厚木テレコムパーク 借入金、資本金を上回る

苦しい経営浮き彫りに

朝日新聞 1998年3月5日

 厚木市や県などが出資している第三セクター「厚木テレコムパーク」(和田宏社長)の借入金は、 日本開発銀行など複数の金融機関から七十四億円あり、資本金の五十四億円を上回っていることが、 四日の厚木市議会の質疑でわかった。累積赤字も二十一億円にのぼっており、苦しい経営状況が 改めて浮き彫りにされた。
 市が、同社が管理・運営する同市岡田の「厚木アクスト」(二十六階建て)の二階部分を買い上げるための、新年度予算案で約七億三千万円を計上したことについて、高田浩氏(平和:市民)が ただした。
 同社が管理する厚木アクストの二階から九階までのテナントの入居率は増加しているが、家賃は 大幅に割り引かれており、小南茂考・業務核都市・第三セクター担当部長は「100%の入居と なっても赤字が続く。単年度黒字に転換するには今後十五年以上かかる」と明らかにした。市側は これまで、累積赤字の解消についても十数年かかるとしていたが、この日は、「経営のことなので、明らかにできない」と修正した。
 高田氏は「厚木テレコムパークの経営破綻(はたん)は必至であり、二階フロアーを買い取ることは賛成できない」としたが、山口厳雄市長は「フロアを買い取るのは、厚木テレコムパークの支援策が目的ではなく、マルチメディアネットワークの拠点づくりのためであり、予算執行に理解いただきたい」と答えた。