSを利用した動植物分布マップを作成してはいかがでしょうか。紙ベースからの転換であり、コンピュータ技術と生物多様性の融合であります。インターネット上の地図にピンを立て、写真やコメント、日付を書き加えることは、手順さえ知れば予算もかからず簡単です。私は既にインターネット上の無償地図にオオキンケイギク厚木市内分布マップを作成し、公表もしております。スマートフォンには大概GPS機能がついています。市民が気軽に調査員として参加でき、専門家による種の確認にも役立ちます。参考事例としては、環境省いきものログ、しずおかみんなの「しぜんたんけんてちょう」、とくしま・スマホ生きもの調査隊、北海道黒松内町、いきモニくろまつないなどがあります。
生物多様性あつぎ戦略は、厚木市の地域特性に応じた個性ある戦略に発展してほしいと思っております。また、生物多様性、プラスコンピュータ技術により全国的な先進事例の立場を築くこともできます。明快な答弁を期待しております。
◯川口 仁議長 市長。
◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、生物多様性あつぎ戦略について、GPSを利用した動植物分布マップについて、作成を検討してはどうかとのお尋ねでございますが、平成24年度に策定した生物多様性あつぎ戦略においては、基本目標の1つとして、自然環境の重要性を伝える取り組みを掲げており、その行動戦略に生き物に関する調査の推進を位置づけております。
スマートフォンなどに内蔵されているGPS機能を利用した動植物分布マップの作成につきましては市民協働による情報収集の有効な方法であると考えられますので、今後、技術的側面や運用面の課題も含め、関連機関等と連携をとりながら導入を検討してまいります。
次に、オオキンケイギク等の外来種対策について、今後の取り組みはとのお尋ねでございますが、オオキンケイギクにつきましては特定外来生物に指定されており、近年、本市の河川敷や空き地などで生育が確認されております。
生物多様性あつぎ戦略において、特定外来生物については、生態系に被害を及ぼすおそれがあるため、地域住民の皆様や事業者の方々と連携して駆除活動に取り組み始めたところでございます。今後につきましては、地区市民センター等と連携し、市民協働による特定外来生物の防除を全市的に推進してまいります。
次に、今後の方向性について、実効性を持たせる方策はとのお尋ねでございますが、さまざまな生き物が存在し、互いに支え合うことにより私たちの暮らしや社会が成り立っているという生物多様性の考え方につきまして、市民の皆様を初め、事業者の方々へ普及啓発することがより実効性を高めるために重要であると認識しております。
また、生物多様性あつぎ戦略に掲げております施策等の実施に当たりましては、生物多様性に配慮した視点で検証するシステムを検討してまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 ご答弁ありがとうございます。生物多様性地域戦略を持つ、あるいはこれから策定しようとする地方自治体の担当部署は、予算、人員、情報の3つで苦労しているようであります。生物多様性地域戦略はさまざまな部署に波及します。神奈川県内では、現在において生物多様性地域戦略を持つのは横浜市と厚木市だけです。生物多様性あつぎ戦略の策定について、どのようなプロセスを経て策定に至りましたか。
◯栗原幹夫環境農政部長 生物多様性あつぎ戦略策定の経過についてというご質問でございますが、平成20年5月に生物多様性基本法が制定になりまして、その年の9月定例会におきまして、今回ご質問いただいております高田議員から、法律を生かす具体的な対策として市民有識者会議を設置したらどうかというご提案をいただきました。
そういうご提案の内容、あるいは制定されました法律の趣旨を受けとめまして、平成22年度に有識者や関係機関で構成する厚木市生物多様性地域戦略検討委員会を設置させていただきまして、本市の生物多様性に関する課題などを顕在化させながら、またどのような取り組みをすべきかご審議いただきつつ、アンケート調査、パブリックコメント等も実施いたしまして平成24年度末に策定したものでございます。
◯18番 高田 浩議員 生物多様性あつぎ戦略は、それなりの人口規模がある自治体にありがちな環境部のための環境戦略になっていませんか。私は、議会でこれまで何度か、地方の市役所なり町役場なりに行くと必死さを感じるということを述べたことがあります。人口規模が小さい自治体で生物多様性地域戦略を持つ例を見てみますと、例えば、エコツーリズムの視点を入れているとか、観光客を呼び込む意識をかいま見ることができます。
