ストレスから解放された不思議な体験 |
私は2002年10月、特別養護老人ホームや知的障害者福祉施設、自立支援施設などにボランティアを申し込み、現場を体験して来ました。幾つか印象深かったこともありましたし、いささかショックだったこともありました。中でも意外な感想を持ったのが、痴呆の方を対象としたデイサービスです。終わった後の感想は「楽しかった」でした。 最初に感じたことは、職員が施設利用者にストレスを与えないように細心の注意を払っていることでした。簡単な注意を受けた後、隣に座った利用者に話し掛けるなどしましたが、無理に話し掛ける必要はないようでした。朝は「ゆったりとした気持ちでいると、利用者にも伝わる」とアドバイスされました。朝、利用者が自宅からホームに来た場合、来たことだけでストレスとなっているかも知れません。 私もゆったりとした気持になり、ストレスを与えないように心掛けました。すると、心がス〜と軽くなりました。今までこんな感覚を体験したであろうかと記憶をたどったところ、海外のほとんどプライベートビーチ状態のヤシの木の下でゴロリとした時に味わった感覚と似ていると思いました。 恐らく、ストレスから解放された不思議な空間が私を「楽しい」と感じさせたのでしょう。 しかし、現実は厳しい面もありました。食事介助を1時間程したところ、私はほとんどお役には立てませんでした。赤ちゃんの人形を抱きながら、会話は自然な方と接しながら、ご家族に思いを馳せました。奇声をあげる利用者もいました。利用者を車で送ったところ、独りでお住まいであることを知り、ホロッとしたこともありました。 私はこれまで環境や情報公開に力点を置いて活動して来ており、福祉は率直に言って理解が薄い分野でした。最近、自分の姿を振り返って見た際に、これからは、今まで理解が少なかった分野に理解を拡げようと思い立ちました。その第一弾が福祉です。 |
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車椅子利用者らと横浜へ |