2016年12月厚木市議会一般質問
2016年12月5日、次の質問を行いました。
(1)ふるさと納税について
ア 推進体制について
(ア)今後の方針は。
(2)良好な市内環境づくりについて
ア 職員の意識向上について
(ア)新規事業を計画する際に配慮する点は何か。
(3)ニュージーランドとの交流について
ア ホストタウンについて
(ア)今後の方針を問う。
ふるさと納税に関する取り組みの状況は
問 平成24年2月定例会の一般質問で初めて取り上げ、25年9月定例会では、クレジットカードを利用できるよう提案したが、申し込み手段と決済手段の現状は。
答 財務部長 申し込みは、専用サイトであるふるさとチョイスからが76・6パーセント、次いでわが街ふるさと納税からが22・5パーセントになっている。決済手段は郵便振替、銀行振り込み、納入通知書、クレジットカード決済の順に多いが、28年12月からふるさとチョイスでのクレジットカード決済が可能となり、今後は大きな割合を占めてくると考えている。
問 ふるさと納税リニューアル後の状況は。
答 財務部長 10月のリニューアルから約1カ月半で、目標額の80パーセントを超える866件、2426万7千円の寄付をいただいている。前年度の個人寄付は46件、247万円であり、件数で約20倍、金額で10倍弱になっている。
環境基本条例
問 いまの条例は古く、時代に合っていないと思うが見解は。
答 霜島副市長 本市に住んでいる方は、山や川といった環境を感じ取っていると思われ、その市民の信託を受けながら行っていく部分で、条例の改正なども含めて考えていかなければならない。
以下は、全文です。
私は、今回、ふるさと納税と環境政策、ニュージーランドとの交流について質問をいたします。私は、2011年、政務調査費で定期購読をしていた「日経マネー」の特集記事でふるさと納税の仕組みを知り、4つの自治体を視察いたしました。
2012年2月一般質問において、ふるさと納税を始めて取り上げました。当時、ふるさと納税についての知名度は低く、今とは比較にならないほど知られていませんでした。「日経マネー」の特集記事を読んだ際、これは厚木市にも大いに関係があるぞと思いました。しかし、厚木市職員にふるさと納税のことを話題にしても、クエスチョンマークが100個くらい頭の上に浮かんだかのような反応であったことを今でも覚えております。今後の取り組みについて話をお聞かせください。
環境政策は幅が広いこともあり、全国の地方自治体で理解が深まるのはこれからという状況ではないでしょうか。ここ何年かの例ですが、日本百名山の1つの山にある木道を県が改修しようとしたところ、その手法に疑問の声が上がり、内容が変更されました。その県の環境部門の担当者は、モノレールを新設して資材を運び、工事が終わったらモノレールを撤去する計画を立案しました。これに対して理路整然と物を申す人がいました。
木道は、希少な植物を踏まないために、学術調査を重ねた上で設置されたものです。歩きやすくするためが目的ではありませんでした。物を申した人の見立てですが、その県担当者は、なぜ木道がつくられたかの背景をよく理解せず、国から補助金をとってくることばかりに意識が向いたようです。このように、職員によっては混乱を招くこともあり得ます。
ところで、皆さんは、1986年、昭和61年と聞いて思い出すことはありますでしょうか。そもそも生まれていましたでしょうか。1986年の日本レコード大賞は、中森明菜の「DESIRE-情熱-」です。トム・クルーズ主演の「トップガン」もこの年の映画でありました。
厚木市は、1986年、厚木市環境保全に関する基本条例を制定しました。世の中における環境についての考え方は30年前と大幅に変化しております。この条例がいつまでもこのままでいいのかと疑問に思っております。職員研修や新規事業を計画する際に配慮する点についてお聞かせください。
東京オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みですが、厚木市はニュージーランドのホストタウンになりました。職員の皆さんが頑張っているからこそであります。私もその一助にとの気持ちも含め、ニュージーランド大使館員による国際理解事業の実施に向けて交渉を重ねてきました。結果として、2017年1月19日、鳶尾小学校に二等書記官が来てくれることになりました。体育館で行う公開授業となる運びであります。ホストタウンについての今後の取り組みについてお話しください。
