2017年6月厚木市議会一般質問

 2017年6月6日、次の質問を行いました。

(1)駅周辺や市道の緑化について
 ア 今後について
 (ア)都市生態学の視点を取り入れてはどうか。
(2)災害対策について
 ア 現状の計画について
 (ア)対策は万全か。
(3)教育行政について
 ア 教員研修について
 (ア)現状と今後の方針を問う。
 イ コンピュータ・システムの見直しについて
 (ア)進捗を問う。

災害対応カードゲームを実施する考えは

 職員が大規模な地震を想定して、災害対応カードゲームを使い、避難所で直面した問題やトラブルの解決策について意見を交換する方法がある。現実的な方法であるため、各地域や学校でも実施を促してはいかがか。
市長室長 より実践的なシミュレーションになるかと思うが、いろいろな方法があるので、カードによる方法も含めて、現実的なシミュレーションができるような形では、訓練の一つとして考えていきたい。

地震発生時の職員参集想定

 震度7の地震が発生した時に、厚木市地域防災計画では、何割の職員が何時間以内に市役所などに来る前提になっているのか。
答 市長室長 地震の規模だけではなく、道路や橋の被害状況等もあるため、発災後3時間以内に64%、約950人、またそれ以降、6時間以内には82%、1200人が参集できるものと想定している。

地区防災計画

 地域防災計画ではなく地区防災計画という新しい概念がある。既に厚木市地域防災計画に載っているが、いつごろから整えるのか。

 市長室長 平成27年の見直しの時に位置づけをした。スケジュールを考え、今後計画づくりを進める。

---以下は、全文です---

◯7番 高田 浩議員 (登壇)秘書課長であった私の言うことは、相手が部長であってもよく言うことを聞いてくれた。これは10年以上前に、ほかの自治体で秘書課長を経験した地方公務員の言葉です。
 私は3月1日の一般質問で、内閣府のガイドライン、情報を首長が確実に掌握できるような体制をと紹介しつつ、危機管理課を市長直轄とすることは好ましい組織編成であると申し上げました。しかしながら、4月以降、市役所内のパワーバランスの変化が気になるところではあります。
 市長室が新設され、秘書課長のみならず、いわば秘書部長ができたためであります。今年度からその役を担った職員は適任かもしれません。今後、その役を担う職員は強者──強い者という意味です。強者は忍び足で歩くという言葉を意識していただきたいです。
 その災害対策についてお尋ねいたします。厚木市は毎年、地域防災計画の改定ばかりに意識が向き、果たして機能するのかが気がかりであります。地域によっては、公民館と避難所となる学校の建築年数がともに1981年以前であり、旧耐震基準というケースもあります。北公民館のエリアはそれに相当します。
 私は3月1日の一般質問において、いつ、誰が、何をするかをあらかじめ時系列で準備することを提案しました。それに呼応したのか、議会事務局は素早く厚木市議会大規模災害時対応マニュアル案を作成しました。その中には、発災から3時間、3日、7日などに議員が何をするかが書かれてあります。危機管理課は参考にしていただきたいと思っております。
 また、都市では人間が優先され、行政が管理しております。建造物が優先しているため、自然資源に大きく依存をしています。私は今回、駅周辺や市道の緑化を進め、都市生態学の視点を取り入れてはどうかとの質問を通告しておりますが、どうぞ難しく考えないでください。広く浅くが都市生態学のスタンスです。
 都市における緑は景観形成に欠かせない存在です。しかし、多くの自治体では、まち中で見かける緑空間には計画性を感じません。平成27年度に閣議決定された国土形成計画、第4次社会資本整備重点計画では、グリーン、インフラの取り組みを推進することが盛り込まれました。国の方針と私の考えは似ているようです。その取り組み事例の一つとして、中心市街地の魅力向上に寄与する緑化が紹介されています。
 私は先月、久しぶりに日比谷から丸の内仲通りを歩いてみました。かつて通勤していた懐かしいエリアですが、今回は樹木ばかり見て歩きました。丸の内仲通りにはたくさんの街路樹が生い茂っております。
 教育委員会における教員研修とコンピュータ・システムの見直しについてもお尋ねいたします。
 明快な答弁を期待しております。