生物多様性あつぎ戦略について、環境農政部は現在、環境農政部以外の幾つの課と調整を図っていますか。
◯栗原幹夫環境農政部長 高田議員がご指摘のとおり、生物多様性の本質については環境だけの問題ではなく、やはり全体にかかわるものだと思っております。持続可能な社会をつくっていくため、基盤となる自然環境が多様であることは重要なことなのですが、これ以外にも人口構成とか、ライフスタイルや教育、エネルギー、あらゆる分野でバラエティに富んだことが重要であると考えております。
したがって、どのような課と調整ということですが、直接自然環境保全にかかわる森林、里山、河川、公園など、こういう課は当然でございますが、教育、文化、福祉、コミュニティ形成などにもかかわってまいりますので、全庁的な取り組みとして生物多様性を浸透させていくべきと考えてございます。
◯18番 高田 浩議員 どこの自治体でも動植物の生育、育成データの整備は課題の1つであります。データの賞味期限は5年が限度です。どんなに小さなデータでも構いませんが、厚木市は何らかの動植物の生育、育成データを持っていますか。
◯栗原幹夫環境農政部長 この地域戦略をつくったときも厚木市郷土資料館等にはご協力をいただいているのですが、厚木市郷土資料館では、約6万件の市内の動植物の生育、生息状況のデータ、記録を所有していると伺ってございます。
◯18番 高田 浩議員 その6万件というのは過去5年のデータですか。
◯山田茂穂社会教育部長 6万件のデータにつきましては、当初厚木市郷土資料館では、平成5年から基礎資料の調査という形で始めておりまして、その後平成10年、また最近5年以内では約2000件ほどのそういうデータも追加したいという形で行っております。
◯18番 高田 浩議員 動植物の生育、育成データというと希少種だけを対象にしがちです。しかし、生き物にはつながりがあります。対象は広く考えたほうが好ましいです。一方で、データ収集は行政や専門家だけでは限界があります。したがって、市民と広くつながりを持つことが大切ですが、いかが思いますか。
◯栗原幹夫環境農政部長 情報の蓄積という点につきましても、その情報の種類、調査の主体、調査の方法なども多様であることが重要であると考えておりまして、市民の皆様とのつながり、市民協働で取り組んでいくことが重要であると考えております。
◯18番 高田 浩議員 生物多様性あつぎ戦略は、厚木市の地域特性に応じた個性ある戦略に発展してほしいと思っております。生物多様性に関する厚木市の地域特性をどのようにお考えですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 厚木市は、市民意識調査等でも都市と田舎の二面性のあるまちという評価をいただいている状況がございます。実際によく聞く話ですが、厚木市の市域は3分の1が山地、森林で、3分の1が市街化調整区域、里地里山、農地などでございます。それから3分の1が住宅地を中心とした市街地という状況でございますので、大山から相模川にかけて広がる多様で特徴ある地域になっているのだろうと考えます。そういう中で、山地や里地里山、河川におきましては多様な自然環境の保全と再生、市街地におきましては緑化の推進や連続性の確保など、その地域特性に応じた環境や生物に優しいまちづくりを推進していく必要があると考えております。
したがって、有識者で構成する生物多様性地域戦略検討委員会でこの地域戦略を検討していただいたわけですが、そういう地域特性を見ていただいたところでございます。
◯18番 高田 浩議員 生物多様性あつぎ戦略を策定し、大事にしたい地域特性、あるいは解決したい課題は何ですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 ただいま申し上げましたとおり、厚木市には山があって、川があって、里地里山があって市街地がある、そういう多様な顔を持っております。現在、生物多様性あつぎ戦略に沿って、昨年12月には、ご審議いただいて厚木市里地里山保全等促進条例を施行しておりますが、この条例に基づきまして、耕作放棄されている農地の有効活用とか、また、先ほどもご紹介のありましたオオキンケイギクなどの外来種の対策、あるいは希少種の調査など、いろいろな課題の解決に向けて着手をしているところでございます。
多様な顔があるという地域特性を持続させていくためには、里地里山の活性化、森林の再生、市街地の緑化など、その場所の地形や自然環境を生かしたまちづくりを進めていくことが大切であると考えております。そのようなことによりまして個性あるまちが形成されていくと考えております。
(太田洋議員復席)