◯越智一久議長 市長。
◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、ふるさと納税について、推進体制について、今後の方針はとのお尋ねでございますが、本市のふるさと納税につきましては、本年10月14日からクレジットカード決済の導入や返礼品の充実を図るなど、大幅なリニューアルを実施したことに伴い、全国の皆様から多くの寄附が寄せられているところでございます。
今後につきましても、ホームページやチラシなどを活用し、引き続き情報発信に努めるほか、季節の限定品や特産品などの新たな返礼品を追加するなど、市内事業者の皆様と連携し、さらに魅力あるふるさと納税制度となるよう内容の充実を図ってまいります。
次に、良好な市内環境づくりについて、職場の意識向上について、新規事業を計画する際に配慮する点は何かとのお尋ねでございますが、新規事業の計画につきましては、市民の皆様の利便性や快適性、自然環境、生物多様性、バリアフリーなどに配慮していくことが大切であると認識しております。こうしたことから、庁内において横断的に情報共有を行うとともに、職員一人一人の意識向上に努めているところでございます。
次に、ニュージーランドとの交流について、ホストタウンについて、今後の方針を問うとのお尋ねでございますが、本市では、ホストタウン相手国であるニュージーランドとの間で歴史や文化、スポーツ、教育など、さまざまな分野において交流を深める事業を実施しております。今後は、女子7人制ラグビーニュージーランド代表チームのキャンプ誘致を初め、さらに多くの市民が交流を図ることができる事業を展開してまいります。
◯7番 高田 浩議員 答弁ありがとうございます。まず、ふるさと納税について再質問をいたします。
ふるさと納税リニューアル後の状況はいかがでしょうか。昨年度実績もあわせてお話しください。
◯野元 薫財務部長 10月14日のリニューアルから11月30日までの寄附申し出の状況でございますが、866件、2426万7000円でございます。9月の補正予算で3000万円の寄附を計上させていただきましたが、リニューアルから約1カ月半で目標額の80%を超えている状況でございます。ふるさと納税につきましては、12月が最もピークを迎え、さらに、ふるさとチョイスのクレジットカード決済もスタートすることから、さらなるPRに努めてまいりたいと思っております。
前年の実績といたしましては、これは個人寄附の関係で集約したものでございますが、46件で247万円という状況ですから、件数も約20倍、金額にしても10倍弱という状況になっているところでございます。
◯7番 高田 浩議員 私は、2012年2月の一般質問において、ふるさと納税を初めて取り上げました。続いて、2013年9月定例会において、ふるさと納税でクレジットカードを使えるようにと提案いたしました。7億円以上の予算削減効果が出たコンピューターシステム改革を思い出してください。具体的な手順まで提示している提案に対してはスピード感を持ってほしいです。申し込み手段と決済手段の状況はいかがでしょうか。
◯野元 薫財務部長 申し込みの手段につきましては、専用サイトでありますふるさとチョイスからが76.6%、次いでわが街ふるさと納税からが22.5%となってございます。決済手段につきましては、郵便振替が35.2%、次いで銀行振り込みが23.6%、納入通知書が22.4%、クレジットカード決済が16.9%の順となっておりますが、クレジットカード決済につきましては、12月1日からふるさとチョイスによる利用も可能となりましたので、今後は大きな割合を占めてくるものと考えております。
◯7番 高田 浩議員 私は、ことし山形県三川町を訪問し、ふるさと納税についてヒアリングをしてきました。町長にもお目にかかりました。三川町への寄附額は、平成25年度は75万円でした。ところが、平成26年度は1億6300万円となり、平成27年度は5億円に達したそうです。三川町には山も海もありません。人口は8000人弱です。一見、米しかありません。しかし、お米の出し方、写真の見せ方、PR文の工夫をしたそうです。農家とのコミュニケーションも大事にしたそうです。工夫次第で何かができるはずだと起案した三川町の主査から、じかにお話を伺いました。耕作放棄地もゼロになったそうです。今後、担当する厚木市財政課は、クリエーティブさが試されます。節度を持ちながら返礼品の充実と伝え方を試行錯誤していただきたいと思っております。