◯越智一久議長 市長。

◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、駅周辺や市道の緑化について、今後について、都市生態学の視点を取り入れてはどうかとのお尋ねでございますが、本市の緑化につきましては、緑の基本計画において、潤いのある市街地景観を形成するため、駅周辺を緑化重点地区に位置づけ、事業を推進しております。
 都市生態学の視点であるヒートアイランド現象の緩和や景観形成などの観点からも都市空間の緑化は必要なものであると認識しております。
 次に、災害対策について、現状の計画について、対策は万全かとのお尋ねでございますが、本市における災害対策につきましては、地域防災の確立、市民の皆様の生命、身体、財産を保護すること等を目的に地域防災計画に定めております。平成27年度の改定では、災害対策基本法の改正のほか、地震被害想定や特別警報の運用開始、避難所運営、要配慮者への対策など、幅広い分野における動きを踏まえ、見直しを行いました。
 今後につきましても、熊本地震などの教訓を生かし、大規模な災害に対応できる計画として、さらなる充実を図ってまいります。
 私からは以上でございます。教育行政につきましては、教育長からご答弁申し上げます。

◯越智一久議長 教育長。

◯曽田高治教育長 (登壇)教育行政について、教員研修について、現状と今後の方針を問うとのお尋ねでございますが、教員研修につきましては、教育委員会で定めた研修方針に基づき、学校経営や児童・生徒指導、人権教育などをテーマとした研修会を開催するほか、自主参加型の研修として、先生のための寺子屋講座や夏期研修講座などを実施し、指導力等の向上を図っております。
 今後につきましても、教育に関する国の動向や今日的課題等を踏まえ、研修方針の見直しを行うとともに、教職員の専門性と資質、能力の向上につながる研修のさらなる充実に努めてまいります。
 次に、コンピュータ・システムの見直しについて、進捗を問うとのお尋ねでございますが、教育委員会では、平成28年3月に策定した学校教育情報化推進実施計画に基づき、初年度となる平成28年度はネットワーク回線の増強を行いました。
 今年度につきましては、全小・中学校へタブレット端末を導入するとともに、校務支援システムの導入に向けた準備作業を行うなど、新たな環境整備を進めているところでございます。今後につきましても、学校教育の情報化が着実に推進できるよう努めてまいります。

◯7番 高田 浩議員 ご答弁ありがとうございます。私は先日、ある設計者と会いました。公園や庁舎の建てかえの設計なども行っている方です。23区内で公園をつくる際に必ず生物多様性について聞かれるとおっしゃっておりました。公園が生物多様性に対してどのように寄与するのかと、厚木市にとって参考になる話です。今後の方針の一つになるかと思いますが、いかがでしょうか。

◯沼田芳基都市整備部長 公園が生物多様性に寄与するものといたしまして、生物の生息、生育環境の保全や創出、再生に寄与するものと考えております。都市において生物多様性を向上していくためには、特に公園は生物の生息、生育の拠点として大きな役割を果たしております。新たな自然的環境の創出となる公園の整備や管理においては、地質や地形などに配慮し、多様な生態系の形成を図るとともに、地域固有の生態系に配慮しながら、それぞれの地域に適合した自然環境の創出が重要であると認識しております。
 今後、生物多様性の保全等を緑化施策の方針の一つとして捉え、都市においても公園等の整備について、より一層生物多様性の向上に努めてまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 中心市街地の緑化を進めることにより、少なくとも2つの効果があります。1つはヒートアイランド現象の緩和、もう1つはまちの価値を上げることです。いかが思われますでしょうか。

◯石塚 修中心市街地整備担当部長 まず1点目のヒートアイランド現象でございます。これは一目瞭然だと思いますが、日陰とアスファルトにじりじりと照らされた歩道でははっきりと効果の違いがございます。中心市街地を緑化するということはヒートアイランド現象の抑制に非常に効果があるものと認識しております。
 2点目のまちの価値ということですが、この価値をどのように解釈するかという点が1つございます。やはり一般論といたしまして、緑の潤いのあるまちと、コンクリートとアスファルトに囲まれたまちでは、皆さんどちらをお好みになるかということになれば、前者であることは間違いございません。中心市街地の整備を進めていく中で緑化というものをしっかりと捉えてまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 都市空間の緑化を推進する施策ですが、現状はいかがでしょうか。

