「これは素晴らしい」と思わず写真を撮ってしまった。メキシコ・シティの地下鉄の中 で優先席の表示を見た時のことだ。日本で優先席、あるいはシルバーシートというと、その対象はお年寄りと身体障害者 である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ところがメキシコ・シティの地下鉄車両の優先席には、それらに加えて、妊婦と幼児 を連れたお母さんのイラストがあった。私は電車の中で努めて席を譲るようにしている。しかし、これは妊娠・出産を経験した妹の話を聴いてハッとし、遅ればせながらのこ とだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人間は、自分が経験しないと、なかなか分からないことがある。これに気付かなかっ たころ、どれだけ妊婦やお母さんたちが、座っている私の前で大変な思いをしていたか と思うと、恥ずかしく消え入りたいほどだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そこで、優先席に妊婦と子供連れのお母さんを加えることを検討してみることを、提 案したい。決して難しいことではない。もし、これが実現すれば、その会社のステータスも上が るし、「さすがは、文明開花の発祥地を抱える神奈川県」と、県外からも注目されると 、私は、思うのだが...。