私は2017年6月3日(土)、日本地方政治学会において、学会発表を行いました。タイトルは、「日本一の環境基本条例を目指して」です。発表に先立ち、横浜国立大学大学院の指導教官からマンツーマンで丁寧な指導を何度か頂きました。前日も資料の手直しを行い、当日も早朝の電車内で最終チェックをしながら発表の場を迎えました。お陰様で、そつなくこなすことが出来ました。
 学会には、全国から様々な大学研究者などがお集まりになります。普段お会いできない方々とお話しする機会を持てたことも収穫でした。

 以下は、発表内容の一部です。

日本一の環境基本条例を目指して

 皆さん、はじめまして。ただ今、ご紹介いただきました高田ヒロシです。私は現在、5期目の厚木市議会議員です。 僭越ながら、皆さんに一つ、お尋ねします。ライフワークは何ですか? 私の場合、国際交流がライフワークです。しかし、私は今、大学院生として、環境法の研究をしています。私を突き動かしたモノは何かというと、横須賀市で幼い頃に海や山で遊んだ記憶です。私は横須賀市で生まれ、3歳まで住んでいました。
 私は小学生になってからも、横須賀の祖父母の家に従兄弟とよく泊まりに行っていました。ある日、従兄弟と私は海でアサリを採って来ました。祖母は、夕食の際に味噌汁にしてくれました。実は、夕食の前に銭湯へ行ったのですが、見知らぬ大人にアサリの話をしたところ、「アサリは公害で危ない」と言われました。私はその話を祖母に伝えました。食べて大丈夫なのかなと思いながら食べました。これは、私が環境問題を意識した最初の出来事です。因みに、私は中学生の時に厚木市民になりました。
 私は都内の商社営業マンでしたが、31歳で地方議員に転身しました。お陰様で、完全無所属の地方議員として様々な行政課題に取り組むことが出来ています。

 小林常良・厚木市長は3月、議会一般質問において、「環境基本条例の改正に取り組む」と明言しました。これは私の「1986年制定の環境基本条例を全面的に改正する考えは」との質問への答弁です。私は、そのたった3ヶ月前の昨年12月議会で、現状の条例が古すぎることを明らかにしたばかりでした。どの職員が改正案を作るか等、担当部署で調整が必要となります。3ヶ月後の議会でまたすぐに聞く方も聞く方ですが、市長が異例の早さで「改正する」と回答したのには幾つかのファクターがあります。
 一つは、私の昨年12月議会での「一般質問ファクター」です。大学院や学部の講義で聞いたことをノートに書き、それらを基に議会で質問しました。質問された部長はたまったものではなかったと思われます。 
 二つ目は、「市長ファクター」です。市長は元々、日本大学農獣医学部卒業でもあり環境に理解があるためです。
 三つ目は、 「部長ファクター」です。環境農政部の小島利忠部長は仕事が早いタイプであり、川崎市などが既に運用している環境調整会議が改正案の最も肝心なポイントであると伝えたところ、すぐに理解しました。

 議員自らが旗振り役となり、条例案を作るのは稀なケースです。やはり大変です。私のような方法を取らなくても、もう少し簡単な方法もあるかと思われます。例えば、地方議員は、大学等の研究者へ積極的に助言を求めてもいいのではと思われます。議員は、積極的に行政職員へ協力を求めればいいです。
 防災対策条例を持たない都道府県や市町村はまだまだ沢山あります。何が課題かは、自治体によって自然環境に違いがあります。そのような課題整理をした上で、インターネットで大学教員を検索してコンタクトする。それこそ、政務活動費の有効な使い方があるかも知れません。
 逆に、大学教員が地方議員にイベントなどを通知する方法もあります。厚木市議会では、議員それぞれにレターボックスがあります。時折、大学におけるイベントの案内が入っています。 ここにお集まりの大学研究者の皆さん、いかがでしょうか?