次に、環境政策について質問を移します。まず、職員研修について質問します。環境について人々の価値観は多様です。専門分野も細かく分かれています。環境についての職員研修はどのように行っていますでしょうか、平成27年度実績でお話しください。
◯青木達之総務部長 平成27年度の環境に関する研修実績でございますが、環境農政部の職員1人が市町村職員中央研修所、一般的には市町村アカデミーと言っておりますが、そこへ派遣して研修を受講しております。
◯7番 高田 浩議員 環境農政部環境政策課だけが環境政策の見識を深めるのではなくて、河川みどり部やまちづくり計画部、市街地整備部、道路部、あるいは新人の職員も含めて研修に参加する範囲を広げる必要があると考えております。
例えば都市生態学という学問領域があります。グリーンインフラの活用による雨水の地下浸透、道路周辺の樹木は生態系サービスに貢献すること、あるいはGIS、空間情報解析などがその学問領域の一端であります。都市生態学は1つの事例ですが、部署横断的に職員が環境についての研修を受けることについて、見解をお尋ねいたします。
◯青木達之総務部長 庁内のさらなる環境意識の向上を図るとともに、環境配慮行動の率先的役割を果たすためには、庁内横断的な研修も有効な手段だと考えております。
◯7番 高田 浩議員 職員が環境行政の背景、生物多様性や生態系管理にかかわる施策、市民団体との連携協働について学ぶ機会を設けることが望ましい、こうした講座を設けることは、行政としての施策の連続性、または横のつながりの構築に貢献し、市民団体などとの接続性を高め、施策事業を効率的に進めることができるようになる、以上が徳島大学鎌田磨人教授の所見の概要です。私も同感ですが、見解をお尋ねいたします。
◯小島利忠環境農政部長 やはり高田議員がおっしゃるように、職員が環境行政の背景や生物多様性、生態系管理に係る施策、市民団体との連携協働について学ぶ機会を設けることにつきましては、とても重要であると考えてございます。特に市民団体との連携協働につきましては、環境行政を進める上で不可欠でありまして、定期的な市民団体との意見交換会はもとより、毎年度開催しておりますさがみ自然フォーラムや外来種対策、里地里山保全事業などに多くの市民団体と連携した取り組みを行っておりますので、こういうところにさらなる職員の参加の促進を図ってまいりたいと考えてございます。
◯7番 高田 浩議員 新潟県柏崎市の環境基本条例を紹介します。柏崎市の人口は約8万6500人です。第18条において、「市は、環境の保全に関する施策を適正に実施するため、環境の保全に関する事項について情報の収集及び調査に努めるものとする。」とあります。厚木市環境基本条例その他の体系において、環境の保全に関する事項について、情報の収集及び調査に努めるに相当する部分はどこにありますでしょうか。
◯小島利忠環境農政部長 環境保全に関する情報の収集及び調査に努めることにつきましては、本市の環境施策の推進に当たり、重要なことと認識してございます。厚木市環境基本条例の中では明確に、直接的に書いてございませんけれども、第7条で「市は、基本理念にのっとり、良好な環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するものとする。」、このことを厚木市の責務としてございまして、第8条第7号の中では、「その他良好な環境の保全及び創造に関し必要なこと。」となっておりまして、この中に情報の収集及び研究が含まれているものと認識してございます。また、第9条第2項におきまして、総合的かつ長期的な目標及び施策の方向その他必要な事項につきましては、環境基本計画で定めることとしておりますので、環境基本計画の中では、行政の取り組みとして、環境に関する情報収集、分析、調査研究に取り組むこととしてございます。