◯沼田芳基都市整備部長 現状でございますが、公園、街路、公共施設の緑化を推進することはもとより、民間施設の緑化協力が欠かせないものと考えております。現在、屋上の緑化の推進として、民間建築物の屋上緑化に必要な経費の一部を補助することによりまして都市空間の緑化を推進し、生活環境の向上、ヒートアイランド現象の緩和、大気汚染の低減等、良好な自然環境の創出に寄与できるよう、厚木市屋上緑化補助金交付要綱に基づき補助金を交付しているところでございます。また、特定開発事業が行われた場合、厚木市住みよいまちづくり条例に定める緑化率に基づき、事業者と協議を行い、緑化の推進を図っております。

◯7番 高田 浩議員 屋上緑化は、生態系サービスにおける調整サービスです。都市における調整サービスとは、樹木や植物によって大気汚染や騒音が低下したり、都市部のヒートアイランド現象を緩和させる効果のことです。屋上緑化推進事業の実績はいかがでしょうか。

◯沼田芳基都市整備部長 屋上緑化の実績でございますが、屋上緑化につきましては、平成15年度から施行しまして、現在までに補助件数が15件、総面積は約824平米でございます。そのうち、本厚木駅周辺を含みます緑化重点地区といたしましては13件、約524平米となっております。今後とも、より多くの市民の方々や事業者の方に都市環境問題への取り組みの一つとして理解していただき、事業を積極的に活用し、緑化していただけるよう事業を推進してまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 道路周辺の土地利用は重要です。街路樹は生態系サービスにも貢献します。国土交通省はグリーンインフラの取り組み事例の一つとして、道路緑化の取り組みを紹介しています。ホームページで見ることができます。道路交通機能の確保を前提にしつつ、美しい景観形成、沿道環境の保全、道路利用者の快適性の確保など、緑化に求められる機能を総合的に発揮させ、道路空間や地域の価値向上を図るとしています。厚木市も進めてはいかがでしょうか。既存の街路樹の植えかえや中央分離帯がある市道に樹木を植えるという方法もあります。いかがでしょうか。

◯足立原 満道路部長 街路樹につきましては、日陰をつくり出すことにより気温や体感温度を下げる物理的効果や、緑の多いことにより清涼感や快適感の心理的効果もあると考えられます。また、樹種の更新を含めた植えかえにより、美しい道路空間による地域の価値向上や、中央分離帯への植栽による視線誘導や交通分離という交通安全機能も図られると認識しております。
 しかしながら、今後、街路樹の巨木化が根上がりを発生させ通行へ支障を来すなどの課題や、運転者、歩行者の視認性の確保、道路構造物に与える影響など、さまざまな要因を総合的に精査した上で取り組んでまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 気になる点があるとしたら、国土交通省が紹介しているほかの自治体の例を見てもらってもいいでしょうか。

◯足立原 満道路部長 厚木市においても、他市の状況等を見るのも非常に参考になるということは私も思っておりますので、国土交通省が推進をしていることに関しては、ある程度取り入れるものは取り入れていくという考えは持っております。

◯7番 高田 浩議員 例えば、森の里の3丁目から5丁目に上っていく道などは、既に私が言っている事例の一つとなりますので、もう1度見ていただければと思います。
 国土交通省は、浸透機能を持たせた植栽帯も紹介しています。雨水を花壇に誘導して、一時的に花壇内にためてゆっくりと地中へと浸透させるとともに、まちを彩る修景機能もあわせ持った雨水浸透型花壇や、植栽への水の供給とヒートアイランド現象の緩和を図る公園です。今後の参考にしてはいかがでしょうか。

◯沼田芳基都市整備部長 現在、ヒートアイランド現象の緩和に向けまして、緑化の推進及び公園整備に取り組んでいるところでございますが、今後、国土交通省が推奨する雨水浸透型花壇や植栽への水の供給等、水の循環に配慮した公園等の整備について、整備方針の一つとして参考としてまいりたいと考えております。
 また、道路につきましては、一部において、浸透や保水機能を持つタイルやコンクリートブロックなどの使用により、ヒートアイランド現象の緩和に対応しているところもございますので、今後対応してまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 国土交通省は、都市環境維持・改善に資する都市公園整備、緑地保全、緑化推進も紹介しております。ヒートアイランド現象に対して、壁面緑化、屋上の緑化などさまざまな場所で緑化が進められているとしております。
 以前質問したことでありますが、本厚木駅南口再開発に当てはまりますが、いかがでしょうか。

