厚木市議 高田ひろし通信 on the web 

友人のケニア便り・その4です

ケニア便り(その4:98年10月6日号)
1. 日課
 私の日常生活が見えるように一日を追ってみる。いうまでもないが、日本人の標準的な一日がないのと同じように、これはあくまで私の一日であって、協力隊の隊員の標準的な一日でもないしケニア人の一日でもないのでお忘れなく。
 また、物価も分かるように価格も書いた。銀行での交換レートは正確には100円が42シリング(Ksh)くらいだが、だいたい1Ksh=2円という感じなので日本円にする時は2倍すればよい。
6:00
 起床 ベッドの中でストレッチ(柔軟体操)や腹筋などの簡単な体操をする。
6:30頃
 近くの農家の人が絞りたての牛乳を売りに来るので、それを買う。 300ccのコーラのビンの口まで入れてもらって、12Ksh。これをミルクティーにして 、それと前日買っておいた揚げパン(2枚10Ksh)とバナナ(12cmくらいの小さいもの、1本2〜3ksh)が私の朝食。これ25kshもかかっているので、平均的なケニア人にとっては、かなり高額だ。食べ終わったら、(水道も流しもないので)バケツの水を使ってタライの中で食器を洗う。
これだけだと時間が余るので、本を読んだりして時間をつぶす。
7:55 家を出る
8:00 学校着 月曜日と金曜日はすべての生徒と先生の参加で朝礼。指名された
 生徒の指導で讃美歌を歌い、聖書の特定の章を朗読する。次に全員起立し国旗掲揚、 国歌斉唱。そして、当番の先生から注意・連絡事項と教頭、校長からコメントがなされる。
 火曜から木曜は、生徒は学年別、先生は当番の先生だけで朝礼がなされる。それ以外
の先生は職員室に直行。

8:20〜9:00 1時間目
9:00〜9:40 2時間目
9:40〜9:50 小休止
9:50〜10:30 3時間目
10:30〜11:10 4時間目
11:10〜11:30 大休止
(職員は職員室でインスタントコーヒーまたはココアを飲む。 そのためのお金は学期毎に集めている。105ksh。お金のある生徒は売店でジュースなど)

11:30〜12:10 5時間目
12:10〜12:50 6時間目
12:50〜13:30 昼食
 私は近くの食堂で、(1)チャパティ(小麦粉を水で練って、油を引いた鉄板の上に薄く引いて焼いたもの)と野菜スープ(と言っても日本でイメージするようなスープではなく、薄いトマトスープにジャガイモと肉が2切れくらい入ったものか、キャベツまたはスクマと呼ばれる緑色野菜を煮たものに肉が2切れくらい入ったもの)合計22〜25Ksh (2)ウガリ(引いたトウモロコシの粉を沸騰したお湯で練ったもの)と野菜スープ、合計20Ksh (3)ギゼリ(トウモロコシと豆を煮たもの)の上に野菜スープをかけたもの 合計15Ksh のどれかを食べる。生徒は学校の食堂で、ギゼリに野菜スープが少し。この組み合わせがこの地域でのもっとも一般的な食事でもある(生徒は夕食もこれ)。
  赴任先の村では新聞が売られていないが、バスの車掌に毎日新聞を食堂の近くの診
療所に配達するように頼んでいるので、食後、それを取りに行く。
13:30〜14:00 準備の時間
14:00〜14:40 7時間目
14:40〜15:20 8時間目
15:20〜16:00 9時間目
16:00〜17:00 月・火・木曜日 体育系クラブの時間
水曜日 文科系クラブの時間
金曜日 キリスト教の時間
 日本との大きな違いは、1時限の授業が40分と短いこととその間に必ずしも休息が入
らないことでしょうか。先生の拘束時間は8:00から17:00まで。この間に授業をしたりその準備をしたり。日本の学校での先生の経験がないので対比できないが、ここではこの拘束時間内もかなり自由でおしゃべりしたり、買い物をしたり、(生活に必要な)水を学校で汲んで家に持ちかえったりといろんなことに使っている。多分、拘束時間にこれらのことをす
るのは望ましいことではないので、自分は、17:00の拘束時間終了後、水汲みと買い物をするようにしている。
 村の中のマーケットでは、近くの農家の人が毎日昼頃から夕方までトマト(小5個で10Ksh、または中5個で20Ksh)、玉ねぎ(小4個で20Ksh)、スクマ(緑の葉っぱ 、手の平より大きい葉っぱ5〜8枚で2Ksh)、ジャガイモ(小4個で10ksh、中4個で 20Ksh)などの野菜とアボカド(5〜8Ksh)、パパイヤ(8〜15Ksh)、バナナ(2〜5Ksh)などの果物など(こららの野菜や果物は大きさや季節で大きく変わる)を露天で売っている。また、小屋の売店で豆(500グラム20Ksh)、トウモロコシの粉(ウガリ用、2キロ50Ksh)、肉(牛肉も山羊の肉も同じ値段、200グラム30Ksh)などの食べ物や、石鹸、マッチその他の雑貨も多少は村の中で売られている。
 学校が終わった後、村のマーケットで買えるものを適当に組み合わせて買って、野菜スープを作り、主食はウガリというのが私の標準的な夕食。後は、新聞を読んだり、授業の準備、本を読んだりで、最後に歯を磨き、タオルを水で湿らせてそれで体を拭いて、お風呂の変わりにして一日が終わる。
 私は教員長屋に住んでいるが、そこの他の教員たちは、毎朝水浴をしている。私には朝は気温が低いし(15〜20℃)水は冷たいし、水浴すると水を大量に使い、水汲みも面倒くさいしで、夜、寝る前に体をタオルで拭くことで済ませている。しかし、朝水浴しないのが彼らには不思議らしく、何回も質問された。
 22:00頃 就寝。つまり毎日8時間くらい寝ている。灯油ランプは暗くて目が疲れて、 なかなか起きていられない。睡眠時間が長く、日本にいた時よりとても健康な生活をしている。でも最近目が悪くなったみたいな気がする。
 また、土曜日は市の日で近所から多くの人がいろんなものを売りに来る。品数も増え、サトウキビやパッションフルーツ、衣類、雑貨も売られる。生きている牛、山羊、鶏(一羽200Kshくらい)も売買されているらしい。
 洗濯はだいたい日曜日にまとめてやっている。というのは土曜日は他の先生が洗濯していて干す場所があまりない。日曜日は、ほとんどの先生が教会のミサに行き、洗濯をしないので場所が空いているから。
 食事に使うコンロは、灯油コンロ、また、照明用のランプも灯油。灯油は1週間に1リットルくらい使う。月に一回くらいバスで1時間のマチャコスという町で100Ksh分(4 〜5リットルくらい)買う。
 以上が私の日常生活だ。生活費も普段は1日100Ksh(250円)くらいしかかかっていない。しかし、日本語のいわゆる日雇いの仕事が1日60Kshくらいにしかならないここでは、これでも贅沢な部類に入ってしまう。