◯7番 高田 浩議員 徳島県阿南市の環境基本条例を紹介します。人口は約7万5000人です。市の責務として、第4条第2項において、「市は、自然環境の保全に努めるとともに開発又は整備計画の策定に当たっては、自然環境と調和が保たれるよう配慮しなければならない。」とあります。厚木市環境基本条例その他の体系において、これに相当する部分はどこにありますでしょうか。
◯小島利忠環境農政部長 本市は豊かな自然環境を有してございまして、開発または整備計画の策定に当たりまして、自然環境に配慮することは重要なことと考えてございます。こちらにつきましても直接的な記載はございませんけれども、厚木市環境基本条例の第8条第7号の「その他良好な環境の保全及び創造に関し必要なこと。」が相当するものであると考えておりまして、第9条に規定する環境基本計画の中で、行政の取り組みとして環境への負荷を最小限に努めて事業を実施するものと定めてございます。
◯7番 高田 浩議員 国立環境研究所は、2008年、自治体における環境施策への取り組みに関する調査結果を公表しました。その中で、地方自治体にとって計画の策定実施に当たって最も困難な事柄は、必要な人員の不足との結果でありました。
その一方で、総務省地方公共団体定員管理調査結果の2005年版と2015年版を比較すると、日本全体では地方公務員の数は減少する中で、清掃部門を除いた環境保全部門の職員は増加傾向にあり、調査結果は矛盾しております。日ごろ仕事をしている中でこの矛盾に心当たりはありますでしょうか。一般論でも構いませんが、見解をお尋ねいたします。
◯青木達之総務部長 総務省地方公共団体定員管理調査結果によりますと、全国の環境保全部門の職員数は、10年前の6590人から6917人へと5%程度増加しております。本市におきましても、平成17年4月1日の職員数は10人であったのに対して、10年後の平成28年4月1日現在では17人へと増加しております。これは、環境保全に対する市民意識の高まりから施策の充実を行ったことや、途中、権限移譲もございました。そういう新たな事務の発生等により増員を行ったものでございます。今後におきましても、事務量に応じた適正な職員配置に努めてまいりたいと考えております。
◯7番 高田 浩議員 環境政策は大事であることはわかるけれども、手探り状態、これは大方の地方自治体の実情ではないでしょうか。だからこそ制度設計による補強と横断的な研修が必要であるとの見立てでおります。
国立環境研究所による2000年版自治体における環境施策への取り組みに関する調査の分析を見ますと、首長の理解、環境公約議員ありの重要性がわかります。また、環境施策の策定の技術的な困難さや庁内調整の難しさというノウハウの点での障害が多いことがうかがえます。
国立環境研究所による2000年の調査から16年たった今日はどうでしょうか。厚木市には環境基本計画もあります。生物多様性あつぎ戦略もいち早く策定されました。ただし、新規事業を進める際に庁内調整の補強策が必要であることについては、厚木市にも同じことが言えると思いますが、いかがでしょうか。
◯小島利忠環境農政部長 民間の事業につきましては、庁内におきまして、関係次長、関係課長によります開発調整会議を行っております。厚木市の事業につきましては、両副市長がヘッドとなりまして、関係部長で構成しております土地利用・企業立地総合調整プロジェクトチーム会議、また、次長級、課長級による土地利用等総合調整検討会などで協議してございます。庁内調整を図っているのですけれども、さらに厚木市の事業における環境の保全に対するチェック機能を持ちます横断的な組織について充実を図ってまいりたいと考えてございます。
◯7番 高田 浩議員 厚木市は、生物多様性あつぎ戦略庁内推進委員会において庁内調整の役割を担うことになっております。その役割を追加した場合、一般論として条例化することは可能かと2013年12月定例会で総務部長に質問をしたことがありました。総務部長の回答は、一般論として条例化は可能だという回答でありました。
しかしながら、昨年3月に改定された環境基本計画の中で、環境配慮指針を設けて全庁的に周知を行い、各課において取り組みをお願いしているところだとの答弁がことし6月定例会議でありました。なぜ条例でもない要綱でもない規則でもない環境基本計画の環境配慮指針に基づいてお願いすることにしたのでしょうか。