◯石塚 修中心市街地整備担当部長 今ご質問のヒートアイランド現象、屋上緑化ということでお答えをさせていただきたいと思います。屋上緑化につきましては、緑化の土壌に断熱の作用があるとか、植物自体が日差しを遮ることで室内温度の上昇抑制が図れる、いわゆる建物にとっても省エネ効果が非常に高いということが言われております。
 本厚木駅南口の再開発事業におきましても、こういう屋上緑化のいい点を採用させていただきまして、現在、再開発組合と屋上緑化の施設を整備する方向で調整を進めているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 協働安全部長にお尋ねします。まちの緑化などによって犯罪件数を減らそうとする自治体もあります。東京都足立区は、2006年から2009年において犯罪件数が23区中ワースト1位だったそうです。これに対して、ビューティフル・ウィンドウズ運動を展開して、美しいまちを印象づけることによってワースト1位から脱却したそうです。参考になる事例だと思いますが、いかがでしょうか。

◯高野尚志協働安全部長 今、高田議員がおっしゃいました東京都足立区の関係はとてもすばらしい取り組みだと思われます。また、中心市街地を緑化して美しいまちをつくっていくということは非常に大切なことだと思います。美しいまちをつくる、そういう緑化の部分では、いわゆる道路で言えばアダプト制度とか、市民協働によります公園の緑化にかなり力を入れております。
 また、厚木市の場合は、いっとき、平成13年度ごろなのですが、まちが非常に汚い、怖いなどと言われておりましたが、子供からお年寄りまで誰もが安心して歩けるようなまちをつくろうということで、平成19年にあつぎセーフティーステーション番屋を設置いたしました。平成20年度からセーフコミュニティについての取り組みも始めまして、まちの防犯パトロール、放置自転車の撤去という地道な活動をずっと続けることによって、厚木市の場合も刑法犯認知件数がかなり大きく減ってまいりました。平成13年度当時の刑法犯認知件数は7163件で、これがピークなのですけれども、昨年度、平成28年度が2382件ということで、約61%減ってまいりました。まちに対して市民の皆様が大きく関心を持っていただく防犯、あるいは安心なまちづくりに向けて、1つの思いを重ねていただくことによってこうした活動が進んでまいったものと認識しております。

◯7番 高田 浩議員 次に、災害対策についての質問に移ります。自助、共助、公助について、厚木市の見解をお尋ねします。「日本の科学者」という雑誌があるのですが、ことし載った論文の一部を紹介します。自助、共助、公助は自治体の責任放棄であり、防災を住民に押しつける思想だと書かれてあるのですが、それについてどう思うかです。その論文の一部を抜粋すると、次のとおりです。
 東京都は1971年、震災予防条例を制定した。地震は自然現象であるが、地震による災害の多くは人災であると言える。地震現象と人災を分けた科学性は高く評価できる。石原都政の時代に震災予防条例から震災対策条例に変更され、予防から対策に防災の政策の視点が移された。このときから、自助、公助、共助は自治体の責任放棄であり、防災を住民に押しつける思想が大きくなった。いかがでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 自助、共助、公助に関する考え方のお話でございますが、阪神・淡路大震災、また東日本大震災のような大規模な災害を経まして、公助、行政が行う行為の限界が明らかになりまして、またそれと同時に、自助、共助の重要性が叫ばれるようになったと認識しております。
 阪神・淡路大震災では、地震により建物の中に閉じ込められて生き延びた方の8割が家族やご近所の方による救出によって命を取りとめたというお話も聞いております。
 こうした中から、市民の方の生命、財産を災害から守り、被害を軽減するためには、考え方といたしまして、市民の皆様みずからが自分の身を守っていただく自助、その意識をお持ちいただき、自主防災隊を中心とした地域の方による共助、そして、行政として、防災の第一義的責任を有する基礎的な自治体として公助、その連携が不可欠であるという認識のもと、自助、共助、公助の必要性について市民の方にお話をさせていただいているところでございます。

◯高野尚志協働安全部長 大変恐縮です。先ほど犯罪認知件数が61%減少したと言いましたが、実際は67%の誤りでございましたので、訂正させていただきます。

◯7番 高田 浩議員 震度7の地震が発生したときに、厚木市地域防災計画は、何割の職員が何時間以内に市役所その他へ来ることが前提となって機能するのでしょうか。
 厚木市地域防災計画に伴って、災害対策本部配備計画で災害発生時の初動期職員行動表が定められております。震度4、震度5弱、震度5強以上と3つに分けられております。厚木市職員のおおよそ半数は市外在住ではありませんか。実際に震度6や震度7の地震が発生した場合、たとえ厚木市在住の職員であっても困難に直面します。いかがでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 職員の参集につきましては、想定といたしまして、発災後3時間以内に64%、約950人、またそれ以降、6時間以内には82%、1200人が参集できるものと想定しております。
 ただ、高田議員がお話しのとおり、地震の規模だけではなく、実際、道路や橋の被害の状況等もございますので、想定の目安といたしまして、今申し上げました参集の予定をいたしております。

