厚木市立戸田小(山本玲子校長、児童394人)で25日、学校近くの相模川で繁殖、子育てをするカモメ科の渡り鳥コアジサシや、コアジサシがやって来るオーストラリアの自然や文化を学ぶ特別授業が開かれる。講師は在日オーストラリア大使館のトレバー・ウィルソン公使と、コアジサシの生態に詳しい真鶴町立真鶴中教諭で西湘鳥類標識グループ代表の室伏友三さん(50)。コアジサシが“日豪友好の大使”となって、児童達は豪州の子供たちとの親善友好に夢をはせている。 |
【高橋 和夫】 |
コアジサシは、環境庁のレッドデータブックで絶滅の恐れが心配される貴重種。国内で約20ケ所の営巣地が確認され、相模川にある県内広域水道事業団の取水施設・相模大堰(厚木市岡田-海老名市社家)の直下にある中州は、国内河川の繁殖地としては最大規模とされている。 |
中州には毎年春、オーストラリアなどから200〜400羽が飛来する。昨年春は300羽が営巣して、5月中旬までに100羽以上の幼鳥が育った。 |
営巣地近くの 厚木・戸田小で25日 ------------------ |
生息状況に未知な部分が多く、ここ数年、飛来数が減っているため、日本での繁殖に国際的な関心が寄せられてきた。 |
同小では、子供たちが身近な地域のことに関心を深める特別授業「戸田っ子わくわくタイム」で、コアジサシを取り上げ、地域と外国とのかかわりを学ぶことになった。 |
在日大使館の高官が小学校に出向いて子供たちに講演することはほとんど例のないことだが、ウィルソン公使は知人である高田浩・同議員の仲介で招かれ、コアジサシが日豪友好の懸け橋となることを願って講演を引き受けた。 |
授業は90分間で、児童たちのほか父母らも参加する。室伏教諭がスライドを使って、コアジサシや大堰の自然を説明。ウィルソン公使は「オーストラリアはどんな国?」と題して、ビデオを放映しながらオーストラリアの自然や文化を紹介する。 |
山本校長は「特別授業は地域の自然や外国とのかかわりを知ってもらう一つのきっかけ。コアジサシの観察や保護に取り組んだり、オーストラリアの子供たちとの交流を進めていけるかどうかは、児童の自主的な取り組みに任せたい」と話している。 |