◯小島利忠環境農政部長 先ほどもご答弁させていただいたように、現在の環境基本条例の第9条の中で、環境基本計画についてうたってございます。それに基づいて各関係課のご意見等をいただくような形で調整を図っているところでございます。
◯7番 高田 浩議員 環境基本計画の環境配慮指針には、住居系整備事業や商業・業務系整備事業の項目があります。
そこで1つ例を出します。本厚木駅南口地区市街地再開発事業において、ビル風や気温の変化についてどのような環境配慮を行う考えでしょうか。建造物があると、気温に影響があります。建造物や緑によって気温は変化します。いかがでしょうか。
◯石塚 修市街地整備部長 当然、高層の建物を建てる場合には、風環境調査等の事前の評価はさせていただくことになってございます。また、今おっしゃるような街路の樹木に関しましても、できる限り緑化を図るという形で整備を進める考えでございます。
◯7番 高田 浩議員 環境政策は幅が広く、専門分野が多岐にわたります。どのような価値観や見識、性格を持った人がどの立場にいるかによって変化が起こります。市議会以外にも課題提起をするルートが幾つかあることが望ましいと考えております。
厚木市環境審議会や生物多様性あつぎ戦略推進委員会は、新規事業に学術的または法律上の課題があると認めた場合、市長に勧告できるよう役割を追加してもいいのではないでしょうか。
◯小島利忠環境農政部長 今、高田議員がおっしゃったように、大学教授などの学識経験者、関係企業の方、公募市民の方々で構成いたします厚木市環境審議会及び生物多様性あつぎ戦略推進委員会では、さまざまな環境に関する課題に対しまして活発に審議を行いまして、専門的な見地から貴重なご意見等をいただいているところでございます。
◯7番 高田 浩議員 いただいた貴重なご意見は、市長にどのような形で伝わりますか。
◯小島利忠環境農政部長 市長からの諮問という形があれば、答申書という形で市長に提出することになっております。ただ、現在の中では、独自にこういう提言はございません。
◯7番 高田 浩議員 厚木市環境審議会規則は第7条まであります。市長に意見を伝えることに関する規定は見当たりません。今、環境農政部長がおっしゃったとおりです。新規事業に学術的または法律上の課題があるとして市長に伝わったとしても、場合によってはただ聞き置くだけということになってしまいかねません。
ところで、川崎市は、環境調整会議幹事会に関する要綱第7条において、「幹事会は、必要に応じワーキング会議を置くことができる。」と規定しています。これは、私が(仮称)健康こどもの森についてワーキンググループの立ち上げを提案し、そのとおりにしてもらったことがありましたが、それと似たようなものかと思われます。必要に応じてワーキンググループを新設できるようにすることは課題の解決につながります。いかがでしょうか。
◯小島利忠環境農政部長 現在は課長級から成ります生物多様性あつぎ戦略庁内推進委員会を平成25年6月に設置してございまして、その中で個別専門的に研究調査すべき事案が発生した場合には、高田議員がおっしゃいますワーキンググループ等を設けまして調整していきたいと考えてございます。
◯7番 高田 浩議員 厚木市環境基本条例第8条において、良好な環境の保全及び創造に関する施策が7項目書かれてあります。ここには環境教育の推進を加えてもよろしいのではないでしょうか、見解をお尋ねいたします。
◯小島利忠環境農政部長 高田議員が今おっしゃいました環境教育の推進につきましては、本市ではエコスクールの取り組みとか、環境学習講座の開催など、環境教育に力を入れているところでございます。先ほどと同じ答弁になってしまいますけれども、厚木市環境基本条例では、第8条第7号の「その他良好な環境の保全及び創造に関し必要なこと」が相当するものと考えてございます。また、これも先ほどと同じになってしまいますけれども、環境基本計画の中でも市民参加・市民協働の推進の中で記述してございますので、引き続き環境教育の推進は図ってまいりたいと考えてございます。