◯7番 高田 浩議員 監査事務局長にお尋ねします。自宅が壊れた、家族が心細そうにしている、1度出勤したら1週間は帰宅できないという状況に監査事務局長が直面したとします。それでも直ちに出勤しますか。

◯飯塚 尚監査事務局長 私としては、直ちに出勤する用意でおります。

◯7番 高田 浩議員 松本副市長はいかがですか。

◯松本徳彦副市長 今のご質問は、個人的なご質問ということでよろしいでしょうか。──職務上、この場で個人的なご質問に答えることはどうかと思いますけれども、私もそういう職務にありますので、こちらに駆けつけるという思いはいつも持っております。

◯7番 高田 浩議員 厚木市地域防災計画によると、首都直下型地震の被害想定として、死者は110人です。算出の根拠をお示しください。

◯佐藤 明市長室長 厚木市地域防災計画につきましては、現行のものは平成27年3月に発表されました神奈川県の被害想定によるものでございます。今ご紹介がありましたその中におきまして、神奈川県の被害想定の中に、厚木市としての被害のそれぞれの地震ごとの人数がございます。それを使っているものでございます。

◯7番 高田 浩議員 厚木市地域防災計画は、地震の最大加速度をどのように見積もった上で被害想定を算出しているのでしょうか。熊本地震で震度7を観測した熊本県益城町では最大加速度が1580ガルでした。いかがでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 地震の規模を示します1つといたしまして、ガル、加速度があるというのは承知をしているところでございます。地震は幾つか単位がございまして、ご案内のとおり、震度は揺れの大きさを示すもので、マグニチュード幾つというのは地震のエネルギーの大きさを示したものでございます。今、高田議員からお話をいただきましたガル、地震動の加速度を示すもの、また地震動自体の速度を示すもの、このようなものがそれぞれ左右いたしまして地震の大きさになるというようになっております。
 今お尋ねをいただきました厚木市地域防災計画でのガルの加速度の反映ですが、さきにお答え申し上げましたとおり、現行の計画は神奈川県の被害想定に基づき作成しておりますので、その中では、厚木市の被害につきましては震度で判断をさせていただいております。具体的にガルという数字、加速度につきまして、厚木市地域防災計画の被害想定では用いてございません。

◯7番 高田 浩議員 最大加速度によって被害が違ってくるのですよね。
 地震直後の避難所運営を想定した訓練についてお尋ねします。避難所開設運営訓練は、昨年度、厚木市内で何件実施されましたでしょうか。厚木市ホームページに、厚木小学校で昨年実施して約300人が参加したと紹介記事が出ています。避難所ごとに避難所運営マニュアルが作成されているはずです。いかがでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 避難所ごとの昨年度の訓練の件数につきましては、済みませんが、今資料を持ち合わせておりませんので、後ほどお話をさせていただこうと思います。
 避難所の運営に当たりましては、避難所として現在48カ所の指定がございます中で避難所運営委員会を設定しております。特に大きな災害の場合には避難所を早く開設していただきます。避難所は、厚木市が判断しまして施設管理者と相談し開設する形になっておりますが、いち早く開設することが重要だと思っております。
 今、マニュアルについてもお話をいただきましたが、避難所運営マニュアルにつきましては、今年度、新たにひな形となります市統一的なマニュアルづくりを手がけてまいります。また、その中では実際にモデルの避難所を決めまして、マニュアルづくりに当たり避難訓練を実際に行い、それをマニュアルづくりに生かさせていただこうと思います。
 最初にお尋ねいただきました昨年度の避難所での訓練状況でございますが、4カ所で実施をしております。

◯7番 高田 浩議員 4カ所というのは心もとないですね。もう少し促すようにしてください。
 避難所運営マニュアルをつくれば、それで終わりではありません。自治会に頼り過ぎている面も否めないようにも思われます。職員向けの平成28年度災害対策本部配備計画によると、地区担当班が決められております。それぞれの避難所には職員が2人担当する計画です。その2人の中で避難所に行けない職員が出た場合はどうしますか。

