厚木市職員が小学校で環境教育の出前授業(提案実現)
2020年度/3つの小学校
「わかりやすかった。いつもは積極的に手を挙げることの少ないタイプの子も含めて、みんなよく反応していた。」 これは、小学校教員(4年生担任)の声です。
厚木市環境政策課職員は2020年10月から12月の間、市内3つの小学校において「地球温暖化」をテーマに出前授業を実施。これは、2019年12月議会一般質問における私の提案に基づいています。
環境省、厚木市の事業を選定(この出前事業も選定要因の一つ)
授業は、クイズ形式と参加型で進められました。以下は、クイズの実例です。
① 2100年に地球はどれくらい暑くなるか?
1.55℃ 2.43℃ 3.100℃
② 森が火事になると...
1.人間 2.動物 3.魚 が住めなくなる
③ 二酸化炭素が増えた理由
温暖化の結果、「海水面が1.1メートル上昇するかも」として、その長さの紐と児童の身長を比較。子ども達が実感していました。
森林火災については、オーストラリアで火傷したコアラの例が取り上げれました。このニュースは、「知っている」との多くの児童から声があがりました。
最後に、チャレンジ宣言として、各児童が「自分に出来ること」を書きました。その後、「使わない部屋の電気は消す」、「物をあまり冷蔵庫に入れない」、「リサイクル出来るものを使う」、「車を使わず、チャリに乗る」などが発表。「息をしない」との笑いを誘う発表もありました。授業終了後、女子児童からは、「イラストが可愛かった」との声も聞きました。
これは、新学習指導要領・総則にある主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の実践事例だといえるでしょう。ある校長先生は、「パワーポイントとプリントが分かり易い内容」、「動物や電化製品など、子どもにとって身近な話題を取り上げている」、「笑顔で話していたので、安心して話が聞けた」、「時間配分が良かった」と感想を述べていました。一時間目において、授業が終わったタイミングでチャイムが鳴りました。それについて、「プロの先生でも難しい」とも述べていました。
環境教育は、SDGs(国連の持続可能な開発目標)を知る手掛かりとなります。環境省は、「SDGs17のゴールのうち、少なくとも13が直接的に環境に関連するものであり、残り4も間接的ではあるものの、環境に関連する」としています。 また、この出前授業は、新学習指導要領のキーワード「持続可能な社会のための創り手」にも役立つと思われます。
偶然、環境政策課の中に教員免許(英語)を持っている職員(英国の大学院修了)がいました。そのため、児童の好奇心を引き出す術を持っているようでした。私が見に行った日は、その職員と係長がクラスごとに交代して授業が実施されました。
私は、同様の授業を実施している新潟県柏崎市へ2回視察(政務活動費から支出)に行きました。2019年10月、概要をヒアリング。2020年2月には、授業参観をして来ました。柏崎市は2017年度、1校でモデル授業を実施。2018年度は、10校で行ったそうです。
厚木市でも来年度以降、実施する学校が増える事を期待します。また、「中学校においては市職員が英語で話し、英語教員が逐次通訳する」という方法もありかと思われます。
環境教育はアイデア次第です。私はこれまでも、特定外来生物オオキンケイギクの駆除などを実施しています。今後も厚木市民に環境の課題へ接する機会を提供するとともに、環境政策の制度設計を進めます。