◯18番 高田 浩議員 行動計画の時期は2013年から2020年、そして2020年から2050年の2つに分けられています。2020年から2050年において農業が活性化し山林も手入れされ、多様な動植物が生育・生息しており、また都市化が進む市街地の緑化が推進され、公園でも多くの動物や植物に触れ合える状態となりますと書かれています。
2050年というのは36年後です。大学生でしたら、就職してからそろそろ定年が見えてくるような時期でもあります。それまでの年単位の行動計画はどのようにお考えですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 生物多様性あつぎ戦略は2050年と長期に見てございますが、2020年から2050年にわたる年単位の行動計画というものは特に定めてございません。本戦略の将来像「未来へつなげよう 自然のめぐみと暮らすまち あつぎ」でございますが、これは2050年に向けたものとして設定してございます。生物多様性の状態を現実以上に豊かにしていくことが目標でございまして、基本目標の大山から相模川に広がる多様な自然環境の保全と再生、過去から未来へつなげる情報の蓄積、自然環境の重要性を伝える取り組み、これらの実現に向けて個々の具体的施策を着実に推進していくことが重要であると考えてございます。
年単位の行動計画は特に定めていないというお話をさせていただきましたが、あつぎ元気プランの基本計画、実施計画も2020年までの計画づくりということでございまして、生物多様性あつぎ戦略の年単位の行動計画についても、2019年あるいは2020年の時点での成果の検証を行って、その時点での状況を踏まえて課題などの整理を行った後に検討していくのかと考えてございます。
◯18番 高田 浩議員 生物多様性あつぎ戦略にはもう少し数値目標を入れてもよろしいのではないでしょうか。34ページには行動戦略として、森林の維持管理の推進や厚木産木材の活用促進などの記述があります。それぞれ推進しますとあります。具体的にはどのようにお考えですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 先ほども将来像、基本目標について少し申し上げました。そういうことに基づいて、行動戦略に位置づけられる具体的施策で戦略全体は構成されておりまして、これらを推進していくものと考えております。
ご指摘のとおり、本戦略自体には数値目標の設定はしてございません。しかしながら、今ご紹介のあった森林の維持管理の推進、厚木産木材の活用促進につきましては、元気な森づくり整備計画とか、厚木市公共施設における木材の利用の促進に関する方針というものを定めまして、その成果を検証しつつということでの進行管理になります。また具体的には、総合計画の実施計画の中では、各事業として事業量等も設定してございます。
そうは申しましても、お答えさせていただいたとおり、数値目標は設定してございません。ただ、この戦略全体の中で5年ごとに見直しをすることになってございますので、ご指摘の本戦略の数値目標ということについてもその際に検討してまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 推進体制と進行管理として、42ページ以降に、市民の役割、事業者の役割、市民団体等の役割、市の役割があります。自治会や担当課まで明記してある自治体の例もあります。行動計画の具体化はどのように進めますか。
◯栗原幹夫環境農政部長 いろいろな施策を実施するということで考えてみましても、市にとってはいろいろな役割がございますし、市民の皆さんにもそれぞれ役割があるということで、生物多様性あつぎ戦略推進委員会というものを立ち上げて、生物多様性あつぎ戦略の点検、評価、あるいは推進のためのいろいろなご意見等をいただいているわけですが、今ご指摘の市、市民、事業者、市民団体等の役割の具体的な行動計画を示せるように、今後検討してまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 政策部長に伺います。GPSを利用した動植物分布マップ作成について、情報政策部門から見た見解についてであります。
インターネット上で稼働している位置情報サービスや環境省のいきものログなどの仕組みを活用してGPSの機能からデータを収集する、このような手法を用いれば動植物分布マップのための情報収集は比較的簡単に実現できます。さらに、GIS、地理情報システムとデータを重ね合わせることによって完成度を高める方法や専用サイトをつくる方法もあります。これらに対する見解をお尋ねいたします。