◯7番 高田 浩議員 厚木市環境基本条例が制定された1986年と現在とでは環境についての考え方が大きく変化しております。自然保護から生物多様性へと軸足が変化しております。また、文化財保護法や土地改良法を見ると読み取れますが、環境配慮責任が法律に散りばめられています。現在の厚木市環境基本条例は理念条例です。政策条項を書き加えながら見直しすることが望ましいと私は考えております。見解をお尋ねいたします。
◯小島利忠環境農政部長 高田議員がおっしゃることは十分理解してございます。社会情勢の変化、環境についての考え方が大きく変化している中で、政策条項の追加、また条例をつくるのではなく、今見直しがすぐにできます環境基本計画は、先ほども申し上げましたとおり、第8条第7号でそれぞれの施策が具体的に書かれてございますので、そういう中で基本施策、施策項目を挙げて、積極的に推進してまいりたいと考えてございます。
◯7番 高田 浩議員 総務部長にお尋ねいたします。条例の新規制定、一部改正、全部改正、廃止の中で、一部改正は難易度が高いのですか。
◯青木達之総務部長 難易度の高さというのは推し量れない部分がございます。それぞれの条例のつくりとか、関連する部分が多く絡んでいるものについては、制定も改正も非常に難しいと思いますし、単純に法律改正を引用するような条例改正は比較的安易かと思いますので、押しなべて一部改正が容易であるとは判断できないと考えております。
◯7番 高田 浩議員 新しくつくるのが難しいに決まっていますね。
総務部長にもう1つお尋ねします。今回明らかになったことの1つとして、1993年以降の変化、自然保護から生物多様性への軸足の変化に伴う重要なポイントを厚木市環境基本条例では第8条第7号のその他扱いにしていることです。法解釈をするのではなくて、足りない面があれば立法する、社会的に広い視野を持つというのが法律家たる文書法制課の役割ではないでしょうか。
◯青木達之総務部長 十分検証させていただきたいと思います。
◯7番 高田 浩議員 その他という言葉は便利な言葉です。現状では、厚木市は新しい項目を環境教育も含めてその他で全部ひっくるめています。十分考えてください。
横浜市は、1975年に制定した地震対策条例を震災対策条例に全部改正しました。阪神・淡路大震災が契機です。また、茨城県が統計調査条例の全部改正を行った事例を紹介します。新統計法の理念を踏まえて、統計調査の対象者の秘密保護の強化などを行っております。
条例が全部改正される場合、明確な要因があります。私が厚木市環境基本条例の見直しを求めることにも明確な根拠があります。1993年を境に自然保護から生物多様性の時代になったためです。1993年、国連で生物多様性条約が発効しました。その後、日本国内では生物多様性基本法が施行されたことが私の根拠であります。
生物多様性あつぎ戦略庁内推進委員会の位置づけは弱々しくないですか。環境農政部の職員がこれまで何回条例改正を経験したことがあるのかわかりませんが、条例の新規制定、一部改正、全部改正などの手順をもう1度文書法制課と相談していただきたいと思います。いかがでしょうか。
◯青木達之総務部長 これまでも文書法制課が各部各課の条例改正についてはいろいろな手法等についてアドバイスを行っておりますが、今、高田議員からそういうご指摘がございましたので、再度その辺は確認して、徹底してまいりたいと考えます。
◯7番 高田 浩議員 この件について、最後にもう1つ、霜島副市長にお尋ねします。要するに、今の厚木市の環境基本条例は古いのです。時代に合っていないわけです。見解をお尋ねいたします。
◯霜島宏美副市長 今、環境関係についていろいろな視点からご質問をいただき、各部長を含めて答弁させていただきました。1993年を境に、自然保護保全から生物多様性に変わったということでの高田議員の視点、それから、我々はもともと厚木市の職員でありますし、法律に基づいた仕事をしております。当然ながら、厚木市の職員でなくても厚木市に住まわれている方は、いわゆる山があって川があってという環境は、自分たちが住んでいる中では感じ取っていると思います。その仕事の最たるものとして、我々は市民の信託を受けながら行っていくという部分でございますので、条例の改正、一部改正、新規を含めて考えていかなければいけないというのは、今、総務部長からお話しさせてもらいました。
これからの社会というのは、生物だけではなくて、人間関係もそうです、全てにおいて、今、高田議員がおっしゃるところを我々はしっかり捉えて市民へのサービス向上を含めて取り組んでいきたいと思っています。よろしくお願いします。
