厚木市議会は27日に開いた議会運営委員会で、議員定数を現在の30から28にすることを決めた。12月定例議会最終日の来月21日に定数の条例改正案が議員提案され、可決されれば任期満了に伴う来年7月の市議選から28の改選数で実施される。
議員定数をめぐっては、今年の9月定例議会に定数削減と定数増を求める陳情が市民から別々に出された。議会運営委員会の審議では、民意を反映し行政を監視するうえで、何を議員定数の基準とするかなどをめぐり、さまざまな意見が交わされた。定数削減は、議員それぞれの思惑や利害得失も絡むため意見がまとまらず、結局、少数会派の猛反対で定数削減の陳情は継続審議となった。
同市議会では9月議会中、この春、岡山県に視察旅行した同市議会経済建設委員会の一部メンバーが自主研修の時間にパチンコをしたことや、自治会長らが市費で毎年、県外の観光地に慰安旅行していることなどが問題となった。いったん決着がついた定数削減の動きが急きょ再び、多数会派の議員の間で浮上したのはこの直後から。
自治会長らの慰安旅行などの問題を追求したのは、前回選挙の際に最下位で初当選した無所属の若手議員。このため一部議員の間では、急転直下の定数削減の動きは、強い支援組織を持たず支持基盤の弱い若手議員らへのいやがらせとの見方も出ている。
27日の議会運営委員会では、2人削減の根拠をめぐって多数会派と少数会派の委員の意見が真っ向から対立し、民政クラブや市政クラブ、公明党の賛成で削減の方向にまとまった。
同市議会の議員定数は、1967(昭和42年)年26から30に増えた。同市の現在の人口約1万人に見合った地方自治法上の法定数は44。同市と人口がほぼ同じ県内各市議会の議員定数は小田原市が32、茅ヶ崎市と大和市がそれぞれ30となっている。 【高橋 和夫】
|