◯葉山神一政策部長 ご提案の件に関してでございますが、現在はGPS機能のついたスマートフォン、携帯電話をお持ちの方が非常にふえておるのは承知しております。それらを利用しまして、写真とか位置情報をインターネット上で閲覧可能な地図に反映することにつきましては技術的には確立されていることを確認しております。したがいまして、これは既にさまざまな目的で利用されておりますので、高田議員がお話しされているようなご提案につきましても実現は可能であると認識しております。
ただ、実施に際しましては、運用コスト等の面もございますので、これらにつきましては、まず目的に合った手法を用いること、それから、情報提供される方にとっては使い勝手のよい方法を設定することが大切だと考えておりますので、これは関係部署等と十分な協議が必要であるという認識を持っております。
◯18番 高田 浩議員 GPSを利用した動植物分布マップを作成すると、市民参加の具体的な仕掛けとなる、あるいは参加する平均年齢がぐんと下がる、また情報の具体的整備、そして紙ベースからの転換、またほかの部署との連携が図られるという効果が期待できます。そのほかの効果として、種の分布情報のみならず、分布予測や拡大予測により、宅地、森林、水田、畑などの土地利用にも活用できます。いかがですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 今、政策部長から十分可能性があるというお話もございました。そういう形で、市民の皆様の協力、市民協働により動植物マップを作成していくということについては生物多様性を推進する上でもまたさまざまな効果が期待できますので、大変有効であると考えています。
また、そこで得られた情報につきましては、生物多様性あつぎ戦略の推進、あるいは厚木市の保存等の取り組みに活用を図ってまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 インターネット上の地図では、参加者を限定した上で希少種情報は非公開の設定が可能です。こうした手法についていかが思いますか。
◯栗原幹夫環境農政部長 希少種の情報というのはやはり限られた中での利用になると思います。そういう意味からも、明確なルール、あるいは運用、監視が必要になってくるのかと考えております。
◯18番 高田 浩議員 GPSを利用した動植物分布マップを作成したら、市内の環境団体のイベントや国の助成金、財団の助成情報を市民に知らせることも考えていただきたいです。いかがですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 今、高田議員のお話しになった市内の環境団体のイベント情報、あるいはいろいろな団体にも交付されるような国の助成金、財団の助成情報につきましては、市民の皆様にとりましても必要な情報であろうと考えられますので、こういう情報提供の方法についても検討してまいりたいと考えます。
◯18番 高田 浩議員 公共施設における外来種の調査、駆除も行っていただきたいと思っております。オオキンケイギクに限って言えば、6月中旬には確認完了とすることが望ましいです。マスコミの報道により市民の認知度も上がったかと思われますが、オオキンケイギク、その他外来種について厚木市による今後の取り組みについてお話しいただけますか。
◯栗原幹夫環境農政部長 公共施設内における外来種、特に今回もテーマになっておりますオオキンケイギクにつきましては、5月末に公民館の職員の皆さんを初め、庁内の職員に対して周知をさせていただきました。その中で、施設を管理する所管課において、施設内や管理地にオオキンケイギクが生息している場合には駆除について依頼し、順次処理していただいているという状況です。
オオキンケイギク以外の外来種、特定外来生物につきましては、植物、あるいは動物、魚類など多種に及びますが、市民協働で防除に取り組んでいくことを基本的なこととして考えていきますと、やはり市民の皆様にとって識別しやすく、身近に存在する特定外来生物の駆除等を通年で行えるようなことが必要かと思います。そういうことについて専門家のご意見もお伺いしながら検討してまいりたい。
地域におきましては美化活動の一環、企業や事業所においてはCSR活動の一環として、また学校や家庭においては環境学習としてそういう取り組みをしていただければと考えます。先ほども高田議員がお話しされていましたが、それぞれの駆除活動に楽しく参加できるような遊び感覚を交えたメニューづくりというものも効果的であろうと考えております。
◯18番 高田 浩議員 学校教育部長にお尋ねいたします。学校の敷地内にオオキンケイギクが咲いている事例もあります。特定外来種がいない学校づくりとする方法もあるかと思いますが、いかがですか。