◯佐藤 明市長室長 地区班につきましては、今お話しのとおりの割り当てで避難所に従事をする形になっております。災害の内容、また大きさによりましては、職員でありましても実際に時間的に間に合わなかったりなどするケースは十分に考えられます。各公民館に参集をする地区班のメンバーもおりますので、避難所運営、設営を最優先にし、地区班の中でやりくりをいたしまして、避難所運営委員会の皆様にお手伝いができるような配置を考えてまいりたいと思います。

◯7番 高田 浩議員 その2人の担当なのですが、本当に来ることができるのかという視点で、少なくとも毎年点検してはいかがでしょうか。リストを見ると、比較的年齢の若い職員ですね。いろいろな状況が発生します。少なくとも毎年、本当に来られるのかどうか見直してはいかがでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 風水害の場合には、台風の接近などは気象情報であらかじめ想定がつきますが、地震の場合には突然それが起きるというケースもございます。地区班のメンバーにつきましては、住居の位置、その他を考慮して選んでおりますが、実際に災害が発生します時間、曜日、その他によりましては、今、高田議員がお話しのとおり、直後に駆けつけることができないかもしれません。今、想定といたしまして可能な範囲は、従事する場所に近い場所、地元の職員を従事させるということにしております。

◯7番 高田 浩議員 地域防災計画ではなく、地区防災計画という新しい概念があります。いつごろから整えるお考えでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 地区防災計画と申しますと、それぞれの地区において、より地域に即した計画ということかと思います。今それぞれの地域における防災に関するマニュアルにつきましては、さきに申し上げました避難所運営のマニュアルが最も地元の状況に即したものになっております。
 地区の防災計画につきましては今のところ策定する予定はございませんが、今後、その必要性と、また、先ほどの議会でのタイムラインの作成と同様、よりよい防災計画づくりのためでしたらいかなる情報も排除するつもりはございませんので、他市の状況等、また地区の計画という考え方を勉強してまいりたいと思います。

◯7番 高田 浩議員 地区防災計画は、既に厚木市の地域防災計画に載っておりますが、いつごろから整えるお考えでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 位置づけをさせていただきましたのは、前回、平成27年の見直しのときでございます。今、この場でいつからということはございませんが、スケジュールを考えまして、今後計画づくりを進めさせていただこうと思います。

◯7番 高田 浩議員 職員向けの災害対策本部配備計画確定版の最新版は、平成何年度のものでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 職員向けの計画につきましては、4月の異動にあわせまして作成をしております。先ほどお尋ねいただきましたとおり、住んでおります地域、また、職場が異動しますとそれぞれの適した任務も変わってまいりますので、今月中をめどに全庁的に流す予定で進めております。

◯7番 高田 浩議員 平成29年度版は既につくられて配布されているのですか、もう確定版はできているのでしょうか。

◯佐藤 明市長室長 平成29年4月1日の異動による人事配置等にあわせた計画につきましては、今月6月中に全庁的に配布する予定になっております。

◯7番 高田 浩議員 職員が大規模な地震を想定して、災害対応カードゲームを使い、避難所で直面した問題やトラブルの解決策について意見を交換する方法があります。各地域や学校でも実施を促してはいかがでしょうか。現実的な方法だと思われますが、見解をお尋ねいたします。

◯佐藤 明市長室長 いわゆるより実践的なシミュレーションということになるかと思いますが、いろいろな方法があるかと思いますので、今お話しいただきましたカードによる方法も含めて、現実的なシミュレーションができるような形では、訓練の一つとして考えてまいりたいと思います。

◯7番 高田 浩議員 次に、教育委員会への質問に移ります。
 茨城県取手市で女子中学生が自殺した問題で、文部科学省は5月末、取手市教育委員会に調査体制を見直すよう指導しました。遺族は、教育委員会への信頼はなくなっていると述べております。これを他山の石とせず、思考回路から見直す研修はお勧めです。いかがでしょうか。