◯7番 高田 浩議員 副市長、答弁ありがとうございます。
続いて、ニュージーランドとの交流についての質問に移ります。市民を巻き込んだ交流について、どのように考えていますでしょうか。
◯相原 保オリンピック・パラリンピック担当部長 ニュージーランドとのホストタウン交流計画におきまして、市民が中心となった交流事業につきましては、ラグビーのほか、さまざまなスポーツ交流、語学留学やホームステイなどの教育交流、文化交流などを計画しております。
なお、本年度におきましては、子供たちを対象としたラグビー教室の実施やにぎわい爆発あつぎ国際大道芸のオープニングセレモニーにおきまして、ニュージーランド先住民族マオリの伝統文化の民族舞踊を披露させていただいたところでございます。
◯7番 高田 浩議員 教育の交流は1つの手法であります。この秋、私は何度かニュージーランド大使館を訪問しました。大使館もそれを望んでおります。教育交流は進んでいますでしょうか。
◯相原 保オリンピック・パラリンピック担当部長 本年の10月13日にニュージーランド大使館の教育担当官並びにニュージーランドの南島にございますダニーデン市のオタゴ大学の留学生受け入れ担当者が厚木市を訪れまして、市内の3大学、また、市内6高校の校長先生などに対しまして、大学側の留学プログラム、また、相互の意見交換会を行っております。その際、かなり具体的な意見、突っ込んだやりとりがあったわけですけれども、今後、この意見交換会の内容を参考にしながら、本市の留学体験プログラムを検討してまいりたいと思っています。
また、ニュージーランドの大使館などの協力を得まして、国際理解講座を進めることもニュージーランドの歴史や文化の理解を深めるためにも有効かと思っておりますので、この辺についても検討をしていきたいと考えております。
◯7番 高田 浩議員 来年度に実施を検討している事業はありますでしょうか。
◯相原 保オリンピック・パラリンピック担当部長 直接的な教育交流ではないと思うのですけれども、同じくダニーデン市のキングスハイスクールの生徒たちが、来年度、本市を訪れる予定がございます。市内家庭へのホームステイとか学校訪問などを希望されておりますので、日本文化の紹介並びに国際交流の進展に期待が持てるのかなと考えております。また、ニュージーランドへの留学体験プログラムにつきましても、関係方面との調整を進めながら計画してまいりたいと考えています。
さらに、ニュージーランドの代表的な食材を利用したニュージーランドフェアなども行っておりますけれども、それを拡大して給食への提供、また、子供たちの英語力を高め、通訳等のサポートができるグローバルな人材を育成するためのプログラムの実施なども検討したいと考えています。
◯7番 高田 浩議員 今、オリンピック・パラリンピック担当部長がおっしゃったホームステイ、あるいは学生交流については、私が訪問したときに大使館の方も同様なことを言っていましたので、向こうも望んでいることであります。ですから、厚木市とニュージーランドの需要と供給がマッチしているということだと思います。
将来的に学生交流もできれば理想ですが、この点についてはいかがでしょうか。
◯相原 保オリンピック・パラリンピック担当部長 本市の2020東京オリンピック・パラリンピック支援に向けた基本方針におきまして、その取り組みの効果が継続していくプランをレガシープランという形で位置づけて推進することとしております。特に市民交流の推進におきましては、来年に予定しておりますニュージーランドのダニーデン市の高校生受け入れや、スポーツや語学に関する青少年の派遣が効果的に実施されれば、本市とニュージーランド側の信頼関係も深まりまして、定期的な相互交流に発展する可能性もあるかと思います。今後、ニュージーランド側及び厚木市側の教育関係者との調整を慎重に進めてまいりたいと考えております。
◯7番 高田 浩議員 登壇でも申し上げましたが、鳶尾小学校に1月19日の午前中ですけれども、二等書記官の女性が来てくれることになりました。時間があれば、ぜひオリンピック・パラリンピック担当部長にも来ていただければと思っております。
これで質問を終わります。