◯宮崎昌彦学校教育部長 オオキンケイギクを含めまして特定外来種の駆除につきましては、先ほど高田議員から登壇で説明がございましたように、5月29日に、高田議員を初め、鳶尾5丁目の自治会の方々が準備をされてその駆除作業に当たられたと聞いておりまして、また、そこに荻野中学校の生徒が参加したということで、大変有意義な活動であったと伺っております。
現在、学習指導要領の中では、中学校3年生の理科におきまして、身近な自然環境について調べる、また、その調べ学習の中でさまざまな要因が自然界のつり合いに影響していることを理解するということ、また自然環境を保全することの重要性を認識することなどが内容としてあります。具体的には、自分の身近な地域に生息する在来種、外来種を調べる。教科書の中には、タンポポの種類を調べることで何種類かのタンポポの学習ができるようなことが載っております。
そのような中で、理科の活動として学習の中に位置づけていくという考え方もございますが、教科書においては調べ学習にとどまってございます。また、その具体的な駆除活動につきましては、学校の教育活動においては、環境教育の学習と位置づけて、総合的な学習の時間とか、子供たちが主体的に行います児童、生徒会の活動、また、今回もそうでございましたが、地域の皆様と一緒になってボランティア活動として実施するということについては十分可能ではないかと考えております。また、このような地域の皆様との交流を含めた体験学習につきましては、自然環境の保全という意味で重要なことが理解できますし、大切な機会ではないかという認識を持っております。
◯18番 高田 浩議員 参加してくれた中学生には、悪い花だとは思わないでねとか、あるいは、結局人間が持ってきたものですので日本に合わなかっただけだということは伝えました。
続いて、福祉部長にお尋ねします。スマートフォンを利用した環境調査は市民が気軽に調査員になれる方法でもあります。こうした自然環境保全にかかわる活動、イコールシニア層のみが参加という従来型の構図に新しい風をもたらす潜在性があると私は思っております。親子、シニア層、孫、プラス自然観察のイベントは、福祉、健康づくり、プラス環境イベントにも参加できるということにつながります。いかがですか。
◯三橋正保福祉部長 従来からの高齢者とお子さんとのかかわりに関しては、会食会とか、多世代のゲートボール大会、これらを通じた中で幾つか取り組みをしているところでもございます。グループホームに入居されていらっしゃる元先生をやっていた認知症の方がお子さんの訪問を受けたときにぴっとされて、お子様に勉強を教えるようなことをされたという話も聞いております。
そのような中では、世代間の交流。その手法が何であれ有効なものの1つになるであろうというのは優に想像ができます。これが願わくは、私どもが今、直接的に考えますのは、日ごろご協力をいただいております各地区の地域福祉推進委員会の取り組みの中で1つこういう取り組みもできるのだけれどもという話を紹介して、当然、そこには環境農政部の職員にも、ここまでの条件整備がある中でこういうことができるのですよと説明していただいて、ご協力いただける部分に関してはご協力をお願いしたい。やっていただいた結果、それぞれの個々人が社会貢献、地域貢献の実感を優に持っていただけるのではないかと思いますし、それを核として各家庭で広がっていく、そういう夢を持ってもいいのかなという感じを持っております。
◯18番 高田 浩議員 河川みどり部長と道路部長にそれぞれお尋ねいたします。市有地をシルバー人材センターなどに委託して草刈りをすることが相当数あるはずであります。6月中旬までに全て見て回り、オオキンケイギクが確認できた場合は、草刈りではなく、根から抜く仕様に今後は切りかえていただきたい、そうすることが望ましいと思っておりますが、いかがですか。
◯星野一郎河川みどり部長 高田議員のおっしゃるように、5月から新聞、タウンニュース、いろいろな報道がされておりまして、河川みどり部が所管しております公園、緑地、河川、水路敷の除草業務につきましては、委託業者に発注してありますもので30件、市民団体にお願いしている公園の除草等が100件以上に上っております。
つきましては、オオキンケイギクを発見した場合には根から抜き取るという形で、業者、市民団体の皆さんにお願いの依頼文を出しております。また、繁殖している位置、面積、状況写真などの提供もあわせてお願いしておりまして、提出されました資料を整理して駆除作業に活用し、先ほど来、環境農政部長の答弁にありますように、生物多様性の戦略に対し、適切な管理とオオキンケイギクの駆除に努めてまいりたいと思います。