◯須藤雅則学校教育部長 教職員の研修ということでございますが、任命権者である神奈川県教育委員会が主催するもの、本市教育委員会が主催するもの、さまざまな研修を行っているところですが、今ご指摘のように、教育指導、その指導方法等にかかわる研修だけではなくて、いわゆる教員の本質的な資質向上、あるいは事故、不祥事防止等にかかわる研修についても積極的に取り入れていきたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 市役所の職員にとって、複数の会社から見積もりを取る、金額を見比べて買う、つまり相見積もりは当たり前のことです。ただ、この点について余り理解のない教職員をかいま見たことが何回かあります。相見積もりの研修もお勧めです。いかがでしょうか。

◯須藤雅則学校教育部長 例えば学校の会計業務等で今まで長年にわたり行ってきたこと等々、今まではそれほど大きい事故につながっていないということでここまで流れてきていることもあろうかと思います。ただ、より事故のない正確な処理について研究をする必要は当然あると思いますので、また学校と連携をとりながらその辺についての対応をしてまいりたいと思っております。

◯7番 高田 浩議員 コンピュータ・システムの見直しについての質問に移ります。
 教職員の負担軽減策は、実際、具体的にどのようになる見通しでしょうか。

◯齊藤淳一教育総務部長 先ほど教育長からご答弁申し上げておりますが、学校教育情報化推進実施計画の中で、教職員の部分につきましては、校務支援システムの導入を予定しております。今年度末には小学校に導入を予定したいと思っております。成績処理、指導要録の作成に活用できると思っております。

◯7番 高田 浩議員 わかるのですが、抽象的ではなくて、もしわかれば数字を入れて具体的に言っていただきたいのです。教職員の負担が何時間ぐらい何々によって減りそうだという数値化はしておりますでしょうか。

◯須藤雅則学校教育部長 今、教育総務部長からありました学校教育情報化推進実施計画の中で、策定にかかわっていたところでのお話をさせていただこうと思います。
 市立小学校のうち2校程度に、やや実験的なと申しますか、今まで先生方がいわゆる紙と自分のパソコンを使って処理していた成績、指導要録等の転記等々、年間でどのくらい時間がかかるのかという算出をしております。1校の例ですが、年間で139時間でございました。したがいまして、これが校務支援システムを導入されますと、幾つかの点で、例えばその記載を入力によって1度で済ますことができる等々ございますので、恐らく139時間ぐらいは軽減されるかと想定しております。

◯7番 高田 浩議員 数値化というのは非常に重要ですので、今後もそれを意識して行っていただきたいと思います。
 現状の学校ホームページのシステムの一部に、どう考えてもおかしい部分があります。トップページを親ページだとします。その下の階層である、例えば学校概要、学校からの便り、PTAなどのページを子ページと呼ぶとします。さらに、その下のページを孫ページと呼ぶとします。孫ページは、現状の設定においては最長でも年度末で自動削除されるそうです。議員資料請求によると、学校ホームページのシステムは、掲載期限の設定が1カ月後、3カ月後、年度末しか選択できない、最長でも年度末で自動削除となるという回答が先月来ました。孫ページを全て一律に自動削除の対象にしてもよいわけがありません。なぜこのような状態を放置しているのでしょうか。

◯齊藤淳一教育総務部長 放置と申しますか、今の更新の部分について、今まで学校から特にご要望はいただいておりません。更新しないほうがよいような部分がございましたら、その部分について改善することは可能だと思っておりますので、そちらについては対応させていただきたいと思います。

◯7番 高田 浩議員 どう考えてもおかしので、その点は間違いなく改善してください。今の仕様はどう考えてもおかしいです。
 タブレット導入について質問します。教室で具体的にどのように使いますでしょうか。

◯齊藤淳一教育総務部長 タブレットにつきましては、機械のほうはやっと全校に導入が終わっている状況でございます。これから教職員を対象に研修等を行っていくつもりでおりますが、具体的な活用策としましては、持ち運びが可能ですので、グループ学習ですとか、五、六人ずつに分かれて使うことができる、それから体育の指導で跳び箱を跳んでいるのを動画で撮影し、それを見せながら、ここのところをこうすればうまくいくのではないかなど、そういう指導が可能になると思っております。

◯7番 高田 浩議員 成績の向上にどのようにつなげますか。

◯須藤雅則学校教育部長 今お話しさせていただいた活動例以外に、いわゆるドリル学習ということも想定しております。今までは先生方が印刷したプリントを配って一斉授業を行い、その後に演習という形を多くとっておりますが、ドリルは児童・生徒個々のスピードで、個々の課題に当たれるということで、まずは基礎、基本の定着が図れるものと思っております。