厚木市環境基本条例の改正に向けて
「魂を抜かれてしまった」...。厚木市は2017年7月14日、私の厚木市環境基本条例改正案を基に、経営会議で条例改正の方向性を協議しました。結果として、課題を解決するための肝心な部分が大幅に削除・簡略化されてしまいました。
私は7月13日、環境政策課など幾つかの課と合同で私の改正案について打ち合わせを行いました。今の厚木市環境基本条例の制定は、1986年。簡単に言うと、「環境を守りましょう」という「理念条例」です。この30年の間、課題は公害から生物多様性へと変化。加えて、学術的な研究も進歩する中、多角的な視点が求められています。 私は、「理念条例」から「課題解決型条例」にバージョンアップさせることを目指しています。
私は横浜国立大学大学院において 、同条例改正の研究を行っています。 9月議会一般質問(50分)において、この条例改正について取り上げます。条例が作られるまでのプロセスは、次の通りです。
①制定/改正の意思表示 ②政策案の形成 ③政治判断
今は、②の段階です。小林常良・厚木市長は3月、議会一般質問において、「環境基本条例の改正に取り組む」と明言しました。これは私の「1986年制定の環境基本条例を全面的に改正する考えは」との質問への答弁です。
私は世田谷区役所にて8月29日、同区の環境配慮制度についてヒアリングを実施。経験豊富な松下洋章・環境政策部長自ら解説して下さいました。厚木市環境政策課長と法制担当係長も同席しました。また、保坂展人・世田谷区長にもお目に掛かりました。
世田谷区の人口は約90万人であり、70~80%が住居地域です。環境配慮制度の効果として、みどり率が0.58ポイント上昇したそうです。示唆に富んだヒアリングとなりました。
厚木市は、2018年2月議会に改正案を出す予定です。私は自分の改正案を更に進化させた上で、9月議会一般質問に臨みます。
以下は、厚木市経営会議(2017年7月14日)より転載
○具体的な施策の規定について改正すると、今まで示していた内容は条例に入らないのか。また入らなくても問題ないのか。
→今、条例にある内容はその他に含めていく予定である。また、他の条例にも入っている内容である。都市の美観については景観条例が、青少年の有害となる環境の浄化については県の青少年保護育成条例に基づき、取り組んでいる状況もある。
○環境に配慮した公共事業について、一定の規模以上の公共事業とは。
→環境アセスメントより下回るが、ある程度大きい事業を想定している。環境に配慮した公共事業がなされているかどうかを事前にチェックできる体制を整えていきたい。
○対象となる公共事業は。
→関係課等と詰めていく。
○いろいろな会議で検討が必要となると、事業の進ちょくに影響が出ないか。
→事業に影響が出ないよう、できるだけシンプルな形で仕組みを考えていきたい。
○民間企業は。
→民間企業の事業を対象とすることは考えていないが、環境基本計画の中にある環境配慮指針に基づき、今後も事業を進めていただく。
○強制力はなくとも、環境に配慮した事業者の責務は入れるべきではないか。
→事業者の責務として、良好な環境の保全を規定している。
○市の公共事業や内部の組織であれば、内部規定で済むもので、条例化する必要があるのか。
→公共事業に対し、積極的に配慮している姿勢を示していきたい。
○ねらいは、専門的な知識を持った方々の意見を取り入れるということか。
→外部の有識者による部会において意見を聞く仕組みを作り、市が判断するものである。今の生物多様性あつぎ戦略推進委員会と地球温暖化対策推進委員会は要綱設置である。専門的な見地からの助言は附属機関の所掌になるので、環境審議会に統合して附属機関の部会として体制を整えていきたい。
○滞在者の扱いは、ごみを捨てないことも含まれると思うが、厚木市みんなで守る美しい環境のまちづくり条例にポイ捨て禁止がありながら、環境基本条例でも規定することになるのか。
→自治基本条例における市民の定義には、滞在者は含まれないため、観光や鮎まつり等のイベントで訪れる方々においても、本市の良好な環境の保全に努めていただくために、滞在者を推進主体として扱うものである。
○他市では、会議名称ではなく環境保全を推進する体制の整備を条例に入れているところもある。推進体制を整備することを条例に入れていく方向性がよいのではないか。
→推進する体制を大きく捉えることができるので、修正する。審議会と委員会には重複者の方がいるので、整理すると、専門家の人が審議会のメンバーになっていく。今の委員会を部会に位置付けると環境審議会が生物多様性から地球温暖化まで諮問できる組織になるので、条例で部会を置くことができる規定、規則で部会について定めていきたい。
結果
指摘事項を修正し、承認