◯久保田三義道路部長 ただいま高田議員から6月中旬までに全て確認をというお話がありましたが、道路部といたしましては、6月中旬は厳しいところがございます。現在、道路一斉パトロールというものを道路部と河川みどり部と市街地整備部にも願い、協力をいただきまして、5月26日から7月11日までの期間で徒歩でパトロールを行っております。それによりましてある程度は報告が入ってくるのではないかと思っております。
また、先日、高田議員からもオオキンケイギクの除去については根本からお願いしたいというお話がありましたので、現在、除草を行っている業者等におきましては、根本からの除去ということで既に指示の変更をいたしております。なお、今後につきましては、オオキンケイギクの生息している場所を地図に落として、環境農政部と連携を図っていくことといたしております。
◯18番 高田 浩議員 今、情報共有という答弁がありましたが、それはぜひ進めていただきたいことでありまして、ありがとうございます。実際、根から抜くのは、どれだけ年数がたっているかにもよるのですが、簡単なものもあればえらい大変なものもあります。
続きまして、政策部長に再度お尋ねいたします。私は今回、環境農政部のみならず、政策部や福祉部、河川みどり部、道路部、そして教育委員会にも生物多様性について質問を行いました。行政における生物多様性は、これまでの縦割り行政志向から課題解決行政横断型志向の事業であります。ほかの事業と連携を図ることについて見解をお尋ねいたします。
◯葉山神一政策部長 生物多様性あつぎ戦略につきましては、市民の皆様と行政とが一体となって進めていくのだということをお示ししながら作成してきたと認識しております。
したがいまして、当然のことながら、行政内部におきましても、各部署がそれぞれで行わなければいけない所管の部分につきましては責任を持ってしっかりと取り組んでいくことはもちろんです。その上で、環境問題というのはもともとボーダーレスのところがございますから、今、高田議員がおっしゃるように、横断的な対応を持って連携を図って進めていくことが肝要だと思います。
今定例会でも連携という言葉がキーワードのように出ておりますが、この環境問題につきましても庁内の連携を図ってしっかりと取り組んでいく必要があるだろうと認識してございます。
◯18番 高田 浩議員 厚木市は過去において、目的は違ったとしても、開発部会という全庁的な組織がありました。時代も移り変わり、生物多様性という新しいキーワードを全庁的に意識して位置づけてほしいと思っております。
昨年12月定例会における総務部長と私の質疑が横浜国立大学大学院准教授の論文により紹介されております。公益財団法人日本自然保護協会がことし3月末に出版した「ココからはじめる生物多様性地域戦略『地方自治体・実践事例集』」の2ページから3ページにかけて載っています。昨年12月に申し上げた内容を読み上げます。今度は環境農政部長に見解をお尋ねいたします。
生物多様性あつぎ戦略推進委員会が設置されます。厚木市、事業者、市民団体、学識経験者などで構成されます。その役割は、戦略の推進や管理です。その役割にもう1つ加えた場合、一般論として条例化することが可能か見解をお聞きしたいです。もう1つの役割とは、公共事業の計画立案と同時に、生物多様性に課題や注意点はないか見解を求める場とすることであります。
このように制度設計し、あらかじめ注意点を共有していれば、希少動植物の保全とともにバランスがとれると思われます。縦割り行政の弊害への対応策であり、行政組織における部署間のつながりを確保する方法でもあります。環境農政部長、いかがですか。
◯栗原幹夫環境農政部長 12月定例会で条例化についてのご質問をいただきました際、総務部長から、一般論としては条例化は可能であるとお話があったと認識してございます。
高田議員のおっしゃられたとおり、生物多様性あつぎ戦略推進委員会は生物多様性あつぎ戦略の推進あるいは管理を行う組織でございます。ご提案のもう1つ役割を加えてということで、新たな条例を制定して、公共事業等の計画立案時に課題や注意点などを審査する、そういう機能を拡張するということでございますが、今後、当生物多様性あつぎ戦略推進委員会を初め、厚木市環境基本条例に基づく附属機関でございます厚木市環境審議会にご意見あるいはご提案等もあろうかと思います。そういうことをお聞きしながら研究、検討を進めてまいりたいと考えております。
◯18番 高田 浩議員 ご答弁ありがとうございました。単に従来型の自然を守るのだみたいな意識ではなくて、過去にも言いましたが、実は人間というのは自然から無料でサービスを受けているのだという意識を厚木市としても市民に広げていただければと思っております。